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Re:houmuが目指すオープンイノベーションなコンプライアンスとは

こんにちは。法律の話をしない弁護士の三浦です。今回は、私が取り組んでいるRe:houmuという活動についてお話します。

Re:houmuは、法務コンプライアンス担当者、経営者、人事担当者、組織開発コンサルタント、デザイナー、経営学者、企業法務弁護士などが、分野の垣根を越えて、「法務コンプライアンスの未来のカタチ」について知恵を出し合う集まりです。

Re:houmuという名称には、「法務コンプライアンスの常識に挑戦し、新しく作り変える(reformする)」という想いが込められています。2022年現在、約100名の方に会員になっていただき、多くの皆さんに活動を支持していただけるまでになりました。


Re:houmuが目指すもの

Re:houmuが目指すのは、

法務コンプライアンスのオープンイノベーションを通じ、
”正々堂々と胸を張って働ける職場”を増やす。

ことです。Re:houmuでは、法務コンプライアンスを法律問題ではなく、経営そのものであるという考え方に立っています。

Re:houmuはもともと、Big West Brothers 合同会社の大西徳昭さんと僕が共同開催していたセミナーの同窓会が母体となり、2019年に活動を開始しました。

大西さんと僕は、かつて日本郵船という会社の法務コンプライアンス部門で上司・部下の関係でした。当時は「海運カルテル事件」の真っただ中。僕たちはこの海運史上最大の危機に立ち向かった戦友同士でもあります。

この仕事を通じて僕たちが感じたのは、「法務コンプライアンス業界って、こんなことばっかりやってて大丈夫なの?」という危機感でした。

法務コンプラは大事と言いつつ人も予算も割かない経営、法律情報を偉そうに話すだけの弁護士や専門家、コンプラ疲れの現場と法務コンプラ担当者…。当時の僕たちの目には、そんなやらされ感満載で、”誰も幸せにならない”法務コンプライアンスが蔓延しているように見えました。

Re:houmu設立への想い。プロネクサス×HTC「元上司部下が語る、SDGsで”編み直す”企業コンプライアンス活性化の戦略とは」より グラレコは松田久仁子さん。

こんな誰も幸せにならない法務コンプライアンスでは、企業不祥事がなくなるわけがない。僕たちは、そんな想いで法務コンプライアンスの常識に挑戦し、新しいカタチを考えるワークショップを多数開催してきました。

そうしたところ、参加者の皆さんから「ワークショップをもっと続けていたい」「このメンバーでもっと話がしたい」という声が多数寄せられたのです。僕たちと同じ想いを持つ人はたくさんいる。皆さんの声に勇気をもらった僕たちは、Re:houmuを立ち上げることにしました。


Re:houmuが大切にしていること

Re:houmuが巷の法律系の勉強会と決定的に異なるのは、法務コンプライアンスのオープンイノベーションを進めるために、法律”以外”の知見やノウハウにこだわること、他分野、異業種の人たちと積極的に繋がり、コラボすることの2点を大切にしている点です。


法律”以外”の知見やノウハウへのこだわり

日本郵船時代に僕たちを悩ませたのは、法務コンプライアンス業界には、法律”以外”の知見やノウハウを学ぶ機会がほとんど無いことでした。

何をどこまでやればいいのか、利益を上げつつ法律も守るにはどうすればいいのか、組織やレポートラインの設計はどうすべきか、法律の文化が異なる海外のグループ会社とのコミュニケーションはどうすればいいのか…法律の教科書のどこを探しても答えは書いてありません。

他方で、多くの企業はこの答えのない課題に向き合い、現場レベルでの知見やノウハウを蓄えています。Re:houmuでは、参加企業の皆さんが持つそれぞれの知見やノウハウについて存分に語ってもらい、会員企業間で共有しています。


他分野・異業種の人たちとの繋がり

もう一つの悩みは、他分野・他業種の人たちとの繋がりの希薄さでした。

法務コンプライアンスという仕事は、法律知識があればうまくいくというものではありません。例えば、企業価値向上に繋げたいのであればブランディングの知見が、海外子会社とのコミュニケーションには比較文化の視点が、企業風土を変えたければ組織開発のノウハウが役に立ちます。

しかし、それらの分野を主戦場としている専門家やコミュニティにアクセスしようとしても、ほとんど伝手がないのです。そこでRe:houmuでは、日本ブランド経営学会や、ホフステード・インサイツといった団体や、人事コンサルティング、組織開発、グラフィック・レコーディングなどの知見を持つ人たちなど、他分野・他業種の人たちとの繋がりを広げてきました。


Re:houmuで得られるもの

Re:houmuで得られるのは、主に、

同じ問題意識を持ち、相談し合える仲間を見つけることができる。
自社の課題に関係する他分野・異業種の人と繋がることができる。
法務コンプラパーソンとしての評価や、市場価値を上げることができる。
「法務コンプラ」を、ちょっと好きになる。

の4点です。

会員の皆さんから最も多く寄せられる声は、「自分と同じような問題意識を持つ人がほかにもいると知って嬉しかった」というものです。多くの人が「法務コンプライアンス業界って、こんなことばっかりやってて大丈夫なの?」と感じています。しかし、その想いを共有できる場は極端に少ないというのが現実なのです。

熱い想いが集まる人同士がつながれば、新しい”知”が生まれます。そしてそれは、分野の垣根を越えて人々を惹きつけます。これが、Re:houmuは「法務コンプラ」というちょっととっつきにくいテーマを取り扱っているにもかかわらず、多くの他分野・異業種の方とダイレクトに話をできる理由です。

そして、Re:houmuで日々生まれる新しい知見やノウハウは、どの教科書にも載っていない新しいものばかりです。こうした知見を発見し、創り上げることは、他にはない差別化の要素として個人の評価や市場価値も大きく向上させます。そうなれば、きっと「法務コンプラ」を今よりもちょっと好きになれるのではないか、というのが私たちの考えです。


Re:houmuに向いている人、向いていない人

Re:houmuは一般的な法務コンプラ系の勉強会とは全く異なる集まりです。しかし、以下のような価値観や考えを持つ人であれば、きっと楽しんでいただけると思います。

  • 法務コンプラという仕事に孤独を感じている人

  • 法務コンプラの法律”以外”の知見やノウハウに興味がある人

  • 既存の常識に挑戦し、新しい価値を創り出したいと思っている人

  • 経営課題として「法務コンプラ」に取り組みたい人

  • 法務コンプラパーソンとしての市場価値を向上させたい人

  • 誰もが幸せに働ける組織づくりに興味がある人

反対に、既に法務コンプラパーソンとして確固たる地位を築き上げ、現状に満足している方や、現状を変えることに抵抗がある方には満足いただけないと思います。また、仲間の思いつきや閃きに敬意を持てない方、特に知識不足や経験不足を理由にそうした発言を貶すような方にも参加をご遠慮いただいています。

実務の経験が浅い新卒の担当者であっても、法律知識が全くない他分野の方であっても平等に安心して議論に参加できる。法務コンプラのオープンイノベーションには、そうした場づくりこそが大切だと私たちは考えているからです。


皆様の参加をお待ちしています。

以上、Re:houmuについて簡単にご紹介いたしました。私たちの理念や考えに共感・ご賛同いただける方のご連絡・ご参加をお待ちしております(ご連絡用メールアドレス:ishihara@bwbcs.co.jp)。

※Re:houmuについてもっと知りたい、という方はこちら


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