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ボディランゲージの魔法
はじめに
ボディランゲージという言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
私の場合は、ボディランゲージという言葉を聞くと、スポーツキャスターが、次のように評した、バスケットボールの試合のことを思い出します。
「マイケル・ジョーダンがフリースローをするときにはいつも、ボールがゴールに入るように説得するような、ボディランゲージを使いますね」
つまり、マイケル・ジョーダンは、ボールがゴールに入るように、マインドコントロールする感じで、腰を左右に動かしているというのです。
ほかにも、このボディランゲージという言葉は、たとえば、ボウリングでボールを投球した後のボウラーが、まるでボールを操作しているかのようにからだであらわすようなときにも使われるものです。
このボディランゲージという言葉は、私たちが時折、意識的あるいは無意識に使ってしまう、多数の体を使った表現の一つなのです。
ボディランゲージとは何でしょうか?
ボディランゲージとは、他者との個々のやりとりで、意識的あるいは無意識に使われる、肉体の動作を利用した非言語的コミュニケーションです。
日本においては、ボディランゲージという言葉を直訳して、「身体言語」や「身振り言語」などとも呼ばれているのです。
ボディランゲージは、私たちの言葉や行動に対して他者がどのように考えているのかという意思を伝えてくれる、鏡のようなものともいえます。
ボディランゲージには、ジェスチャー、マンネリズム、そのほかの身体的合図も含まれます。
現実には、他者へ伝えるメッセージというものの60%~80%も占めるのが、ボディランゲージによるものであるとも言われています。
つまり逆からいうと、言語によるコミュニケーションというのは、わずか7%~10%程度にしかすぎないということになってしまいます。
日常生活の中で、積極的にボディランゲージを使い、ボディランゲージを通じて他者の心を読み取ることができるならば、もうあなたは少年ではなく、すっかり大人の男性に成長したといっても良いでしょう。
もちろんこのことは、女性に対してもまったく同じことがいえるでしょう。
また、ボディランゲージは、私たちの人格形成においても、強力なツールとなってくれます。
現在のところ、ボディランゲージについてはあまり知られていません。
しかし、たいへん役に立つ分野です。
ボディランゲージに精通することができれば、仕事や恋愛の場面において、相手にすばらしい印象を与えることまでもできてしまうのです。
さあ、この非言語コミュニケーションのツールをものにして、成功をつかみ取りましょう!
この本を読めば、ボディランゲージの意味を理解し、有効に利用する方法がわかります。
こんなに使われていながら、誤解の多いボディランゲージの秘密を、ぜひその手につかんでください。
第1章 サインの読み取り方
人生においては、毎日のようにボディランゲージを使っているものです。
まずは、他人に対してメッセージを伝えるときに使っているでしょう。
また、ポジティブフィードバック(「期待以上にがんばった」「給与を大幅に上げよう」などという望ましい評価)をもたらしてもら
うためにもボディランゲージを使います。
自分が欲しいと思うものを手に入れるためにも、ボディランゲージを使っているでしょう。
自分では気づいていないかもしれませんが、毎日使っているのがおわかりでしょうか?
こんなに頻繁に使っているものなのにもかかわらず、私たちのボディランゲージに関する知識というのは、あまりにも乏しいといえます。
ボディランゲージというのは、口を使うだけではなく、からだ全体を使って自分の気持ちを相手に伝えるコミュニケーションの方法なのです。
このボディランゲージのすばらしいパワーが、おわかりでしょうか?
直接言葉で表現して伝えることができなかったとしても、相手が何を考えているのか、どんな気分になっているのかがわかるようになるのです。
相手の心が手に取るようにわかれば、その状況に合わせて臨機応変に、相手に対する接し方を変えていくことまでできるようになるのです。
そのような行動をとることができれば、相手はあなたのことを、好ましく、信頼に足る人物だと評価し、心を開いてくれることでしょう。
言葉のコミュニケーションだけではできなかったことでも、ボディランゲージを使用することで可能になることが、たくさんあるのです。
この章では、さまざまなジェスチャーやからだの動きを利用して、いろいろな感情やメッセージを伝える方法を説明していくことにしましょう。
さあ、始めましょう
関心を持ってもらう方法
ほかの人があなたの話に興味を持ってくれているのかどうかということをすぐにわかることができれば、その後の状況に大きな違いが出てきます。
もしも、相手に少しも関心を持ってもらえなかったとすれば、あなたが何を話したとしても、すべてが時間の無駄になってしまうのです。
そんな虚しいことはありませんよね。
たとえば、あなたの職業が、高校で化学の教師をしているとしてみましょう。
化学の教師であるあなたは、自分が化学に興味があるから、この職業を選んだのでしょう。
自分が化学に興味があるものですから、自分の生徒たちも自分と同じように化学に関心を抱いていて当たり前だと思ってしまいがちです。
しかし、生徒たちはみな、本当に化学に興味を持っているのでしょうか?
あなたの教え方は、生徒たちの関心を喚起できているのでしょうか?
しかし、生徒たちはもし化学に興味がないとしても、言葉であなたにそのことを伝えることはないでしょう。
そこであなたは、生徒たちが伝えるからだのシグナルを理解しなければならないのです。
生徒たちのからだのシグナルを理解しなければ、今おこなっている授業の内容に生徒たちが付いてきているのかどうかはわからないでしょう。
生徒がまばたきもせずに、授業をすすめるあなたをじっと見ていたとします。
その状況は、興味を持って授業に耳を傾けているのか、あるいはただ眠いだけなのか、どちらなのかという判断はできないのではないでしょうか。
そのような状態では、生徒たちに興味を持って化学を学ばせようとするために、いったい何が必要なのか、その手順もわからないでしょう。
からだのシグナルを的確に読み取ることが、いかに重要かということがおわかりになったでしょうか?
そこで、一般的に、話に関心を持っている人がどのようなからだの動きをするのかということについて、ここでいくつかご紹介してみましょう。
一緒にいる時間のうちの60%以上で、あなたと視線をそらすことなく、ずっと目を合わせたままの状態でいるなら、関心のある証拠です。
このとき、目を大きくあけていればいるほど、関心の度合いは高いといえるでしょう。
実際のところ、自分が話しているときより、相手の話を聞いているときのほうが、アイコンタクトをしているものなのです。
前傾姿勢になっている。
うなずきながら聞いている。
・ ときどき唇を触る。
このような行動は、あなたの話に相手が賛同していることを示しています。
つまり、あなたの話を注意深く聞いていて、関心をよせていることになります。
足が、話し手のほうを向いている。
笑顔が多く見られる。
しかし、この笑顔については少しだけ注意することが必要です。
あなたの話に関心を持っているという理由で笑っているのではなく、まったくほかの意味で笑っているなんてこともあるからです。
謎めいた笑みというものには十分注意しなければなりません。
ただ単に、社交辞令として笑っているだけということもあります。
必ずしも、楽しいとか、友好的な意味での笑みではない場合もあるのです。
この場合には、唇の形が楕円形になり、上下の歯から完全に浮いています。
おもしろくないジョークに対して笑うふりをするときに、このような笑い方をする人が多いようです。
注意して観察するようにしましょう。
あなたの話に関心を持ってくれているかどうかのシグナルをすばやく読み取り、関心を持たれていない場合には、方向転換することを忘れないようにしましょう。
あなたの話に共感してくれた印とは?
ここで、あなたが子どもだったころのことを思い出してみてください。
新しいおもちゃを買って欲しいとか、ディズニーランドに連れて行って欲しいとかのおねだりをしたような場面が何度かあったでしょう。
そんなときは、色よい返事がもらえるかどうかを知ろうとして、ご両親の顔色をうかがったのではないでしょうか。
ご両親がしかめっ面なんてしていれば、当然、返事は「ノー」でしょうね。
にこにこしていて、さらにうなずいてもらえたなら、「イエス」の印です。
そうなったら、あなたはきっと小躍りして大喜びしたのではないでしょうか。
これは、成長した今でも同じことがいえるのです。
たとえば、他者があなたの決定や提案に賛同してくれているのかどうかを判断するためにはどうしていますか?
その相手の表情や動作を判断材料としているのではないでしょうか?
これは、社会人としての仕事をこなす場合に、おおいに役立つ能力です。
また、ビジネスだけではなくプライベートでも、恋人の心をなんとか射止めようとする場合などにもおおいに役立っていることでしょう。
ビジネスにしてもプライベートにしても、相手のサインをきちんと読み取ることができるということは、その状況に応じて臨機応変に、相手に対してアプローチのしかたをさまざまに変えていけるのですからね。
そこで、相手があなたの意見を受け入れてくれたかどうかを知るための、手がかりとなるようなサインをご紹介することにしてみましょう。
これには、次のような例があります。
手をテーブルにつけている。
手のひらを開いている。
考えながら、あごをなでている。
これは、慎重にあなたの意見を評価したうえで、賛同してくれそうなサインです。
前傾姿勢になっている。
うなずいている。
足の間隔があいている。
ひんぱんに笑みがこぼれる。
上着のボタンをはずす。
この動作は、あなたに対する親愛の情というのをあらわしています。
あなたに対して思いっきり心を開いている証拠となるサインです。
あなたの意見に賛成します、喜んで協力しますという意思が感じられます。
手を開いている。
これは、誠実にあなたの話を聞いているということをあらわします。
手を胸のところに置く。
これも、あなたに対して心を開いてくれていることをあらわします。
あなたの話に、じっくりと誠実に、耳を傾けているサインです。
しかし、女性が胸に手を置いた場合には、心を開いているのではなくて、防御的な意味の場合がありますから、注意が必要です。
驚いたようなときにも、女性は胸に手を置くようなジェスチャーをすることがありますので、よく観察しなければなりません。
あなたに共感してくれているのかどうかを、できるだけ早く読み取り、もし反感をかってしまった場合には、アプローチの仕方を変えてみるなどしてみましょう。
人の考えの表れ
人というのは、当然のことながら、四六時中絶えず何かについて頭の中で考えているものです。
しかし、個人個人の考え方や考えの度合いなどによって、からだにあらわれてくる動きというのは、かなりまちまちになってしまうものです。
たとえば、人の考えがあらわれる行動には、次に挙げるような行動が考えられます。
あごをなでている。
提示されたアイデアや申し出が、自分にとって利益になるのか、それとも損になってしまうのかを判断していることになります。
めがねをはずして拭く、またはフレームの先端部分を口につけている。
このような行動は、自分の考える時間を確保していると考えられます。
口にめがねのフレームをつけているのは、この話題に関して、もっと詳しいことを聞いてみたいと思っている証拠ともいえます。
目を閉じて、鼻をつまんでいる。
慎重に考え込んでいるときに、このような行動が見られることが多いです。
重大な決断をした結果、どのような困難な状況が起こる可能性があるのか、一生懸命に考えているところなのかもしれません。
手のひらをあごの下にもっていってみたり、人差し指であごや頬をつついてみたり、ほかの指を口の下に置いてみたりする。
このジェスチャーは、他者の批判をしようと考えている印といえます。
批判をするタイミングをはかって、きっかけを待っているところなのです。
手を後ろで組み、頭を垂れて歩いている。
このようなスタイルで歩いているならば、その人は、何かのトラブルについて真剣にじっくりと考えていると思われます。
このトラブルをどうしたら解決できるのか、その方法について、一生懸命見つけ出そうとして努力しているところなのです。
不満や動揺をあらわす行動とは?
