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「移民と日本社会」から読み解くこれからの外国人労働者対策

移民の受入れは労働条件を悪化させるのか?

日本人がやる仕事と移民がやる仕事に分かれ、日本人がやる仕事に関しては、労働条件の悪化もなく、失業が増えることもない。というのが見解です。実際に一般的な回答でも、働き口が奪われる、と答えた人は3割と、移民が職を奪う対象とは捉えられていません。
それなら、どう分かれていくのか、でいうと、日本人がやる仕事と捉えられるのは、長期間の安定的な雇用を必要とする企業特殊的な業務となります。これは、定着をすることで生産性があげられるものなので、離職をする可能性を防ぐために、労働条件も高くなります。
外国人に任せる仕事とは、労働者の代替がしやすいものであり、現在すでに外国人が受け入れられている介護、外食、建設、などに代表される仕事になります。そこでは外国労働者を受け入れることによって賃金が低下し、雇用を奪うと考えることもできますが、日本人がより生産性の高い職種への転換をすることによって、日本人全体の労働条件が悪くなることはないと思われます。

移民の受入れは社会保障を悪化させるのか?

年金や健康保険の担い手が増えることにより、現役世代の社会保障負担は軽減されます。現在の技能実習生、特定技能者は社会保険の加入が必須となっており、現役世代が急激に減っている現状にあって、社会保障の維持は外国から社会保障の担い手を連れてくるか、現役世代にさらなる負担を強いるか、しか選択肢はありません。
よく外国人が増えると社会保障が悪化する、と言われますが、それは北欧諸国のように、手厚い社会保障の国では移民の増加は社会補償費の増加に繋がる恐れはありますが、日本のような低保障高負担の国にとって、移民が増えることは社会保障の悪化とはなりません。技能実習生にしても、特定技能者にしても、仕事に就いていることを条件として在留を許可されている人たちなので、失業者となる可能性は非常に低く、社会保障においての影響は非常に限定的です。

移民の受入れは技術促進を阻害するか?

高技能職における外国人の割合が高ければ、その技術促進は受け入れることによって逆に促進されます。ただ、日本においては高技能移民を受け入れているわけではないので、そうした効果があるとは考えづらいとされます。
低技能移民ばかりを受け入れた場合は、労働集約型の産業が維持できることにより、より資本投資を必要とするような産業の維持を困難にします。つまり、今のような外国人労働者の受入れを続けていると、技術促進を阻害すると考えられます。

移民の受入れは犯罪を増やすか?

一般調査でも、移民を受け入れをする一番の不安点として、挙げられているのが、犯罪の発生率が高くなる、というもので、69%がそう思う、と答えています。ただ、外国人が増えると本当に犯罪は増えるのか。それを動画で取り上げていますので、是非見て頂ければと思います。

日本の今後の外国人受入れはどうすべきか?

これは私個人の考えとなりますが、期間限定的な外国人労働者を増やすことで、労働者の代替ができるような仕事は外国人に担ってもらう。外国人労働者が増えることで、社会保険の担い手が確保でき、年金制度も維持ができます。
そして、代替ができるような仕事に従事している日本人に関しては、専門性の高い仕事に移行してもらうことにより、その生産性を上げてもらう。
その流れをつくっていくためには、やはり特定技能制度をより充実していくことが重要であると考えています。ただ、外国人労働者を消耗品として捉えていくのではなく、やはりそこから優秀な人材はその上を目指せる環境をつくるべきなので、そのためにも特定技能2号の促進が必要です。

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