今までのバイト先~1社目~

ここで会社員になる前のバイト先についてお話していこうと思う。

初めてバイトしたのは高校1年生の冬だった。

周りからは「早いね」と言われるが、うちの学校では高校生でバイトするのは珍しい事じゃなかった。
クラスの皆が「今日から3連勤」とか「社員さんに口説かれた」とかバイトあるあるを言っていた。
給料でブランド物を買う人も多かった。
※当時はグッチとかルイヴィトンとかハイブランドの商品を女子高生が身に付けるのが流行っていた。

服が好きで、アパレル店員になりたかったので、当時唯一高校生可のアパレルブランドに面接を受けに行った。
冬期の2週間の短期アルバイト。
実は面接は2回受けた。
1回目は不合格で、2回目は合格した。
敗因とするならば、当時恐らく年末年始の要員増加を考えていたお店側に対し、「31日と1日の出勤は難しく、委員会があるので(←嘘、うちの学校に委員会は無かった。)毎週日曜日出勤するのは難しい。」と伝えたからだと思う。
間髪入れず「31日と1日、出勤出来ないのは何故ですか?」と聞かれて、「…あっ、家族との予定があって…。」と弱々しく応えた。
その後、販売員としての心得(サービス業なので年末年始、土日出勤は当たり前という事を言いたかったんだと思う)を懇々と説明され、社会の厳しさを知った。

結果、3日経っても連絡は来ず、落ちたことが分かった。
しかし、「アパレルで働きたい!」という気持ちは変わらず、他の店舗の面接に応募した。

バスと徒歩で45分くらい掛かる所。普段は車で連れて行ってもらうショッピングモールの中に入っているお店。16歳というまあまあな年齢ではあるが、初めて乗るバスや降りる停留所、見慣れない風景に戸惑った。
丁度良いバスが無かったので、30分前くらいに到着して、お客さんのフリをして店内の商品を見て回った。
10分前くらいに優しそうな店員さんに声を掛け、面接に通してもらった。「頑張って下さいね!」と応援してもらった。(面接で受かったらこの人と一緒に働けるのか…)と夢が膨らんだ。

メガネを掛けた面接官だった。何か前に面接してくれた人に似てるな…と思った。
頭の中でその人のメガネを外させてもらうとこの前の面接官だった。
「ご無沙汰しております!どうしてもここで働きたくて、また応募させて頂きました!」
かなり機転の利く高校生である。

「年末年始出れます。」
「日曜日は委員会以外の日は出ます。」
とニーズに沿った人材である事を猛アピール。

「短期の募集ですけど、その後も働きたいですか?」
「いずれ社員になりたいですか?」
と聞かれた時には、就職先が決まったと思った。

そんなこんなで2回目の面接で無事合格。

初出勤は12月23日くらいだった気がする。
最初はオリエンテーションみたいな感じで、書類の確認やタイムカードの説明、従業員入り口や休憩室を案内してもらった。
その後お店に入り、店長に続いて「いらっしゃいませ~」の練習をした。
「いらっしゃいませ~」と言いながら、まだ出勤して1日目なのに恐縮だな、と思った。

もう学校は休みに入っていたので、フルタイムで働いた。
めちゃくちゃキツかった。
仕事をして初めてお客さんでいられる事の有り難みを知った。

学生はお金を触れないのでレジ業務は無く、呼び込みと商品整理と接客をした。
セール期だったので、でかい看板を持って声出しをした。
普段大きな声を出す事なんてないので最初は新鮮で楽しかったが、10分後には喉がカラッカラになり声が飛んでいた。
「変わろうか?」と声を掛けてくれた社員さんがいて、感動した。
そういうのは下っ端がやるものだと思っていたし、社員さんはもっと他の仕事があるのではないか、と思った。
将来自分がその立場になったら、しんどい仕事を快く変わってあげられる先輩になりたいと思った。

商品整理については声出しをしながら空中で服を畳むのは至難の業だった。
身長が低いということもあり、チュニック丈やメンズの服を畳むときはほぼ上半身を90度に曲げていた。
それを見ていた社員さん(声出しを変わってくれた人じゃない人)にマネをされ、笑われた時には虐めかな、と思ってドキッとした。

接客については声掛けはするが、知識が無いのであまり聞かないでくれ、と思っていたし、フラれた時にはホッとした。
ファミリー層が多かったので、基本的には優しくて親しみやすいお客さんが多かったが、ごく稀に無視するお客さんもいた。
無視をされた日は一気にテンションが下がる。
自分がお客さん側になって店員さんに声を掛けられた時には笑顔で対応をしよう、と思った。

このバイトは半年続けた。
覚えた事も最後までよく分からなかった事も忘れていいんだ、と解放的な気分だった。

最終出勤日は平日でお客さんがいなくて、同じ歳のバイトの子と話し込んでしまい、終業時にめちゃくちゃ怒られた。

お別れの挨拶をする時には笑顔で接してくれて、大人は切り替えが上手いな、と思った。

~まとめ~

学んだこと
→お客さんでいられる事の有り難み
→会社は緩い所もあれば厳しい所もある
→広げた服はねじこまず、一番上に置くのが正解
→アパレルは服を買わなければいけない(社販)ので、貯金をするには向いていない
→服を志す者はエアジョーダンは知っておいた方が良い(当時大学生バイトの人がエアジョーダンを語っていて「エアジョーダンって何ですか?」と聞いたら驚かれた。おしゃれ番長と呼ばれている人だったので、その人がオススメするものは買った方が良いと思い、1年後に黒のエアジョーダンを買った。)

楽しかったこと
→お客さんと会話が弾んだ時
→自分の好きなブランドとお客さんが好きなブランドが一緒だった時
→スタッフさんと一緒にご飯を食べた時(そういう係があったのかな、と思うくらいお昼はスタッフさんと食べた。ご飯を早く食べ終わった時には一緒に雑貨屋さんに行った。)
→同じ歳のアルバイトの子が入ってきて、バイト終わりにラーメンを食べたこと。

楽しくなかったこと
→出勤簿を書くのを忘れて慌ててバックヤードに戻ったら、マネージャーがいて、「忘れたら給料出ないからね。」と脅された事。
→土日に休み希望を出した時に「他の人のシフトも確認して出すように。」と言われ、まだ学生なんですけど、と思ってしまった事。
→「〇〇さんって、すごいですよね。」と言った時に他のスタッフさんに「でも〇〇さんって、ああいう所もあるよ」と愚痴を引き出してしまった事。
→他のブランドの服を買った時に「裏切り者」と言われた事。