もし、惜しくも1点差で負けてしまったバスケットボールチームのコーチだったならば、その不満や動揺で、「うーん」とうなって、思い切り頭を抱えこんでしまうような行動をとってしまうのではないでしょうか。
なかには、ひどく失望してしまったことをあらわすようなからだの動きをしながらも、声は出さず、じっと黙りこんでしまうような人もいるかもしれません。
そこで、意気消沈してしまったり、動揺したり、不満を持っていたりするときの手がかりとなるような行動を、いくつかご紹介してみましょう。
髪、または後頭部をかきむしる。
「チェッ」という言葉が多い。
何かを蹴るしぐさをする。
こんな行動をとっている人がいたなら、動揺したり不満を持っている人ですから、自分に何か力になれることはないのか考えて、接してあげるようにしましょう。
行動指向的行動
行動指向を持つ人というのは、「わたしは行動することを恐れない。行動しないことを恐れる」と言ったウィンストン・チャーチルのような人のことをいいます。
行動指向を持っているような、意欲的な人なのかどうかというのは、その人の話し方をみれば、すぐにわかるものです。
もちろん、どのような行動をするのかということによっても、意欲的な行動指向を持つ人なのかどうかが、すぐによくわかるものなのです。
腕を大きく振って、速足で歩く。
両足を離して立ち、腰に手を置く。
腰に手を当てて歩く。
このような行動は、今現在、非常に活力に満ちあふれている印なのです。
そうはいっても、その後で、急に活気がなくなってしまうこともあります。
継続的な行動なのか、一時的な行動なのかということについても、よく観察してみましょう。
何かを隠している行動
何かほかの人に知られたくないことを隠している人は、何も口では語らないかもしれませんが、ジェスチャーを見ればすぐにわかるものです。
ポケットに手を入れて歩いている。
腕組みをしている。
できる限り手を隠している。
その隠し事を見逃してはならないと判断するなら、そんな行動をとっている人と、じっくり腹を割って話をしてみることが良いでしょう。
退屈を示す行動
たとえば、会議などで上司がプレゼンテーションをしていて、ほかの全ての従業員がそれに耳を傾けているような場面を想像してみてください。
上司がプレゼンテーションをしている間、ペンをカチカチ鳴らしてみたり、足を揺すってみたり、指で机をコツコツたたいてみたりしている従業員が多いことに、あなたが気づいてしまったとしてみましょう。
会議が終わった後、上司が「今のプレゼンテーションはどうだったでしょうか?よくわかったでしょうか?」とみんなに尋ねるのを耳にします。
当然「もちろんとてもよくわかりました」とみんなは答えるでしょうが、あなたには、そうではないことがよくわかっているでしょうね?
上司がプレゼンテーションをしている間の従業員たちのそれぞれの行動を見ていれば、退屈していたということがあからさまにわかってしまいます。
ボディランゲージがわかるということは、なんてすばらしいことでしょうね。
退屈しきっていることをあらわすサインには、次のようなものがあります。
手のひらで頭を支える。
・ 目が垂れている。
まばたきせずに宙を見つめているのは、ぼーっとしている印。
しょっちゅう、あたりをきょろきょろと見回しているのも同じサイン。
耳を引っ張る。
これは、ほかの人が話をしているときに、口をはさみたいと思っているサイン。
自分の意見のほうを聞いて欲しいなどと思っているサインなのです。
ずっとペンをカチカチしている。
手足を鳴らしている。
ひっきりなしにあくびをしている。
足、そのほかのからだの部分が、出口のほうを向いてしまっていて、チャンスがあれば退出したがっているように見える。
いすに座って、意味もなくそわそわとからだを動かしている。
居心地の悪い思いをしているような場合にみられるサインです。
あるいは、疲れ果ててしまっている場合にも、このような行動が見られます。
足を組んだり、ずっと足を小刻みに動かしたりしている。(女性に特に多い)
プレゼンテーションをする場合には、聴衆がこのように退屈してしまっているサインをいくつか示したなら、早口で説明したり、大声で話したりするなどということは極力やめるようにしなければなりません。
ここでは声を大きくして強調したほうがいいと思うような場合であっても、退屈している聴衆に対してはやめておいたほうが無難でしょう。
そんなことをする代わりに、こんなふうに言ってみるのが良いでしょう。
「ちょっとお待ちください。注意力が散漫になっているようですが、どうしたのでしょうか?」
プレゼンテーションの話の流れが、突然自分たちのほうに向けられたことによって、聴衆は一瞬驚き、あらためて話に注目してくるでしょう。
聴衆があらためてプレゼンテーションに注目してくれたところで、聴衆の意見の一つ一つに、真摯に耳を傾けてみるようにしてみましょう。
聴衆が、どうして退屈してしまって、注意がそれてしまったのか、その原因が何なのかがはっきりとわかってくるのではないでしょうか。
興奮度を伝える合図
昇進したとき、特別の贈り物を受け取ったとき、コンテストで優勝したときなど、とても幸運だったときのことを思い出してみてください。
その幸運に興奮しきってしまい、驚くような行動をしてしまったことはありませんか?
興奮してしまった人が取ってしまう行動には、次のようなものがあります。
手のひらをこすり合わせる。
拍手する。
前傾姿勢になっている。
中指を曲げて人差し指の上に重ねて、十字架のような形を作って幸運を祈る。(通常、特別に大きなことが起こって欲しいという希望に対しての行動)
人というのは、あまりに興奮してしまったときには、思ってもみない行動をとってしまうことがあるものなのです。
自信や権威を示す合図
自己評価が高く自信に満ちあふれている人は、自己評価が低くてまったく自信がないという人よりも、いろいろな面において成功する可能性が高くなるであろうことは、当然のことなのではないでしょうか。
その上、権威まである人というのは、無意識のうちに他者を自分より低く見たり扱ったりすることで、自分のことを上位に表現することができるので、成功する可能性がより高くなってくるといえるのです。
ですからあなたも、成功の可能性を高めるために、次のような行動をしてみませんか?
常にしっかりとアイコンタクトすることを徹底し、鼻先から、相手のからだの部分を全て見下ろすようなことはしない。
低く落ち着いた調子で、ゆっくりと話す。
あごを上に傾ける。
胸を突き出す。
直立姿勢あるいは、直立座位といった、良い姿勢を維持する。
いすの背もたれを前にして、盾のように扱い、いつもとは逆に座る。
このような体勢でいすに座る人というのは、みんなのボス的な存在であり、非常に積極的な人であるといえるでしょう。
手を背後で握り締める。
両手を腰の両脇に置く。
足をテーブルの上に置く。
手のひらを下に向け、力強く握手する。
両手で頭を支えて、後ろに思い切りもたれかかるような体勢になる。
正確でためらいのない動き。
腕を力強く振って、しっかりとした、自信を持った歩き方をする。
両手の指先だけを合わせる。
両手の小指だけを合わせたり、両手の薬指だけを合わせたり、あるいは両手の小指と薬指だけを合わせたりするのです。
でも、両手の手のひらを合わせるようなことは、決してありません。
そのようにした手を高く上げれば上げるほど、強い自信をあらわします。
一方の足をひじかけに伸ばして腰かける。
このような体勢というのは、無関心で冷淡な様子をあらわします。
「今起こっていることについては私にはまったく関係ありません」という気持ちを、その態度であらわしているのです。
さらに、他者より自分が上であると、はっきり示すこともできます。
よくありがちな思い込みではあるのですが、その場に居合わせている人の中で、一番身長の高い人が、現状に対する主導権を握っているのだと考えてしまうということがあります。
ですから、他者より身長が高く見えるようにすることができれば、自分がその中で一番上であるということを示せます。
あなたは、他者があなたを思わず「見上げてしまう」ような、いすや場所、立ち位置を必ず選ぶように心がけてみましょう。
そうすれば、相手はまったくの無意識のうちに、あなたが優位であると感じてしまい、自分はあなたよりも弱く、コントロールされる側の人間だと思い込んでしまうことでしょう。
単なるジェスチャー1つで、自信があるようにも、まるで自信がないようにもみえてしまいますので、気をつけなくてはならないでしょう。
怒りや抵抗をあらわすサイン
ある程度の年齢になってしまえば、怒りをコントロールすることができないなどという状況は、きわめて稀なことであるといって良いでしょう。
たいていの場合は、どんな人でも、怒りという感情はある程度抑制できるものです。
ですから、激怒や抵抗をあらわすジェスチャーをよく理解できていれば、争いの火種に火がつく可能性を減らすことができるのではないでしょうか。
ここで、いくつか、激怒や抵抗のサインの手がかりを挙げておきましょう。
こぶしを握りしめる。
手足を鳴らす。
一方の手で、もう一方の手をぎゅっと思い切り力をいれてつかむ。
胸の前で腕組みをする。
まばたきが多くなる。
まるで真夏の暑い日のように、首もとのえりをつかんでひきはがすようにして、バタバタと空気を入れるようなしぐさをする。
宙を蹴る。
テーブルの角を手でつかみ、腕をテーブルに対して垂直になるようにする。
これは、「俺の言うことをおとなしく聞いておいたほうがおまえの身のためだぞ!」といった意味であることが多いですから、このようなジェスチャーをされたときには注意しましょう。
このようなサインは、できるだけ早くキャッチして、つまらない諍いは避けるようにしましょう。
緊張をあらわすサイン
一般的にいうと、あまりにも極度の緊張をおぼえてしまった場合には、やる気というものがまったく存在しなくなってしまうようです。
たとえば、全国ネットのテレビニュース番組の中で、あなたが一人でインタビューを受けるような場面というのを想像してみましょう。
そのようなときには、自分のからだの動きに注意しなければなりません。
たった一つの何かの動きをしたことによって、自分が緊張してしまっていることが、全国のテレビの視聴者にあからさまにばれてしまうのです。
緊張してしまった人というのは、次のようなサインを示すことが多いです。
こぶしを握りしめる。
手足を鳴らす。
両手の指をぎゅっと組む。
これは、お祈りをするときと、同じようなポーズになります。
「神さま、助けてください」などと言っているように見えるでしょう。
手を合わせ、押しつけ合う。(親指と人差し指の間の肉を、もう一方の手の親指と人差し指の肉と合わせて、押しつけるような動作)
高い調子の声で、いつもより速いペースで、しかもどもりながら話す。
口笛を吹いて、緊張していない様子をよそおって、緊張感と戦う。
ひんぱんに咳払いをする。
一方の手で、もう片方の手、手首、腕、あるいはひじなどをぎゅっと強く握ったりして、落ち着きを取り戻そうとする。
両腕を背中に回し、片手でもう一方の手首や腕をつかんで押す。
腕を組み、両腕の筋肉を両手でしっかりと力を入れてつかむ。
足を組んで立つ。
手のひらを上向きにして、力なく握手する。
相手の目を見ようとしない。
足首が固定されて、互いにくっついて離れないようになっている。
固く握った握りこぶしには、心の中の激しい感情が隠されている。
たばこを吸わない。
これは「おや?なんでしょうか?」と、ちょっと不思議に思ってしまいますよね?
