見出し画像

小4の壁をどう乗り切るか?


はじめに

幼稚園や保育園から小学校に上がる時に親子に訪れる「小1の壁」に続き、低学年から高学年に上がる時にも「小4の壁」が訪れます。
それはなぜかというと・・・。

  1. 育成会(学童保育)がなくなる(定員から外れる)

  2. 学習が難しくなり、ついていけなくなる

  3. 登校渋りから不登校へ移行しやすい

  4. 特性が出やすくなり支援が必要になる

  5. 保護者同士のつながりが更に希薄になる

この様なことが要因になり、「小4の壁」に悩む保護者や子供が増えます。
今回は、小4の壁のデメリットだけではなくメリットもお伝えします。
よろしければ最後までお付き合いいただけると、小4の壁を乗り越えるヒントが見つかるかもしれません。

1育成会(学童保育)がなくなる(定員から外れる)

大抵の公立小学校には「育成会」もしくは「学童保育」という名前で、放課後の預かり保育が実施されています。
共働き家庭やひとり親世帯のための制度で、保護者が家にいて放課後の面倒を見られる家庭は対象外です。
利用する際は自治体への申請が必要です。
しかし、多くの育成会(学童保育)は低学年の児童を対象にしており、高学年になると定員から外れてしまいます。
子供が四年生になると同時に、放課後の過ごし方に困ることになります。
家で留守番をできるように練習したり、近所に祖父母や預かってもらえる家があればお願いするなど。
中には平日の放課後は、習い事で時間を過ごすというご家庭も・・・。
子供の居場所が定まらず、集団で友達の家に押しかけたり、公園で自転車を乗り回したりと問題になることもあります。
小学校四年生ぐらいになると、「ギャングエイジ」と呼ばれるほど、仲間意識が強くなります。
公園や友達の家をたまり場にしてしまう子もいます。
お金やゲームの貸し借り、おやつを奢ってあげたりスーパーやコンビニで買い喰いするなど、もはや「ギャングエイジ」と言われるのも無理はありません。

2学習が難しくなり、ついていけなくなる

小学校四年生の教科書をご覧になったことはありますか?
親である私たちが小学校で習ったことより、はるかに難しい学習をしています。
英語が三年生から始まり、プログラミングや社会、理科も四年生から始まります。(三年生までは総合という教科でした)
算数の授業は、三年生までは実生活の中で役立つようなお金の計算や時計の見方、足し算引き算掛け算などでしたが、四年生からは更に抽象的な概念に入ってきます。
実生活でみたこともない様な大きな数字・・・億、兆。小数点以下の数字など、想像でしか理解できない数字が並びます。
想像することが苦手な特性のある子にとって、ここが難しいところです。
英語は目的が話すことならば、なるべく早い時期からの学習が良いのは理解できます。中学生からアルファベットを習うようでは、第二言語として習得するには遅すぎます。
しかし、文法の理解や文章を書くことを目的としているなら、四年生ではまだ時期尚早だと感じます。
なんといっても、まだ母国語である日本語を使いこなしたり、読み書きすることが難しい子供がいるのですから。

3 登校渋りから不登校に移行しやすい

低学年の間は登校渋りが見られても、学習についていけました。また、久しぶりに登校すると、友達も心配して待っていてくれました。
しかし、四年生からは少し休んだだけでも学習が早いスピードで進んでいくので理解が難しくなります。
また、友達同士の仲間意識が強くなり個人の自我も出て来る時期と重なるため、たまに教室に入ると疎外感や孤独感を感じてしまう子供が少なくありません。
一日のほとんどを同じ教室で過ごす小学校では、友達関係が大きく影響します。
担任の先生や校長先生、学年主任の先生、保健の先生、支援の先生など、大人は理性を持って接してくれますが、友達はなかなかそうも行きません。
我が子のクラスにも、登校渋りから不登校になってしまった子がいます。
また、登校渋りの子が学校に来る頻度が下がってしまっています。

4 特性が目立ちやすくなり支援が必要になることも

発達障害の特性が目立ちやすくなるのが6歳から8歳と言われます。
低学年のうちは、学校に相談しても「しばらく様子を見ましょう」と言われていた子も、四年生になると学習が難しくなるのと特性が目立ちやすくなる時期が重なり、支援が必要になる場合があります。
中には通常学級から特別支援学級への転籍を薦められる場合も。
本人も学習や友達付き合いで困難を抱える場面が多くなるので、あまり無理をさせずに早めの支援を考えた方が後々楽に過ごせる可能性が高くなります。

5 保護者同士のつながりが更に希薄になる

子供が高学年になると、帰宅時間も遅くなり母親が自由になる時間が増えます。
そこで、共働き家庭に移行するご家庭も多いようです。
女性の社会進出が進むにつれ、女性が母や妻であると同時にキャリアを積む時代になりました。
そうなると、同じ小学生の親とはいえ横のつながりが希薄になります。
低学年の間はママ友同士でランチに行ったり情報交換をしていた時間が、高学年になると仕事の時間に変わります。
学校での出来事や友人関係の情報が共有されなくなりトラブルが起きても気づきにくい状態になります。
また、友達が遊びにきても保護者とは連絡がつかず、何かトラブルがあっても連絡手段がありません。
今は個人情報保護の観点から、連絡網はありませんしお互いの連絡先は直接聞くしかありません。(クラスの連絡網としてLINEグループを作っている場合もあります)
クラスメイトと揉め事やトラブルがあっても、相手のことを知らないため疑心暗鬼になり、不安が募ってモンスターペアレントになってしまう保護者も。
実際、モンスターペアレントと言われる保護者の大半は、初めから先生や学校を敵視しているのではなく、自分の子供をどこまで守ってくれるのか、本当にいじめやトラブルを開示して解決に繋げてくれる意思があるのか、不安に感じるから学校に不当(と思われる)要求をしてしまうのです。

6 小4の壁・・・メリットもある!

