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建築物語4 法隆寺宝物館(東京)

今回は、法隆寺宝物館を紹介していきます。

上野動物園でとても有名な上野公園内にある、東京国立博物館の施設の一つです。

法隆寺から天皇に献納された宝物300点余りを展示した博物館で、特に数十体の仏像がずらりとならぶ空間は圧巻です。

撮影可だったような気がしますが、美術品を撮ることは、何というか時代は違えど著作権があるようで、僕は展示室内は撮りません。興味がある方はご覧あれ!(共用部でもスタッフに一応声かけてますからね!イチオウ)

(コロナウィルス感染防止のため、現在休館中です。2020年4月17日現在 残念です)


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設計は、ニューヨークのMOMAを手掛けた谷口吉生さん。美術館や博物館など、文化施設の設計の多い谷口さんですが、最近では銀座SIXなど商業施設も手掛けています。

彼の手掛けた作品、豊田市美術館や猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)や、彼の父親との共作(父親である谷口吉郎も有名です)の玉川図書館など、いくつか見てきました。


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谷口吉生さんの美術館建築で最も特徴的なことは3つあるかなと思っています。

1つめは、エントランスといった共用部をアプローチの前面に配置して、気持ちの良いエントランス空間でありながら、外観も整える構成にしていることが多いことです。

美術館建築に限りませんが、2つめは、美しいプロポーションです。全体の外観がすらっとして美しかったり、部材構成が美しかったり、ああもう美しいしかいえません。

3つめは、ディテールを消去していることです。難しいですね、言い方を変えます。部材構成を極力シンプルに見せていることです。(大変な設計・施工技術が必要です。)例えていうなら、白鳥の湖。。


この法隆寺宝物館も、吹き抜けのあるエントランスを正面に配置し、インテリアとしてのルーバー(日よけ)が外観によく表れています。

見てください、この門型状のフレームのプロポーションと細い柱の構成。美しいですね~。

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谷口さんはよく鉄骨造で建築を設計しています。上の写真はエントランスの空間です。建物本体を支える太い柱は写真右手の壁内に隠し、深い庇をちょんと支える細い柱は、見せています。写真左のアルミルーバー(日よけ)からは、淡い光が漏れてきて、日本建築の障子みたいです。

このように、根津美術館の記事でも言いましたが、大空間でも割と小さな部材で支えられる鉄骨造の特徴を活かし、鉄の繊細さをありありと建築に表現しています。

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この建築は、床・壁・天井は素材も寸法もそれぞれ違います。しかしこの建築、床・壁・天井全て目地を合わせています。設計上でも施工上もこれは大変な作業でして、大げさに言えば1ミリも狂うことは許されません。

床・壁・天井の目地がバラバラだとがちゃがちゃした印象になるため、そんな緊張感が、空間をすっきりさせているのですね。


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2階視聴覚室の空間です。この空間も吹き抜けとなっています。

谷口さんは、よく小さな吹き抜けをあちこちに配置して、狭い通路でつないでいるプランを好む気がします。狭い通路を抜けると、豊かな吹き抜け空間があった、という感動の空間体験ができます。

さて、この吹き抜けを実現するためには、ある建築基準法をクリアしなければなりません。

それは建築基準法施行令112条「防火区画」というものでして、吹き抜けに面して、防火シャッターや防火扉で完全に囲わなければなりません。(原則的に)

谷口さんの建築で興味をそそられる一つの要素は、防火区画の処理方法です。意外なところに区画処理があって楽しいです。うまく隠しているので、子供のころ遊んだ、まちがい探しによく似た興奮を覚えます。


防火区画は、壁に隠されていたり、天井のスリットに隠されていたり、、見てて飽きません。


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問題です。この吹き抜けの中に防火区画の処理が施されています。それはどこでしょう?



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行燈のように淡く光り、水盤に映し出されて、夜はまた違った趣もあります。

ちなみに、僕は美術館めぐりが好きです、といっても美術品にあまり興味がなく、むしろ建築を鑑賞しています。が、この暗い部屋にピンスポを当てられた仏像群といったらもう、、美術に割と無頓着な僕でも十分楽しめました。

仏像が好きな人もとっても楽しめるので、お勧めですよ!


ではまた次回に~


ぱなおとぱなこ


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