きっと、人は緊張しているときには、たばこをいつもより多く吸ってしまうのではないかと思っているのでしょうね?
でも実は、逆なのです。
実は、たばこを吸う人というのは、緊張などしていなくて、とてもリラックスしているときにたばこを吸うものなのです。
よく「ふぅー」とたばこの煙を吐き出しているのを目にするでしょうが、あれは決して緊張しているということではありません。
さっきまで緊張していたけれど、緊張の原因となっていた問題が解決したり、骨の折れる難題から解放されたりしたときに、たばこを吸って、ほっとリラックッスしたサインなのです。
緊張のサインがわかっていれば、そんなサインを出さないようにすることで、自分の緊張を隠すことができるでしょう。
疑っているときのサイン
初めて会った人が、信頼に足る人物なのかどうか、あるいは、つまらない人物なのかどうかを、時間をかけずに判断するのは難しいものです。
逆もまたしかりです。
相手もあなたのことを、信頼に足る人物なのかどうか、あるいは、つまらない人物なのかどうか判断しようとします。
そんなとき、相手があなたに対してなんらかの疑念を抱いているのかどうかを見極めることができれば良いのにと思ったりしませんか?
ここで、疑念を持っていることの手がかりをあらわす動作ついて、いくつかご紹介しましょう。
横目でちらっと見る。
目や耳をこする。
ポケットに手を突っ込む。
胸の上で腕組みする。
めがねをずらして、めがね越しに見つめる。
めがね越しにあなたを見るというのは、あなたに対して疑念を持ち、あなたのことをじっくりとしつこく値踏みしている証拠です。
また、他人に対してではなく、自分自身に対して疑念を持っているようなときなどには、鼻をこするしぐさをすることが多くみられるようです。
非常に重要な質問をされたときに、その質問に対して、自分がどのように答えれば良いのか、その正しい答え方がわからないような場合などには、どうしても無意識に鼻をこすってしまうようなしぐさをしてしまうのです。
また、あなたが受け答えをした話の内容に対して、他者がどのような反応を示すのかということについて懸念してしまうようなときにも、このような鼻をこするしぐさというのは、してしまいがちなのです。
安心感を必要とするサイン
いつも自分は誤った決断をしてしまっているのではないかと日頃から感じているような人は、意味もなく不安になり混乱してしまうものです。
「本当に、今これを買ってもいいのかしら?高くはないかしら?セールを待って安く買ったほうがいいのではないかしら?でも、セールを待っていたら売り切れてなくなってしまうのではないかしら?」
「この会社はやめたほうがいいのか?でもやめて、もっといい仕事が見つかるのか?仕事がみつからないなら、会社をやめないほうがいいだろうか?」
このような人たちは、自分は正しい選択をしたから大丈夫だと再確認して安心感を得たいがために、ある行動に出ることが多いものです。
口にペンをくっつける。
手のひらの肉が厚くなっている部分を、力を込めてぎゅっと握る。
いすに腰をおろして、いすの背をこする。
両手の親指を押し付ける。
場合によっては、つめをかむ。
のどを触る。(これは女性の場合に多くみうけられるようです)
ポケットの中にあるコインを揺らす。(豊かさに関心のある人の場合)
他者を安心させてあげたいと思う場合にする行動についても、挙げておきましょう。
女性の場合は、不安になっている女性の両手をやさしく握ってあげ、ぎゅっと抱きしめてあげることで安心させようとします。
女性を元気づけようとする暖かいムードと顔の表情が、その女性の重々しいムードをやわらげるためには必要となるのです。
選挙で当選したらいい仕事をするつもりだと請け合う政治家なら、有権者に安心感を与えるために、右手で手を取り、左手を添えるでしょう。
・ 一般的には、相手の話をただうなずいて聞いてあげるだけでも、安心感を与えてあげることができます。
相手は、うなずかれたことで、不安材料について話をすることをうながされたと感じ、話すことでどんどん安心するものです。
不安になっているサインをキャッチしたなら、安心感を与えられる対応をしてあげましょう。
プライドを示すサイン
人は、なにかにつけて、車やブランド品などの所有財産の自慢をするものです。
自分の自慢のタネである所有財産にもたれかかってみたり、触ってみたりして、自分のプライドというのを他者に対して示すものなのです。
所有財産を自慢するときの、目の輝きや、わくわくした声の調子などで、その人の強いプライドというものがどんどん伝わってくるでしょう。
嘘を見破る方法
人というのは、それぞれその理由は違うでしょうが、日常生活の中でのさまざまな状況において、頻繁に嘘をつくものだといえるでしょう。
自分の落ち度を隠そうとして、その決まり悪さからつい嘘をついてしまうこともあるでしょう。
目の前に何も希望が見つからないようなときでも、ほかの人を動揺させないためや自分を励ますためにも、嘘をついたりするものなのです。
そして、ささいな争いごとを避けるためにさえも、嘘をついてしまうのです。
あるいは、妄想や極度の虚栄心などといった、深刻な心理学的問題や病気が原因となって、嘘をついてしまうことも考えられるでしょう。
ここで、嘘をついているときにあらわれるサインについて、いくつかご紹介しましょう。
高い調子の声で、いつもより速いペースで、しかもどもりながら話す。
絶え間なく、つばを飲み込んでみたり、咳払いをしたりする。
何とかして、できるだけアイコンタクトを避けるようにしてみる。
ある話題になってしまうことを極力避けようとしている人も、このようなアイコンタクトを避けるような行動をします。
目のはしで、あさっての方向を見る。
ぺろりと舌を出して、唇を湿らせる。
激しくまばたきする。
のどをこする。
胸の上で腕組みする。
口、耳、鼻などを覆うようにして、顔の一部を常に触っている。
髪、または後頭部をかきむしる。
うつむいた不安定な姿勢。
手足を鳴らす。
肩をすくめて、下を向いている。
常にあちこち落ち着きなく動き回ってみたり、姿勢を変えたりする。
からだの一部を、ドアのような出口の部分に向けてしまっている。
嘘のサインを読み取ったなら、どんな解決法が一番適切なのかをよく見極めて、解決するようにしましょう。
そっとしておいてあげるのが、最良の解決法の場合もあるのですから。
勘違いしないでください
ここまであげてきたボディランゲージは、単なる一つの例でしかありません。
世の中の誰もかれもが必ず、全く同様のボディランゲージで、自分の感情や置かれている状況を表現しているといっているわけではありません。
たとえば、沈黙していて控え目な感じで座っている人がいたとしましょう。
その人は、非常にリラックスしているサインを出しているのかもしれません。
もしかしたら、心に怒りを抱いていることのサインである人もいるでしょう。
しかし、心に怒りを抱いている場合に、沈黙していて控え目な感じでいるというのは、あまりにも不健全な状況であるといえるでしょう。
というのは、激しい怒りを感じているにもかかわらず、その怒りを内側に溜め込んでしまったならば、いつの日か激しく爆発してしまい、まわりを巻き込むような大惨事に発展するかもしれないからです。
また、大きく口を開いているような場合は、ショックや驚きというのをあらわすサインの場合もありますが、今おこなっている仕事にかなり集中していることをあらわすジェスチャーの場合も考えられるのです。
常に口を触っているようなしぐさは、嘘をついている証拠と言われます。
とはいっても、本当は、ただ単に口がかゆいだけかもしれないのです。
このようなジレンマを避けていくためには、さまざまなほかのボディランゲージも参考にして、じっくりと検討し、的確に判断していく必要があります。
たとえば、前述の緊張をあらわすというサインが多く見られたならば、その相手に対して、今は本当に緊張しているのかどうかについて、率直に確認してみたほうが良い場合もあるのではないでしょうか。
1~2個のジェスチャーがあらわれたくらいでは、判断材料としては少なすぎます。
多少は、参考になるでしょうけどね。
ボディランゲージに注目するだけでなく、話し言葉にも気を配るようにすることで、ほかの人の抱く感情がより良くわかるようになるでしょう。
このようにして、しっかりとボディランゲージを読み取り、役立てていきましょうね。
第2章 ミラーリング
あなたは、もしも時間が許してくれるならば、どのような人に対して、同じ時間を共有したい、いっしょに過ごしたいと思うでしょうか?
あなたと同じようにピザを愛する親友だったり、あなたと同じようにバスケットボールに夢中な親友だったり、同じテレビ番組が好きな親友だったりするでしょうか?
それとも、ピザなんて口にしないベジタリアンで、スポーツは大嫌いで、あなたには退屈で寝てしまいそうなショー番組が大好きなお隣さんでしょうか?
もう聞くまでもないでしょう。
答えはわかりきっていますよね?
誰だって、自分と価値観や考え方が同じ人といっしょにいたいですよね?
これは当然のことです。
「類は友を呼ぶ」ということわざがありますが、これはまったくそのとおりなのです。
本の虫同士のつきあいなら、本を愛するという部分でつながっているものです。
バスケットボールの熱狂的なファン同士だったなら、お互いの共通の趣味であるバスケットボールの情報や、バスケットボールの試合に対する考え方の部分などで、しっかりと心が通じ合っているのでしょう。
誰かに自分のことを好きになってもらったり、信頼してもらったりしたいと思うならば、その相手と価値観や考え方を同じようにする必要があるのです。
そんなときにも、ボディランゲージというのが最も効果的に働きます。
ここで、ボディランゲージを使った効果的な例を挙げてみることにしましょう。
まずは、相手の顔の表情、ジェスチャー、姿勢、話し方、スタイル、行動、呼吸パターン、価値観、信条などのすべてを合わせてみましょう。
つまり、その人のまねをしてみるのです。
もっと言えば、その人そのものになってしまうくらいのつもりになりましょう。
その気持ちが大切なのです。
その人そのものになるくらい、その人のまねを続けていけば、知らず知らずのうちに、あなたの考え方もその人に似通ってくるものです。
そして、しばらくすると、その人の内面や考え方に対して、あなたの波長を合わせることまでも、簡単にできてしまうようになるのです。
無理をしなければならないなんてことはなく、まるで呼吸をするのと同じように、簡単に自然にできてしまうようになってしまうものなのです。
あなたとその相手の共通点も、そのうちにいくつか出てくるでしょう。
たとえば、話をするときには全く同じ間で話しているとか、まばたきするたびにあごをこすっているとか。
何かをやっていて飽きてしまうタイミングまでもがいっしょかもしれません。
おわかりですか?