ここまで小4の壁と称して、デメリットや心配事ばかり書きました。
しかし、もちろんメリットもあります。

  1. 身辺自立が進み、手がかからなくなる

  2. 自己解決能力が育つ

  3. 学校以外の居場所が見つかる

  4. 父親(父性)の存在が大きくなる

  5. 反抗期直前!最後の可愛い時期(?)

1 身辺自立が進み、手がかからなくなる

四年生頃から親からの自立が顕著になります。
寝室は子供だけになり、入浴も1人でできる様に。
どんなに親にべったりとくっついていた子供も、徐々に自分で出来ることが増え、身辺自立が進みます。
親としては嬉しくも寂しいところですが、これは大事な成長なので、親も子離れしなければなりません。
ここで過干渉や過保護、過剰な心配をし過ぎると、親子の関係に歪みが生じます。
子供が不登校になりやすい親の特徴は、過保護、過干渉、心配性、無関心、虐待(ネグレクト)だそうです。
あんなに大事に育てたのに・・・と悲しい気持ちになるかもしれませんが、肝に銘じておきましょう。
子供が自立すると、母親は自分の時間が増えます。
その分、自分のために時間を使ったり趣味や仕事を始めるなど子育て一色の生活から卒業することが出来ます。

2 自己解決能力が育つ

この頃の子供は、トラブルに直面した時、自分で解決する能力が育ちます。
友達と喧嘩した、嫌なことがあった、スポーツで負けて悔しかった。
良いことだけでなく、悪いことやネガティブなことも成長の糧。
これまでは、どんなに喧嘩してもごめんね、いいよ、で仲直り出来ていた友達関係。
しかし高学年になると、気が合わない、生活リズムが合わない、家庭環境が違うなどお互いの違いから、うまく付き合えない友達も出てきます。
そこで自分はどうするのが良いのか、どうしたいのかなど自分で考えて自己解決する能力が必要になるのです。
嫌なことがあったら、我慢するのか怒りをぶつけるのか、悲しくて泣くのか、人に言ってスッキリするのか。
親ができることは、子供に解決するための方法を手取り足取り教えたり、代わりに解決してあげることではありません。
子供が自分で考えて解決できるように手助けする、もしくはアドバイスすることです。
子供が何も言ってこなければ、困っている様子でも少し見守るぐらいでちょうど良いのです。
「いつでも話を聞くよ」という姿勢さえ崩さなければ、子供は自分でどうしようもない時は親に話してくれるでしょう。

3 学校以外の居場所が見つかる

習い事やスポーツで、自分がやりたいことが見つかるのもこの時期です。
それまでは、親が勧めたり友達に誘われたり自分の意思というよりも周りに合わせて始めた習い事が多いかもしれません。
しかし、自我が芽生え、急に今まで見向きもしなかったことをやりたいと言い出します。
YouTube投稿、ブログ、プロゲーマー、登山、キャンプ、ピアノ、剣道、旅行、お城めぐり、海外ドラマ、洋画、絵画、バイオリン・・・。
子供はいろいろな情報を得る機会があります。
何が心の琴線に触れるかは、本人にも予想がつかないのです。
もしかしたら、ゲームの中で本当の友達が見つかるかも知れないのです。

4 父親(父性)の存在が大きくなる

生まれてから約十年、子育てにおける父親の存在はあまり大きくありません。(世の中のお父様方、大変申し訳ございません。お怒りはごもっともです)
しかし、10代における父親(父性)の存在や役割はとても重要です。
父親(父性)は、社会におけるルールや人間関係、生活における規範を示すお手本になります。
もちろん、本当の父親である必要はありません。
近所のおじさん、おじいちゃん、親戚のおじさん、学校の先生など、出来れば男性が望ましいのですが、母親が父性を示すことも出来るかも知れません。

5 反抗期直前!最後の可愛い時期(?)

子供も五年生にもなれば、プレ思春期に入ります。
親に対して反抗的な態度になったり、無口になる子も多いです。
女の子なら生理が始まる子もいますし、男の子なら声変わりが始まる子も。
思春期手前のこの時期は、子供らしい可愛さが残る最後の時期かも知れません。 
自分の子供はいつまでも可愛いのは当然ですが、スキンシップを取ったり一緒に出かけたり出来るのもあと少しなのです。
この期間に、思う存分親子の絆を深め、来たる反抗期に備えて愛情貯金を増やしておきましょう。
反抗期の子供のお母さんは、よく昔の写真を眺めて可愛かった頃の記憶を蘇らせて自分を癒すそうです。

まとめ

今回は「小4の壁」についてご紹介しました。
小学生も中盤、親も子も悩ましい時期にさしかかります。
子育ても折り返し地点と言っても良いかも知れません。
この壁を乗り越えて、スムーズに思春期も乗り越えていける土台を作っていきましょう!
私もあなたも1人の親であり、1人の人間です。
たまには間違えても良いのです。
一緒に考えていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?