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哲学カフェに参加した

 4月の哲学カフェに参加してくれたMさんが、7月20日に「幸せとは」という講座をだいかい文庫(豊岡市だいかい通りにある私設図書館兼本屋さん)で開催されたのでご紹介します。

 「物価高騰、どう思う?」というテーマで4月に対話を進めた中で、所得の格差や資本主義の問題といったところに参加者の皆さんの考えが発展しました。さらに幸せとはなんだろう、改めて考えてみたい、ということで今回の開催となりました。始めに参加者の皆さんが一通り自己紹介し、Mさんが自分の思う幸せについて話され、座った順番の反時計回りでそれぞれの方が幸せと思う事柄や幸せと思う場面について話されました。参加者はMさん含めて7名とだいかい文庫のサポーター1名でした。

 約1時間。その時に対話された内容を私なりに偏見と個人的な思い入れと共に、以下6点に整理してみました。

1)サードプレイスにいることが幸せ
仕事が終わってだいかい文庫に来ることが幸せ、だいかい文庫の依存症という方がおられました。
家庭でも仕事場でもないそれぞれの思うサードプレイスで、仲間に出会ったり一人の時間を楽しみ人々は幸せを感じるようです。

2)植物や野菜を育てることが幸せ
私もそうですが、野菜や花を育てることを楽しみにしている人たちがいました。段々と自分の思い通りに育ってきた時に喜びを感じる。植物は人間みたいに文句も愚痴も言わないで、健気に生きている。
植物や野菜は大地の元で生きており、工場で一定の原料、決まった加工プロセスを通じてある範囲の性能の大量のものができる製品とは異なります。制御困難な土壌、水分、大気、そこに生きる動植物に影響されるので、私が思うに人間の思い通りに育つ訳ないのです。それでもあの時はこうだったから次はこうしてみよう、といった試行錯誤して育ててみる、そういったところに創意工夫や魅力があると思います。

3)人の役に立つ、喜んでもらうのが幸せ
仕事で役に立ったり喜んでもらえる、正確に早くできて感謝されて幸せを感じる。
自分が作った野菜、一人では食べきれないので知り合いや仲間にあげるのが楽しみ、幸せという方がおられました。人間は社会的な生き物で嫌でも一人では生きていけませんので、他人が喜んでくれると思うとそれは喜び幸せにつながるのだと思います。
逆に他人の愚痴は聞けるが身内の愚痴は辛い。

4)人に良くしてもらう、承認してもらうのが幸せ
自分と環境が似た人に話を聞いてもらう。子供と遊んだり、良い人や話ができる人に出会ったりも幸せの一つのようです。
インスタ、note等SNSで「いいね」をもらう事で幸せを感じる。

5)辛くならないように自分を管理することで幸せ
仕事が忙しくなりプライベートとの折り合いをつけるため、ハンバーガーショップで一人で飲み物を飲みながら読書やYouTube動画を見るのが楽しみという方がおられました。仕事がない時間や休日に遊びに行くのも楽しみですね。
私の場合はさまざまな情報の渦の中でそれらを取捨選択する中で自分なりの考えを整理するために、noteに記事を揚げるようになりました。それによって自分の中に沈殿していたものを対象化することができ、辛さが軽減した経験があります。
またこの発言から発展して、人には言えないことを文書化してそれは消してしまう人、消さずにとっている人もいました。
ストレスで疲れた時は敢えて人に会わないようにする。しんどい時は雑草をとって綺麗になったら達成感と共にスッキリする。

参加者の皆さん

 最後にMさんからウェルビーイングの5つのモデル(ポジティブな感情、蟹化への没頭、他者との関係性、生きる意味、達成)が紹介され、本講座が終わってからのMさんの感想はひとまず終わってホッとし、参加者がたくさん話してくれて、自分がやろうとしたことはできたとのこと。

 今回のテーマ「幸せとは」での私の気づきは、幸せ”happiness”はどちらかと言うと瞬間的、持続性が少ないのですが、そこで”well-being”(良い状態が継続する)という言葉ができたのではないかと感じました。カフカは、恐れがないことが幸せである、と言っていますがこれは戦争や虐殺、世の中が廃れてくると幸せを感じる人は少なくなるだろうと思います。

 地域に住む多種多様な人たちが一堂に会して一つのテーマについて語り合う、そういう場を作りたいと思っていて、今回このような機会をやってくれとても嬉しく思いました。元々は会社、地域、いろんなグループの話題として通常憚られる、もしくはそんなのおもんない、空気読めよと言われる政治や経済について、自由闊達に話ができればいいなと思っていました。
 今回1時間足らずの対話ですがここには記載できませんが普段皆の前では言えないようなことが、それぞれの人たちの口からポロッと出てくるところが、この哲学カフェの面白いところだなと思いました。
                                  (了)


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