その相手に関することの全てに対して、心から興味と関心を持って合わせていくことが、友好な関係を築くためには、非常に大切になるのです。
相手の考え方をよく知りましょう。
相手の身の上話をよく聞きましょう。
相手の動作をよく観察しましょう。
この手法は、「ミラーリング」と呼ばれています。
ミラーリングは、人間関係を良くするための心理学的なテクニックです。
しかし、ミラーリングを、模倣と混同しないように気をつけてください。
あくまでも、相手を丁重に扱いましょう。
相手への尊敬の気持ちを忘れないようにしましょう。
そして、ポイントはあくまでも「さりげなく」です。
あからさまにやってはいけません。
ミラーリングしている相手に対して、自分がミラーリングしていることを悟られてしまわないように、くれぐれも注意しなければなりません。
ほかの人がしている行為について、臆面もなく真似している人のことを想像してみてください。
その人が立てば、あなたも立つ。
頭をかけば、あなたも頭をかく。
髪を触ったら、あなたも髪を触る。
コップを持って水を飲んだら、あなたも水を飲む。
どうですか?
これではまるで、相手のことを侮辱しているような感じがするのではないでしょうか?
ミラーリングをするときには、相手がばかにされているのではないかなどと思わないように、くれぐれも注意するようにしなければなりません。
あからさまなマネだと「なんだ、オマエ?」などと、相手に怒りまで感じさせてしまうことになってしまい、逆効果にもなりかねません。
ミラーリングは、あくまでも、潜在意識に影響を与えるのが主な目的なのです。
相手がミラーリングされていることをまったく知らなかったとしても、その人の潜在意識の中では、そのことに気づいているものなのです。
つまり、相手に対して「私はあなたに好意がありますよ」という無意識でのメッセージを送ることができるのが、ミラーリングなのです。
自分のやり方をそれとなくまねされていると潜在意識が感じたなら、相手は無意識に安心感を覚えるでしょう。
あなたのことを自分と同じような人間だと感じ、あなたといるとリラックスしてくつろぐことができ、気持ちが安らいでいくのを感じるでしょう。
あなたの好意を相手が無意識に受け取ってくれることで、知らず知らずのうちに、良い関係を築いていくことができるというわけなのです。
相手の気持ちに同調しましょう
ミラーリングしている相手が、トラブルをたくさん抱えてしまっているような場合には、何も考えずに楽しそうに近寄っていくのはやめましょう。
そんな相手には、「くよくよするなよ。それより映画でも見れば、悩みごとも忘れられるさ。」などと話しかけてみてはいかがでしょうか。
今、相手はトラブルのことで頭がいっぱいで、嫌な気持ちになっているのです。
相手としては、そんな自分の気持ちに共感して、慰めて欲しいと思っているのです。
まずは、相手の気持ちに同調して、このように話しかけてみましょう。
「たいへんそうだね。何か僕にできることがあったらなんでも言ってくれよ。」
相手は今、自分と同じ気持ちになってくれる人を必要としているのです。
ただし、ここであなたに忠告しておかなくてはならないことがあります。
相手が大きな精神的トラブルを抱えているような場合には、ミラーリングすると、あなたがそういった負の感情に引きずられる可能性があります。
ですから、ミラーリングをする場合には、負の感情に引きずられるようなリスクがない状況の場合に限って、行うようにしなければなりません。
これは、非常に大切なことですので、必ず注意するようにしてください。
親密な関係になる方法
ミラーリングの最終的な目的は、相手と親密な良い関係を築くことです。
あなたとミラーリングしている相手が同調し、まるで何年も付き合っているのではないかと思えるようになったなら、成功したといえます。
それでは、自分とその相手が親密な良い関係になったかどうかは、何を基準にして、どこで判断していけば良いのでしょうか?
自分をとことん相手に似せるようにしましょう。
特性、価値観、行動など、真似したい部分はなんでもやってみましょう。
しばらくたってから、相手より先に鼻を触るか、足を組んでみましょう。
もし相手も同じしぐさをすれば、目標達成です!
もう相手の警戒心はとけています。
あなたの提案を気持ち良く受け入れてくれそうな段階まで来ています。
ミラーリングする相手がたとえ遠くにいても、親密な関係は築けます。
その方法を、ご紹介しましょう。
1. リラックスしましょう。
相手の全身に注意を払うことで、ネガティブな考えはすべて消し去り、しっかりと相手へのつながりを作りましょう。
相手のイメージを鮮やかにリアルに思い描くようにしましょう。
2. 潜在意識を使って、相手の世界の中へ入り込むようにしましょう。
相手と自分とのつながりを、深く強く、心から感じてみるのです。
相手の人格を、あなたの人格と同一化できるような、ポジティブなイメージを、心の中に投影するようにしましょう。
3. 今、相手が何をしているかについてよく考えてみましょう。
それから、その相手の行動、態度、および信条をまねてみましょう。
このような訓練を日常的に重ねれば、相手をまねすることができます。
たとえばあなたが、世界を股にかけて活躍している会社の上司と同じように、自分も成功をおさめたいと強く願っているとしてみましょう。
前述のような訓練を毎日していれば、驚くような結果が得られますよ。
第3章 交渉におけるボディランゲージ
私たちは、人生のあらゆるポイントで、無意識に交渉術を駆使しているものです。
お気に入りのフリーマーケットの売り子さんとの金額の交渉から、上司への給料アップの交渉まで、交渉ごとというのは、日常茶飯事です。
交渉ごとには、あらゆる面で、ボディランゲージが必要だと思いませんか?
特に、ビジネスの交渉においては、ボディランゲージがたいへん重要なのです。
交渉相手のからだの動きを読み取り、その場にふさわしいジェスチャーを返すことこそ、交渉が有利に運ぶか否かの分かれ目になるのです。
初期のサイン
ビジネスという場面において、最初にボディランゲージが必要になるのは、交渉相手が待っている商談ルームに入っていくときです。
必ず、交渉相手の全身に対して注目するようにしなければなりません。
相手の、頭、腕、手、胸、おなか、そして足など、からだのすべてを使ったボディランゲージの一つ一つについて、細かく観察しましょう。
細かい観察が終わったら、次は相手の話によく耳を傾けるようにしましょう。
そうすれば、相手のボディランゲージを、より鋭く読み取れるでしょう。
交渉時のパーソナルスペース
通常の場合、交渉の場では、それぞれの個人ごとに、自分の縄張りをあらわすパーソナルスペースというものを持つことになるものです。
社長のような高位にある人に対しては、ビジネスの慣例として、ゆったりとした広めのパーソナルスペースが与えられることになります。
これは、交渉の場についているほかの人が譲ることによって実現したスペースです。
たとえば、テーブルの首座を占めるのは、最も権力があるという印です。
優れた交渉人なら、もし相手がそのいすに座ったのであれば、自分たちのチームが、より戦略的に有利な配列に並べるように着席させます。
交渉相手を取り巻くように座ったり、交渉相手とまっすぐアイコンタクトできる場所に座ったりするなど、発言に影響力を持てる位置に座るのです。
第一印象が肝心です
交渉の場においては、最初の動きというのが最も重要となってきます。
これはチェスと同じです。
白い駒が先行ですから有利です。
相手の次の動きや全体のゲーム運びは、最初の一手にかかっているのです。
ですから、しっかりと練りに練って熟考した、良い手を出すようにしましょう。
なによりもポジティブなボディランゲージからはじめるようにしましょう。
熱意をあふれさせましょう。
そして、その熱意を相手に伝えましょう。
たとえば会議では、誠意を込めて、相手の目をまっすぐに見ましょう。
目は心の窓です。
常にアイコンタクトをしていれば、何か隠しごとをしている人だとか、不誠実な人だとか、相手から思われるのを避けることができます。
最初の握手も肝心です。
しっかりと握手しましょう。
力強く握手しましょう。
ただし、握りつぶしてしまうような強い力での握手は、絶対に禁物です。
記念の握手だからと、印象に残るように強い力で握るというのは、よくある過ちです。
決しておすすめできません。
必ず相手の目をまっすぐに見て、1度か2度だけ手を押してみましょう。
1~2度手を押すことで、自分の興奮度は相手にきちんと伝わるものです。
やりすぎてしまうと、かえって相手を落ち着かなくさせてしまいますよ。
ボディランゲージの利用法
交渉時には、相手のジェスチャーの一つ一つをしっかりと観察しましょう。
序章では、相手があなたの話に興味を持ってくれているかどうかを見極める方法を学びましたね。
あなたに対して何か疑いを持っているときや、あなたの申し出を積極的に受けようという気になっているときについてもお教えしました。
そして、あなたに対して嘘をついているときの行動についてもお教えしました。
ほかにも、不満、退屈、怒り、抵抗を感じているとき、または共感、安心感をもっているときの行動も学びましたね。
こういったサインの一つ一つを、見逃さないように気をつけましょう。
そして、その行動のすべてに対して、しっかりと注意を払いましょう。
そして逆に、あなたも、自分では知らず知らずのうちに、緊張や不満、怒りなどのサインを表に出してしまっている可能性もあるのです。
しかも、相手もあなたと同じように、ボディランゲージの重要性についてわかっているかもしれません。
あなたよりもボディランゲージのことを詳しく知っている人かもしれません。
状況に応じて、ボディランゲージを駆使するつもりかもしれませんよ。
相手にボディランゲージを悟られてしまったからといって、窮するようではいけません。
また、相手のボディランゲージが、意図的である場合もあることを肝に銘じておきましょう。
ビジネスの場面では、ボディランゲージが非常に重要であることがわかりましたね?
