見出し画像

アダムとイヴに禁断の果実を教える

今から30年以上前 南米パラグアイ

発電機を購入して村に灯りがともった日から、
実は私にとって後悔と苦悩の日々の始まりでした。

私が来るまで、電気もなく水もありませんでしたが、
それなりに自給自足の生活と生きていく最低限の生活は
出来ていたはずです。

私という文明消費経済社会の人間が、その生活スタイルを伝えたことで、
一見生活レベルが向上したといえるでしょう。

しかし、その生活レベルやスタイルは便利な代わりに、
お金と物質の文化であることは忘れてはなりません!

電気がなければ無いで良かった生活が、電気がないと困るから
発電機を回す為の燃料代を稼がなくてはならなくなります。

例えば裸族の村に服を来て行って
裸は恥ずかしいと言いに行くようなもので、
それに気づいた彼らが服を買うためにお金が必要になる。

アダムとイヴに禁断の果実を教えたようなものです

ボランティアを行う上で大切なことで、自助努力という言葉があります。
これは、開発途上国の人々が自らの手による努力を支援することです。


途上国自身の努力があって初めて持続的な経済成長が実現するという
考えに基づいており、支援が終わっても途上国の人々が自らの手で
事業を持続・発展的に行えるような協力をしていこうというものです。

青年海外協力隊員の活動の基本姿勢は、「現地の人々と共に」
派遣された国の人々と共に生活し・働き・彼らの言葉を話し、
相互理解を図りながら、自助努力を促進することが大切なのです。

彼ら自身がやっていこうとすることに対して協力していくことが
大切なのであって、与えることではないと言うことです。

村の人からも信頼されていることに対し嬉しく思っておりましたが、
反面なんにでも私に依存していることに強い危機感がありました。

大切なことは、私が居なくなってもこの生活が続けていけることであって、
続けていけなくて元の生活レベルに落ちていくことは
彼らにとって最も苦痛や苦労を与えてしまうという事です。

今まで井戸を掘るにしても、機械などではなく
自分たち自身の手でやってきました。

鶏舎だって自作、なんでも自分たちの手でやれるんだ!ということを
実感してもらい、その中から成功例を培い自信と向上心を持ってもらう。


機械で掘るのも可能でしたが、それは先進国の人間が居るから
出来ることだからこそ、あえて手で掘ってきたのです。

発電機とポンプを購入したことを強く後悔し、私が居なくなっても
しっかりと修理して使っていけるか、燃料を買い続けることが出来るか、
とても心配になってきたことも事実です。


文明というのは一見便利ですが、
我々が住んでいる日本でも電気も水も電気代・水道代というように
お金が無ければ生活が出来ないのです。

ただ寝ていてもお金が要る生活になってしまうのです。

彼らにあてはめると、収入が無ければ死ね!というようなものです。

地方から仕事を求めて都市に人々が集中し、
仕事の無いものや収入の低い者たちが集まってスラムを形成する。


パラグアイのスラム街

都会で生活する為には、お金が要る。
お金が無いから何とかしようとする。
結果、犯罪に手を染め治安が悪くなる。

田舎で自給自足に近いけれども何不自由なく生活を行ってきた者たち
物質文明にふれてお金の必要な生活にどっぷりつかってしまった例です。

本当の協力隊活動とは、地域振興とは、本当の幸せとは何か?
我々ボランティアは、アダムとイヴに禁断の果実を教える蛇なのか?
真剣に考えさせられた日々であり、

これ以降、私は彼らと一定のスタンスをとるようになり、
なんにでも私に依存してくるのでなく、自分達の力で解決するように
導いていく立場になるのでした。


クラウドファンディング残り17日!


クラウドファンディング
ただいま141人の方にご支援頂いています。

よろしければ下記リンク内容をお読みいただいて
これは応援したい!って思って頂けたら、

ご用意させていただきました返礼品を
みなさんが購入していただくことで、

農場復活・再生への未来が開かれます!
ご支援と応援をぜひ! シェア・拡散もぜひ!

よろしくお願いします。

#しゅりたま   #放し飼い養鶏   #放し飼い卵   #地域振興  
#三原村  #クラウドファンディング #高知 #青年海外協力隊 #開拓物語 #移住

この記事が参加している募集

自己紹介

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?