第4章 セールスにおけるボディランゲージ
心理学的研究によれば、他者に影響を及ぼす要因では、ボディランゲージの占める割合が高いという結果が出ています。
口頭で伝えること(7%)、会話中の態度(38%)、これらを上回る要因として、ボディランゲージ(55%)という結果になっているのです。
さらに、声の響きというのも、メッセージを伝えるうえで、重要な部分となっています。
これらの結果からはっきりと見えてくるのは、感情の93%は、実際の口頭での話し言葉以外の方法で伝えられるものなのだということです。
この結果は、実は、セールスの世界にも当てはめることができるのです。
現実の世界では、目に見える商品と、目には見えないアイデアの両方を販売しています。
効率よく販売実数を上げるためには、使い古された手ではあるのですが、ボディランゲージという強力な秘密兵器を使うのが良いでしょう。
セールスをするときには、姿勢、表情、ジェスチャー、マンネリズム、そしてさらに、自分の外観をも使って、成功に一歩近づきましょう。
お客さんというのは、多くの場合、感覚的に商品の購入を決断するものです。
ここでキーポイントとなるのは、お客さんの感情に対して、ポジティブなイメージのボディランゲージで働きかけなければならないということです。
たとえば、「マザーテレサ」という人物に対しては、世の中のほとんどの人が、ポジティブなイメージを抱いているといって良いでしょう。
彼女は、その生き方や人となりから、高潔で誠実なイメージを得たのです。
できれば、マザーテレサのような、ポジティブなイメージを手に入れるようにしましょう。
非言語コミュニケーションを重用されるような人、つまり、口数の少ない人というのは、おおむね多くの人から信頼できると思われるものです。
つまり、ほかの人に影響を与えることができるのは、あなたが何を話したか、どんな言葉を口にしたかということではないといえるのです。
むしろ、あなたが話さなかった部分のほうに左右されてしまうものなのです。
言葉を使わず、からだの動きだけを使って伝えるサインには、理解力、気質、道徳性、そして思いやりなどが含まれてくるものなのです。
セールスをしていて、ターゲットとする顧客と接することができる時間は非常に短いもので、わずか10秒やそこらなのではないでしょうか。
そのきわめて短い時間で、お客さんはあなたのイメージを作り上げてしまい、そのイメージによってあなたという人物を判断するのです。
そのため、セールスでは、なんといっても最初が肝心になってくるのです。
第一印象で作られたイメージが、その後もずっとついて回ってくるのです。
商品が売れるか売れないかは、この最初のコンタクトにおいて、あなたがどのような非言語的サインを示したかにかかっているといっても過言ではありません。
ですから、セールスにおいては特に、このボディランゲージという魔法が非常に大切になってくるということが、もうおわかりでしょう。
このボディランゲージという魔法を理解するためには、この本は必須なのです。
たとえば、アメリカ人というのは、ほかの民族に比較して、ボディランゲージを駆使するのに慣れており、得意であるとも言われています。
ふだんから、日常生活の中で、非言語的サインをたくさん使っているのです。
ボディランゲージを使いこなす能力を持っているという理由から、アメリカ人を相手にビジネスの交渉をするのは骨が折れるものだとも言われるのです。
さらに、一般的には、女性というのは生まれながらの本能として、男性に比べてボディランゲージを駆使するのが得意であると言われています。
このボディランゲージの能力で、男性よりもビジネス分野で成功をおさめている女性が数多く存在するということも、うなずけるわけです。
大雑把に言ってしまえば、ボディランゲージというのは、世界中のあらゆるところで、休みなくひっきりなしに使用されているものです。
中でも世界中で一番よく使われているのは、うなずくことで「はい」という肯定の意味をあらわすボディランゲージなのではないかと思います。
しかし、うなずくというボディランゲージが、いつも「はい」という肯定の意味をあらわすのかといえば、必ずしもそうとはいえないでしょう。
たとえば、貧乏ゆすりをするという行動は、神経質になっているときだと思われがちなのですが、実は、人間のあるがままの行動なのです。
また目をそらすような行動は、何か隠し事をしているという場合ももちろんありますが、ただ単に恥ずかしがり屋の可能性だってあります。
混乱を避けるためにも、相手が本当に伝えたいと思っているメッセージを、ボディランゲージの中から的確に正しく読み取るようにしなくてはならないのです。
それは、相手の行動パターンをよく観察することで、対応できるのです。
同じような行動表現になってしまうようなボディランゲージには注意をするようにして、状況を認識しながら判断するようにしましょう。
一度、相手のサインのパターンを覚えてしまえば、その人のボディランゲージが読み取りやすくなり、正しく判断できるようになります。
ボディランゲージを正しく読み取れるようになれば、セールスもうまくいき、よく売れるようになるでしょう。
ここで、セールスに活かせて売上高アップにつなげることができるようなボディランゲージを、いくつか例示してみることにしましょう。
1. 握手のしかたを見れば、すぐにその人の性格がわかるものです。
自己主張が強く、自分に自信のある人は、力強く握手します。
一方で、あまり自分に自信のない人は、弱々しく握手をします。
あなたの信頼を得たいと思っているような人は、一方の手をかぶせるようにして握手するか、ひじのあたりに手をやります。
しっかりと握手するのは大切なことですが、相手の手を握りつぶしてしまうほどの強い力は出さないようにしましょう。
自分自身に対する自信やプロ意識というのはかもし出してもかまいませんが、自分が優位に立とうというような態度はやめてください。
2. 姿勢というのも、実は、ボディランゲージのひとつなのです。
うつむいて地面に目を落とすような姿勢は、相手に対して関心がないということがあからさまにわかってしまうでしょう。
両足にバランスよく体重をかけて、まっすぐに立っていれば、ゆったりとした、自信に満ちあふれた人に見えるものです。
立っているときでも座っているときでも、常に姿勢を正すようにしましょう。
3. 誠実な表情になるよう心掛け、まっすぐな姿勢をとりましょう。
サングラスをかけているときは、必ずはずすようにしなければなりません。
サングラスをしたままでは目が見えないわけですから、お客さんに、何かを隠しているのではないかと思われてしまいます。
まっすぐに相手の目を見ることで、自分に対して嘘をついていないかどうかということをすぐに判断できてしまうのです。
事前に名刺を用意するのと同時に、サングラスをはずしましょう。
ここで、目つきが鋭くなってしまわないように注意しましょう。
目つきが鋭いと、お客さんからおびえられてしまうことになりますよ。
4. 訪問販売やプレゼンテーションをする場合には、常に誠実で隠し事のないような動きを心がけるようにしなくてはなりません。
腕組みをするなどというポーズは、セールスにおいてはもっての外です。
せっかく買ってくれるかもしれないお客さんからの信頼というものを、すべてぶち壊すことになってしまう可能性があります。
訪問販売やプレゼンテーションをする場合には、手を外に伸ばしたり、上に上げたりするボディランゲージがオススメです。
いすにふんぞりかえって頭を抱えるようなボディランゲージをしてしまえば、自信があるところを見せようとするために、尊大な態度になってしまっていると思われるでしょう。
こんなボディランゲージでは、お客さんが離れてしまうのがオチです。
一方、腰に手を置くようなしぐさには、好ましい自信が感じられます。
5.「指差し」という動作は、絶対にやめるようにしなくてはいけません。
セールスの世界においては、お客さんのことを指差したりしてしまったなら、すぐにそのお客さんを失うことになるでしょう
指差し一つで、売れるものでも売れなくなってしまいますよ。
指差しというのは、相手に敵意を持っているのではないかと判断されてしまう可能性がある、非常に攻撃的な行動なのです。
セールスにおいて成功したいと真剣に考えているなら、指差しという動作は絶対にやめるようにしなくてはなりません。
6. セールスの世界においては、交渉を始めるにあたって、「喜んで相談に応じますよ」というボディランゲージが存在します。
まず、ジャケットのボタンをはずしたとすれば、「喜んで値引きの交渉に応じますよ」という意味をあらわすことになります。
ジャケットを脱いだり、腕まくりしたりすれば、「あなたが提示した値段でいきましょう」ということをあらわしますから、相手のお客さんにとっては非常に良いサインとなるでしょう。
セールスマンとしては、お客さんの購入をしぶる理由を理解した上で、それに対応しようとするときにもボディランゲージを使うことになります。
一般的には、次のようなボディランゲージを使ったシナリオになるでしょう。
1. セールストークの途中で、お客さんが腕組みをしたとすれば、あなたの話にすっかり関心を失っているということです。
そんなときは、何かポジティブな動きをして、お客さんの腕組みをやめさせた上で、セールスアプローチを再開しましょう。
お客さんが腕や足を組んだりせずに、手も開いているようであれば、最高にうまくいくシナリオになるといえるでしょう。
お客さんが、あなたの考えに心を開いているサインなのです。
このボディランゲージが出たなら、セールスもうまくいきそうです。
2. あなたが髪を整え出したら、お客さんも同じように髪を整えたとします。
お客さんがあなたの動作をまねるような場合も、良い兆候です。
あなたの製品やアイデアを買いたいと思ってきている印です。
このような場合は、製品やアイデアの特長や利点を挙げられるだけ挙げて、一気に契約締結までもって行きましょう!
このタイミングが、売れるか売れないかの分かれ目になります。
3. お客さんが口元を手で覆ったり、鼻、目の近くに触れていたりするようなら、このセールスはうまくいかないでしょう。
あなたの話を聞いても、買おうという気になれなかったのでしょう。
それでも、まだここで、あきらめてしまう必要はありません。
もう一度、セールスアプローチの手順を一から始めましょう。
ただし、今度は別のアプローチ方法を使わなくてはいけません。
これは、非常にすばらしい取引なのだということを、お客さんにきちんと理解してもらえるようにアプローチしましょう。
お客さんの心を開いて、あなたと考えを共有してもらうのです。
そこで、あなたがとるべきボディランゲージは、手のひらを開き、時折胸に手を置いて、誠意を示すような動作となります。
あなたの誠意を示した上で、もう一度積極的にセールスアプローチをかけて、契約を確実にまとめていくようにしましょう。
4. セールスアプローチ中は、常に、お客さんが示すサインに注意を払いましょう。
お客さんが関心を示すようなボディランゲージを少しでも見せたなら、最後の追い込みに入り、契約をまとめましょう。
お客さんのボディランゲージが、ポジティブなものだったのにもかかわらず、急に疑ってかかるような態度に変わることも考えられます。
このような場合には、まず肩の力を抜かなければなりません。
機転をきかせてお客さんの気持ちを汲み取り、なぜ気持ちが変わってしまったのか想像し、去ってしまった信頼を取り戻しましょう。
そんなときは、常に、オープンで誠実な態度をとることが重要です。
お客さんが足や腕を組んでしまったなら、警戒が必要になります。
前章で説明した、ミラーリングのテクニックを使ってみましょう。
信頼を取り戻すには、ミラーリングのテクニックはかなり有効です。
お客さんの信頼を再び取り戻すことができるように、全力を尽くして、契約を確実にまとめ上げていくようにしましょう。
5.契約がうまくまとまらないような最悪のケースの場合でも、セールスマンとしてのプロ意識を持ち続け、愛想よくふるまいましょう。
お客さんに対して、最後まで話を聞いてもらった感謝の気持ちを伝えた上で、誠意をこめて握手をするようにしましょう。
セールスというのは、一夜にして成功するわけではありません。
また、うまくいくときもあれば、失敗することだってあります。
ポジティブな雰囲気でプレゼンテーションを締めくくることができれば、あなたに対しての好印象がお客さんに残ります。
次のプレゼンテーションは、好印象からスタートできるわけです。
また、その場にいた別の人が、次の機会には良いお客さんになってくれるかもしれません。
一度の失敗がその後どう転がっていくかなんて、誰にもわかりませんよね?
でも、失敗を成功につなげることができるのは、あなたなのです。
セールスのあらゆる段階で、ボディランゲージを使ったトークをしてください。
常に熱意と誠意を持って、相手にアプローチしていくようにしましょう。
セールスする製品やサービスの品質に、心の底から自信を持っていれば、その強い熱意や誠意に、人というのは動かされるものなのです。
あなたがどのようなボディランゲージをするかということで、相手があなたの提供する製品やサービスを信頼してくれるかどうかが決まってくるのです。
第5章 就職面接におけるボディランゲージ
転職や就職活動のために、求職者が手書きの履歴書を用意して、面接に出かけていくような時代というのは、もう終わってしまったようです。
近年のコンピューターとサイバーテクノロジーの普及によって、オンライン上の求人が多くなっており、求職者の多くが、インターネットで雇用機会を探しているような「ネットで就活」の時代になっているのです。
企業の説明会までも、就職活動中の学生と企業をインターネットでつなぎウェブ上で行う「オンライン企業説明会」になっているのです。
しかし、どんなにデジタルな時代になっても、ひとつだけ変わらないことがあります。
それは、面接でのボディランゲージと、面接室に1歩足を踏み入れたときの第一印象が、就職活動においては非常に重要だということです。
あなたのタイプ
面接においては、ボディランゲージによって、自分に自信を持っている人なのか、それとも自分に対して自信のない人なのかを判断します。
あるいは、恥ずかしがりやなのかそうでないのか、一匹狼なのか会社型人間なのか、誠実か不誠実かなどということまでが判断されるのです。
仕事ができる人なのか、仕事熱心な人なのか、同僚とうまくやっていけるような人なのか、などといったことが全てわかってしまうのです。
面接官は、質問を行う際には、あなたの話すことに注目するのはもちろん、話し方やボディランゲージにまで気をとめることになります。
面接官は、通常、適正があるかどうかを判断するために、あなたに答えを要求します。
そして、答えの内容にプラスして、話し方やボディランゲージで適正があるかどうかを判断するのです。
ですから、あなたは自分のボディランゲージに対して、面接官がどのようなボディランゲージをしたかということを読み取らなくてはなりません。
読み取れるかどうかで、就職試験に合格できるかどうかが決まるのです。
時間厳守
就職試験の面接においては、時間通りに訪問するというのが最重要ポイントです。
就職試験の面接というのは、たいへん重要なアポイントメントになります。
万が一遅刻してしまった場合には、間違いなく不合格になってしまうといっても過言ではないほど、基本的で重要なアポイントメントなのです。
遅刻してしまえば、あなたは時間ということに対する姿勢や考え方がなっておらず、プロ意識に欠けていると判断されてしまうでしょう。
「渋滞に巻き込まれてしまった」「電車が遅れてしまった」などというような、ありきたりで稚拙な理由では、言い訳にもならないでしょう。
ですから、就職試験の面接に向かうときは、1時間程度は早く家を出たほうが良いでしょう。
面接に遅刻してしまった場合には、どんなボディランゲージも通用しません。
最初の出会い
面接官が部屋に入って来たときに、面接官が握手をしようと求めてこない限り、こちらから手を出して握手をしようとするのはやめましょう。
握手を求められたときには、押しつぶしてしまわない程度の力であるように注意しながらも、しっかりと力強く握り返すようにしましょう。
そして、常にアイコンタクトすることを忘れないようにしなくてはなりません。
適切な姿勢
面接を受けている間は、あなたがどのような姿勢をとっているかということも大切になります。
できるだけ、以下のような姿勢をとるように心掛けてみてはいかがでしょうか。
面接が始まる最初のときには、いすの背もたれに軽く背中をつけるようにしながら、背筋や足をまっすぐにして姿勢を正しく座りましょう。
前かがみになってしまったり、いすを左右に動かしたりするのはやめましょう。
そのような姿勢は、会社に興味がなく、退屈していると思われてしまいます。
一方、いすのはじに座ってしまえば、かなり緊張しているのだと思われてしまいます。
そして、いよいよ面接官の話が始まったならば、最初の体勢に比べて、多少前に身を乗り出す程度の姿勢をとってみるのが良いでしょう。
この姿勢ならば、面接官の話に興味を抱いているということを示せます。
頭を少しだけ傾けてみれば、話をじっと集中して聞いている印象を与えられます。
適切なジェスチャー
腕組みなどをしてしまうと、身構えていると思われるのでやめましょう。
腕は、ひざの上に軽く置くか、いすのひじかけに置くのが良いでしょう。
そのような体勢であれば、手のさまざまな動きで、話を補助することができます。
話をしている間は、時折うなずいてみるとか、頭を傾けてみるなどしてみると、話を補足したり、さらに意味を付け加えたりすることができるでしょう。
でも、やはり、一番効果的な働きをするのは手の動きになるでしょう。
手の動きの使い方次第で、会話というのはぐっと引き締まるものです。
手でジェスチャーをすることによって、面接官からは、この人は落ち着いて面接に臨んでいるのだという印象をもってもらえるでしょう。
ただし、最初からいきなり、手のジェスチャーを多用して話をするというのは、印象としてあまり良いものではありませんので、注意しましょう。
会話が進むにつれて、徐々に、ジェスチャーを増やしていくのが良いでしょう。
あなたが手の動きを使うのと同時に、面接官の手の動きにも注意しましょう。
面接官が話の中で、手のジェスチャーを使いながら、言いたいことを述べているようであれば、その動きをまねするようにしてみましょう。
反対に、もしも面接官が話をしながら手を動かしていなかった場合には、あなたも手の動きをストップするようにしなければなりません。
ミラーリングのテクニックとその効果について、覚えているでしょうか?
面接という場面でも、ミラーリングのテクニックが威力を発揮するのです。
面接官との親密な関係を築こうとするならば、あなたがその面接官のジェスチャーに合わせてみることが重要なポイントになるでしょう。
でも、緊張のために、うっかり出てしまうジェスチャーには要注意です。
無意識のジェスチャーには、思わず自分の本心が表れてしまうものです。
せっかく余裕のある態度を装っていても、あるジェスチャーをきっかけに、緊張していることが面接官にばれてしまうということがあるのです。
さらに、緊張がばれるだけでなく、面接官に悪印象を与えてしまうことまであります。
以下のようなジェスチャーをしてしまうと、面接官の気に障り、マイナスの評価になってしまうことがありますので、注意するようにしましょう。
指で机をコツコツとたたく。
足をすり合わせる。
爪をかむ。
ペンをもてあそぶ。
・ 頻繁に頭をかく。
・ 貧乏ゆすりをする。
・ 腕組みをする。
・ あごや頬をさする。
・ 頭をふる。
このようなジェスチャーが、無意識に出てしまわないように、普段から訓練しておくと良いでしょう。
パネルインタビュー
一対一の面接であれば、簡単・楽勝だと思っている人が多いようです。
そして、グループ面接に関しては、戸惑ってしまう人が多いようなのです。
なぜ、グループ面接を苦手だと思ってしまう人が多いのでしょうか?
グループ面接の場合、面接中に誰を見ていれば良いか、迷う人が多いようです。
また、自分ではなく、違う志願者が質問されて答えているときに、面接官はどこを見ているだろうかと気になってしまう人も多いようなのです。
グループ面接では、面接官全員と、同じ割合でアイコンタクトを交わすことが重要です。
同じ割合で平均的にアイコンタクトしていれば、面接官全員の信頼を得られるでしょうから、あなたの気分もだんだんと落ち着いてくるはずです。
ほかの志願者の一人が質問したり話をしたりしているときには、その人の話が最終的に終わるまでは、その人のことを見ているようにしましょう。
この姿勢で、しっかりとほかの人の話を聞いていることがアピールできます。
たいていの場合、話をしているときというのは、その志願者はほかの面接官のほうに集中して、そちらを見ていることが多いと思われます。
でも、一瞬でもその人があなたにアイコンタクトしてきたならば、すかさずうなずいて、その人に対して話の続きを促してあげましょう。
質問に答える場合は、まず、質問した面接官のほうを見るようにしましょう。
質問した面接官と目を合わせたあとで、ほかの面接官にもゆっくりと順々に目をやるようにしながら、その質問に答えていくのが良いでしょう。
自分の言い分を証明する場合や、何かを強調する場合、そして、自分の回答が終わった場合には、必ず質問者のほうに向き直りましょう。
これが、質問した面接官への礼儀であり、ほかの面接官からも好ましく思われるジェスチャーなのです。
面接官のボディランゲージ
面接において、面接官のボディランゲージに注意することは、自分のボディランゲージに注意するのと同じように、たいへん重要なことです。
面接官のジェスチャーがどのようなものであるかによって、どれくらい好印象を与えることができたかということが確実にわかるでしょう。
このようにして、面接の早い段階から、面接官の反応に合わせてアプローチを変えていくことができれば、不採用の憂き目にあうことはありません。
たとえば、面接官の不興をかってしまうようなことをしたとしましょう。
そんなときには、面接官はボディランゲージで自分の不快感をあらわします。
面接官がため息をついたり、首を振ったり、うつむいたり、腕組みしたり、いすにもたれかかったりしていませんか?
面接官がそんなジェスチャーをすれば、何か不満を抱かれた印だと思ってください。
面接官は、まず無意識のうちに、からだの動きで気持ちというものをあらわします。
でも、まだ最初の段階では、決定的な悪印象というわけではないでしょう。
この段階では、まだまだ、戦略を変えて挽回する余地が残っているのです。
ここで、あきらめてはいけません。
面接官から不満をあらわすボディランゲージを受け取ってしまったなら、好印象に転換できるような戦略を即座に考え、挽回するようにしてみましょう。
ただし、挽回できるのは、あくまでも初期の段階だった場合だけです。
ですから、できるだけ早く、面接官のボディランゲージを読み取ることが重要になるのです。
緊張しても大丈夫
ボディランゲージを使って、自信を持って行動していることを表現する方法がわかってさえいれば、就職試験に合格する確率もアップします。
この方法を使いさえすれば、多少の不安というものは隠せてしまいますから、少しぐらい緊張したとしても、それほど気にする必要はありません。
志願者が、面接の場面で緊張してしまうのは当たり前のことなのですから。
でも、そんな緊張しているなどという自分の心の内側について、面接官には知られたくはないと思うのも、また当たり前のことでしょう。
できれば、こんなに緊張する場面でも、自分はこんなに余裕をもって臨んでいると思われたいでしょう。
しかしながら、そんなふうに思えば思うほど、緊張してしまいますね。
その気持ちは、本当によくわかります。
でも、緊張するのは当然のことであり、緊張することが悪いことというわけではないのです。
緊張するということは、この会社に就職して、この会社の仕事をすることが、あなたにとってたいへん重要だということをあらわしています。
緊張をまったくせずに、のんびりとふるまっていたならば、この会社や仕事に対して、あまり関心がないのではないかと思われてしまいます。
適度な緊張感というのは、逆に、好ましい印象を与えるものなのです。
就職面接というのは、この会社の仕事に対する適性をもった人を、志願者の中から選び出すことが一番の目的ですが、それだけではありません。
面接官が、志願者の人間性についてもできるだけ深く知るという目的もあるのです。
合格すれば、すぐに同じ職場で働くことになる人との、最初の出会いが面接なのです。
面接官は、近い将来にあなたの上司となる可能性があるのです。
つまり面接とうのは、面接官にとって将来の部下を選ぶ場でもあるのです。
ですから、面接官もあなたと同じように、多少緊張しているものなのです。
たとえ面接官でも、緊張すれば興奮してしまうものです。
このことにも注意してください。
第6章 会議におけるボディランゲージ
会議というものは、コミュニケーションで成り立っているものといえます。
実際に発言して言葉で意見を伝える人というのは、それほどたくさんいるわけではありませんが、出席者全員とはいかなくても、ほぼ全ての人がボディランゲージを使って、心の内をさらけ出しているのです。
会議でリーダーシップをとらなくてはいけない立場ならば、出席者が自分の話に対して関心を持っているかどうかを知る必要があります。
その関心は、自分の考えに賛成なのか反対なのかも、重要なポイントになります。
会議の早い段階で、退屈している人や反対意見を持っている人がわかれば、便利だと思いませんか?
出席者の状況がわかれば、必要に応じて、アプローチの仕方や提案を変えることができるのです。
出席者の様子を、注意深く観察してみましょう。
いすにもたれている出席者が多いでしょうか?
まばたきもせず、宙を見つめている人はいませんか?
そんな人が多くいるならば、現在の話題に関心がないことになります。
そのような場合には、退屈さを打破できるような話題に変えてください。
出席者が絶えずうなずいて聞いているようなときは、あなたの意見に賛同していたり、共感していたりすることをあらわすボディランゲージです。
腕組みをしたり、鼻や口に手を触れたり、いすにじっと座っている場合はどうでしょう。
そんなジェスチャーは、あなたに対して反対意見を持っていると想像できます。
それに加えて、首を振っているようなら、さらに状況はかんばしくありません。
このようなまずい状況を打破するためには、考える時間が必要となります。
よく考えて、状況を好転できるような展開がないか探すようにしましょう。
出席者が深呼吸をするようなタイミングを狙って、現在の話に口をはさみ、自分の考えを述べたいと思っている証拠となるボディランゲージがあります。
証拠となるボディランゲージとは、次のようなジェスチャーになりますから注目しましょう。
今まで話していた声の調子が突然に変わってしまったとき。
しかめっ面をしているとき。
床を見つめているとき。
指でテーブルをコツコツとたたいているとき。
貧乏ゆすりを始めたとき。
爪をかんでいるとき。
ペンをもてあそんでいるとき。
頻繁に頭をかき始めたとき。
会議室から出て行くとき。
このような反応が、ほかの出席者に与えてしまうであろう悪い影響を考慮して、各出席者の心の内側をすばやく見抜くようにしましょう。
中には、表情やからだの動き一つで、心の内のすべてがあからさまにわかってしまうような感情の激しい人もいるのではないでしょうか。
会議の早い段階で、そのような感情の激しい人がわかったならば、その人の感情の爆発で収拾がつかなくなるといった事態を避けることができます。
それでも、議論がエスカレートしてしまって収拾がつかなくなってしまう場合もあるでしょう。
そんなときは、後日あらためて、再度話し合いの場を設けたほうが良いでしょう。
第7章 口説きのボディランゲージ
最近では、男女のおつきあいにおけるボディランゲージについても、研究が進んでいます。
こういったサインは、基本的には、完全に無意識の状態で出るものです。
男女のおつきあいにおけるボディランゲージについては、理解すればするほど、自分の思い通りに相手とつき合える可能性が増すのです。
この理論は、男性の場合でも女性の場合でも変わりません。
どちらにもあてはまることなのです。
口説きのテクニックをマスターするためには、まず何よりも、自分自身に対して、自信を持っていて満足している状況でなければなりません。
そうです。
まずは自分に自信を持ってください。
だからといって、何か変わらなければならないということではありません。
あなたは、あなたのままでいれば良いのです。
もし、無理をして自分を変えてアプローチしたとしたならば、だまされていると思われるか、口説き落とすために必死になっているようにしか見えません。
この口説きのテクニックというのは、異性の目をひきつけようとする場合だけではありません。
ほかにも使える場合があるのです。
口説きのテクニックは、長い人生において、異性だけではなく何かを自分のものにしようと思うときには、いつでも使えるようなテクニックなのです。
ここでは、何にでも通用する一級品の口説きテクニックをご紹介しましょう。
この口説きのテクニックを使うときは、自分の欲しいと思うものをポジティブな気持ちでよく見極めた上で、口説くようにしなければいけません。
以前に、ネットワークマーケティングや広告業界で成功をおさめている30代~40代の男女に、インタビューをしたことがありました。
そのインタビューの結果から、どのようにして口説きのテクニックを使い、成功を手にしたか、そのヒントをいくつかご紹介しましょう。
1. 口説く相手に対して、自分が良い印象を与えているかどうかということについて考えて、いろいろ悩んではいけません。
単純に相手を楽しませる方法だけを検討するようにしましょう。
そうすれば、あなたの期待どおりの結果が得られるはずです。
すぐに結果があらわれて、取引をスタートすることができるでしょう。
2. お客さんに親しみやすい人だと思ってもらうことが肝心です。
それさえできれば、お客さんに必ず良い印象を持ってもらえるでしょうし、友達だとも思ってもらえるかもしれません。
常に笑みを絶やさずにいることを心掛け、愛想の良い人に思われるようにしましょう
3. なんの影響力もない置物のように、ただそこに存在するだけでは、相手の気を引くことなんてとてもできないでしょう。
そのことをよく肝に銘じてください。
それは、少し親しくなった人や、かなり仲良くなった人だったとしても同じことです。
ただそこに存在しているだけでは、なんの意味もありません。
きっと「しらけた」反応を返されてしまうのではないでしょうか。
それは、あなたにとっては、たいへんきつい状況といえるのではありませんか?
常に穏やかな動きで、相手のあなたに対する反応に合わせる形で対応し、「しらけさせる」というような事態は避けましょう。
特に、次のようなジェスチャーには注意しなければなりません。
・大きく口を開く
・唇をふくらませる
・目を大きく見開く
・瞳が大きくなる
・肌が紅潮する
・顔色が変わる
・唇の周囲の筋肉が動く
このような場合には、相手が「しらけている」状態なのです。
4. 忍耐力を持ちましょう。
上手に口説くコツは、なによりも忍耐をもってあたることです。
忍耐力をもってあたりさえすれば、最初は思い通りの結果を得られなくても、改善していける余裕というのが出てきます。
最初はうまくいかないでしょう。
でも、二度目、三度目と、努力を続けていくようにしましょう。
うまくいくまで、あの手この手で何度でも攻めまくりましょう。
もし拒絶されてしまったとしても、決してあきらめないことです。
英語のことわざで「To err is human, to forgive is divine.」というのがあります。
「あやまちは人の常、許すは神のわざ」、つまり、人間はあやまちを犯しやすく、神はこれを許してくれるという意味のことわざです。
この世に完璧なんて人はいないのです。
そして、許してくれる神は、世の中に意外と多くいるものなのです。
5. さて、ここでもっとも興味深く、それでいて、なんとなく笑えてしまうようなテクニックを紹介してみることにしましょう。
「鏡に映して練習してみて初めて、完璧にできるようになるのです!」
このことは、友人やお客さんに会う場合には、特に当てはまります。
というのは、口説こうとする場合には、良くない状況になってしまうような、望ましくない行動をなぜかとってしまうことがあるからです。
自分では自然にやっていると思っていても、そうではないこともあるのです。
望ましくない行動をとりすぎてしまえば、あなたのためにはなりません。
相手は、自分との関係について、あなたがいやがっていると思ってしまいます。
ですから、自分が望ましくない行動をとっていないかどうか、鏡をみながら完璧にできるように練習しなければならないのです。
また、親しい友人相手に練習して、意見を聞かせてもらうのもいいでしょう。
6. とにもかくにも、最初の一手を確実に決めるようにしましょう!
この最初の一手というのは、チャンスは一度きりですので、注意しましょう。
ですから、どうしても何かが欲しいとか、絶対に誰かが欲しいとか思ったなら、すぐに行動に移さなければなりません。
その行動を妨げるものは、何であれすべて排除するようにしましょう。
ただし、その排除には、あくまでもポジティブな説得をしましょう。
障害物がなくなったところで、最初の一手のチャンスをうかがいましょう。
もしかしたら、今この瞬間に会う人が、あなたの夢をかなえてくれる人かもしれませんよ。
からだに目をひきつけましょう
世の中には、異性をひきつけるのが得意な人がいるのはなぜでしょう?
ご存知ですか?
それでは、愛する人の目を引くためのテクニックを、ここでご紹介しましょう。
1. いつでも、誠意のある笑顔を絶やさないようにすることが重要です。
アレン・トンプソン氏は「ドンファンのボディランゲージ6つの掟(The Six Don Juan Commandments of Body Language)」という記事の中で紹介しています。
「笑顔は、最も簡単にできる、強力な掟です」
彼はまた、このようにも述べています。
「笑顔を浮かべるだけで、すぐにはっきりと、あなた自身のすばらしいアピールポイントを相手に伝えることができるのです」
笑顔一つで、自信、親愛の情、ポジティブな姿勢、機嫌をあらわすことができます。
さらには、あなた自身の人となりから、何を楽しいと思うかまでわかってしまうのです。
笑顔というボディランゲージを無視することは難しいでしょう。
2. ユーモアのセンスを身につけられるように、努力してみましょう。
努力をすれば、どんな小さなことの中にでも、笑えるような部分を見つけ出す方法を身につけられるでしょう。
どんな状況においても、楽しい雰囲気に変えてしまえるような人のまわりには、自然と人が集まってきてしまうものです。
3. どんなときでもアイコンタクトを忘れないようにしましょう。
目というのは、人間のからだの中で、最も表現力豊かな部分です。
愛するものを見つめるときというのは、目に誠意があふれているものです。
アイコンタクトによって、二者の絆が築かれていくものなのです。
見つめ合うことで、お互いの仲がより親密になっていくのです。
4. うなずくときには、はっきりと明確にうなずくようにしましょう。
うなずくというジェスチャーは、肯定の意味をあらわすサインです。
相手に対して、話を続けるように促しているサインなのです。
相手に、大丈夫だと安心させてあげる意味でも重要なのです。
ですから、相手の安心感を確固としたものにするためにも、うなずくジェスチャーは、はっきりと明確でなければなりません。
5. できるだけ相手に対してオープンな動作をするようにしましょう
腕組みをするなどというクローズなイメージの動作は、絶対にやめましょう。
また、食べ物というのも、他者を寄せ付けないクローズなものです。
食べ物のような邪魔者で、二人の間をさえぎるのは避けましょう。
できれば手のひらを相手に見せるようにするのが良いでしょう。
手のひらを見せるというのは、非常にオープンな動作になります。
その状態で、手を両脇に置き、相手に心を開いていることを伝えましょう。
目を見れば、関心度がわかる
これから口説きたいと思っているような大切な人が、あなたに対しても関心を抱いているのかどうかについて、知りたいと思いますよね?
ここでは、あなたが男性だと仮定したパターンで考えてみることにしましょう。
男性であるあなたが、とてもすてきな女性に心をときめかせたとします。
そんなときには、とても惹かれてしまっているということが、相手にはっきりと伝わるような、熱く情熱的な視線をまずは送ってみましょう。
視線を送ってみたら、しばらくは、相手がどんな反応をしてくるかを待ちます。
熱く情熱的な視線に照れてしまうあまりに、あなたの目を見つめ返すことができず、目を逸らしてしまうというのが自然な反応でしょう。
でも、もしかしたら、より強い視線で見つめ返してくるかもしれません。
または、完全に無視されてしまうでしょうか?
彼女があなたに惹かれているかどうかがわかるボディランゲージをお教えしましょう。
うつむいたり目を逸らしたりすれば、少なからず関心ありのサイン。
・ 強く見つめ返してきた場合には、二つ考えられます。
一つはとても強い関心がある場合であり、もう一つは不快に思っている場合のサイン。
左右に目を泳がせるようにして逸らしたならば、無関心のサイン。
また、ほかのボディランゲージも気をつけて注意深く観察していれば、相手が自分に惹かれているかどうかが、さらによくわかりますよ。
たとえば、次のようなボディランゲージを相手がしているようなら、それは逆に、彼女のほうがあなたを口説いているサインといえるでしょう。
1. 唇があなたのことを口説こうとしている意思を語っている場合があります。
・歯が見えるほど、リラックスした表情でよく笑っているとき。
・唇をかんだり、唇をなめたりしているとき。
・舌を見せたり、前歯に触れたりするとき。
2. 彼女の目を見れば、さらに口説こうとしている意思がよくわかります。
・目を大きくして、じっとあなたのことを見つめているとき。
・誘惑するように眉を上げるとき。
・遠くからウィンクを投げかけるとき。
もちろん、最もよくみられる例は、いつもよりまばたきが多くなり、まつげをバチバチさせてしまうボディランゲージです。
3. 髪を使ったジェスチャーも、あなたのことを口説こうとしているサインです。
・自分の髪を手でやさしくなでるといったような、自分のほうにあなたのことを注目させようとするしぐさをしているとき。
・髪に指を差し込んでみたり、指に髪を巻きつけてみたりするとき。
・肩に落ちかかってくる髪を背中に回すようなしぐさをするとき。
4. 少し肌を露出するようなジェスチャーは、かなりわかりやすいサインです。
・スカートのすそを少し持ち上げて、足を見せるようなしぐさをするとき。
・少しでも自分のことを魅力的に見せようと、着こなしを変えたりするとき。
5. 座り方でも、あなたのことを口説こうとしている意思がわかります。
・足を少し開きぎみにしたりするとき。
・太ももが少し見えてしまいそうな感じで足を組んだりするとき。
・足をこすり合わせたり、テーブルの脚にこすり付けたりするとき。
6. 手のジェスチャーにも、あなたのことを口説こうとしている感情が表れます。
・思わせぶりな態度で、手首を上下にこすり合わせたりするとき。
・あごや頬を手で触ったりするとき。
・無意識に手で胸を触ったりするとき。
・テーブルの上に置いてあるものを手で触ってみたりするとき。
・飲み物のグラスなどを無意識に手でなでまわしたりするとき。
では反対に、女性に対する男性の関心度がよくわかるボディランゲージはあるでしょうか?
男性のボディランゲージはかなり単純なことが多いので、さらに簡単です。
アイコンタクトを絶やさず、頻繁に笑みを投げかけてよこしているようなときは完全に関心がある証拠です。
さらに、自分自身に対する自信を示すような行動をしていれば、決定的といえるでしょう。
会話の始め方
つき合いたいと思った時点で、もう言葉ではないやりとりは始まっているのです。
では、そのあと一歩進めて、言葉を使ったやりとりはどのように進めれば良いのでしょうか?
ここで、すばらしい会話のスタートの方法をご紹介してみることにしましょう。
あなたがつき合いたいと思っている特別な人が、たとえば何かの専門家だったなら、その専門分野での疑問に関して「○○はどうすればよいでしょうか?」などと尋ねてみましょう。
「○○したことがありますか?」とか、「○○に行ったことがありますか?」など、その人のこれまでの経験について尋ねてみるのも良いでしょう。
つまり、相手が関心を持っていることについて、よく調べておかなくてはなりません。
会話の中では、その相手のことをできるだけ賞賛するようにしましょう。
そして、あなたは常に、穏やかでくつろいだ態度を保つようにしましょう。
相手に対して自分が興味を持っているということを十分に表現し、わかってもらった上で、相手のことについて尋ねるようにしましょう。
相手が質問に対して答えてくれている間は、うなずきながら話を聞きましょう。
あなたがきちんと話を聞いているということが、相手によく伝わります。
「へえー!」「すごい!」「なるほど!」などの合いの手を、抜群のタイミングで入れましょう。
決して、話の腰を折るようなタイミングで、合いの手を入れてしまわないように注意しましょう。
触れること
触れるというのは、簡単なしぐさです。
でも、ボディランゲージを理解しているかどうかで、触れるという動作の意味がぐんと広がります。
基本的に、口説くという場面において、触れるというしぐさは必須です。
ライバルたちの中から勝ち残るためには、スキンシップが必要なのです。
たいていの人間というのは、おとなになるにしたがってだんだんと、触れたり触れられたりするということに過敏になってしまうものです。
触れるというしぐさによって、尊敬や信頼、親愛の情をあらわすこともありますし、人の能力を識別する方法として使われることもあります。
その場に合った的確な接触方法を選びさえすれば、この上なく効果的なボディランゲージとなるでしょう。
この的確な接触方法を習得し、自分の気持ちをうまく相手に伝えましょう。
ここにおいて重要となってくるのは、なんといってもタイミングなのです。
あまりに唐突にべたべた触り過ぎてしまったならば、かえって、思ってもみなかった悪い方向へと進んで行ってしまうことになるでしょう。
ちょうど良いタイミングで、適切なやり方で接触するようにしましょう。
そうしなければ、あなたの期待どおりの結果を得ることはできません。
そのときの状況や雰囲気を、できるだけすばやく読み取るようにしましょう。
その都度、相手の反応を観察して、今の接触方法が正しかったかどうかを判断した上で、状況に応じて臨機応変に対応を変えていきましょう。
相手があなたのほうに近づいてくれば、その接触は正しいやり方だったということです。
しかし、相手に引かれてしまった場合には、間違った接触方法だったということになります。
そんなときには、すぐに方法を変えてみましょう。
おわりに
人と人とのコミュニケーションというのは、たいへん重要なことです。
コミュニケーションが人生を決めるといっても、決して過言ではありません。
人間同士がコミュニケーションを取ることができないような、混沌としてしまった世界などというのは、誰も想像することはできませんよね?
物事がもっと単純だったと思われる原始社会でさえ、人は、コミュニケーションをとる方法を編み出そうと、努力していたのです。
私たちが生きている、このペースの速い現代社会においては、コミュニケーションの必要性というのは、原始時代に比べて千倍以上といえるでしょう。
現代社会においては、さまざまな形態のコミュニケーションが存在しており、いろいろな場面で、それぞれにその役目をはたしているのです。
そのコミュニケーションの中には、非言語的コミュニケーションも存在します。
非言語的コミュニケーションに類似しているものの例としては、聾唖者が日常的に用いるコミュニケーションがあります。
手話ですね。
しかしおそらく、多くの人間にとって最も意味深いものは、ボディランゲージでしょう。
このボディランゲージについては、実のところ、あまり知られてはいません。
役に立たないからという理由ではなく、ただ単に、世の中の多くの人が、ボディランゲージの効果について気づいていないだけなのです。
実は、誰もが無意識に使っているのにもかかわらず気づいていない、しかも最も役に立っているコミュニケーション方法が、ボディランゲージなのです。
誰もが普通に日常的に使っていながらも、誰もが自分のやっているボディランゲージにまったく気づいていないというだけなのでしょう。
しかし、自分の本当の気持ちを相手に伝えるということにおいては、ボディランゲージほど信頼できるものがほかに存在するでしょうか?
「目は口ほどにものを言う」という言葉があります。
行動というのは、口に出した言葉よりもはっきりと気持ちを訴えているものなのです。
その行動こそが、ボディランゲージなのです。
ボディランゲージの意味が伝わるためには、言葉よりも、時間という要素が必要だったとしても、それは立派なコミュニケーション方法なのです。
気持ちを言葉以上に雄弁に伝えるのが、ボディランゲージなのです。
ボディランゲージというのは、私たちに都合が良いように作り変えられていくものです。
なぜか自然と、そうなっていくものなのです。
そこで、まずはボディランゲージを解釈する方法を知り、最大限にボディランゲージを活用する方法を身につけていかなければなりません。
「そんなスキルは自分にはないよ」などとおっしゃらないでください。
もちろん、ボディランゲージを活用できるということはスキルといえます。
でも、そのスキルというのは、誰でも身につけることができるはずです。
この本で読み、学んだことは、あなたのスキルとなり、行動の全てにおいて役立ってくれるものになるでしょう。
新しいボディランゲージ活用のスキルがしっかり身につくまで、この本を、できるだけ何度も繰り返して読んでみるようにしてください。
あとは、実際に行動しながら、疑問が生じたときにはその都度この本を参照してください。
あなたは、自分のとった行動に対して、きっと満足することでしょう。
その際、次のことは、しっかり肝に銘じておくようにしてください。
この本で、ボディランゲージについて学んだだけで終わりではありません。
実践に移してみることが重要です。
経験を積み重ねることによって、さらにボディランゲージのスキルを高めましょう。
ボディランゲージがあれば完璧というわけではありませんが、ある程度、人生をうまく立ち回れるようになりますよ。
この本を読んだことで、あなたは、まずはその一歩を踏み出したのです。
~終~
最後までお読みいただきありがとうございました。
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