<output>からっぽだからライターだ。

今回は、読書途中感想文。
読んでいる本のある言葉に共感した。

取材・執筆・推敲-書く人の教科書

ライターとは、からっぽの存在である。

取材・執筆・推敲-書く人の教科書(古賀 史健)

まだ読書途中のため、読み進めたらこの言葉を覆す展開もあるかもしれない。

しかし、今私はこの言葉に衝撃と安心、そして共感をしたためアウトプットしたくなった。

からっぽの自分を満たすべく、取材する。
〜〜〜〜
からっぽの自分を満たしてくれた人や物ごとに宛てた、「ありがとうの返事」を書いているのである。

この返事の質が、取材相手に対する敬意に比例もするのだという。
ここで言う「返事」とは紛れも無い「原稿」のことだ。

著者である古賀さんは、ライターを「取材者」としている。
その「取材者」であるライターは、「取材」なしでは価値あるものが生み出せないという。

著者である古賀さんは自分を「からっぽ」なんてどんな場面で思うのだろう?

私がどこに共感したかをお話しする前にもう少し。

問いの矛先は、自分にも向けられる。お前はいまの話を、どう読んで、どう聞いたのか。ほんとうに理解したといえるのか。どこまでがわかっていて、どこから先がわからないままなのか。ジグソーパズルのピースは、あと何枚足りないのか。しつこく自分に問いかける。

「問いの先は自分にも向けられる。」言われてみればわかる。芸能記事、旅行記事、取材記事、どんな記事であっても情報だけを集めてまとめるだけでは、価値がないものなんだ。

分かっているようで、分かっていなかった。

1つの記事に対して自分の疑問や仮説やそれに伴う感想をどれだけ入れられるのか。

ある程度の基本情報とライバル記事には書いてない情報が少しあれば満足になっているのではないか。

叱咤激励をもらった気がした。

からっぽだからライターなんだ。

冒頭でも説明したが、この言葉に衝撃と安心と共感を感じた。

それはナゼか?

私が自然と求めてきたことをしっかりと言葉にされていたためである。

社会人1年目で選んだ「テレビ番組制作」という仕事。
もちろん純粋にテレビが好きな理由が1つだ。

実はもう1つの理由があった。
この理由はどこか「綺麗ではない。」と感じて言葉にはして来なかった。

それは、「何者でもない自分が色んな才能やひらめきを持つ人に出会い、自分にはない経験や想いを吸収し伝えたい。」ということだった。

実は純粋な理由ってこっちだったりしたのかもしれない。

だから、ライターという仕事も通ずるものを感じてきた。
色んな情報や人に出会い存在を知る、そして伝える。

そんな仕事に私は魅了され続けているのだ。

だからこそ「からっぽ」という言葉が図星だったし、そう定義してくれているこの本と出会えて安心感に包まれたのだ。

果たして、著者の古賀さんには「からっぽ」の意味をマイナスに捉えているのかは疑問だ。

価値を残すライターになるために

私はまだ駆け出し中の駆け出しだ。
見せられるものもこれからと少しずつ動いている。

だからこそ、古賀さんのこの本を手に取っているのだが最後まで、まだ読みきれていない。

ただ、私は価値をしっかりと残すライターになりたい。
少し読んだだけでも、改めて気持ちが引き締まったのだ。

今はどんなジャンルでも全力で取り組む姿勢。
右も左も分からないからこそ、もがいて自分なりの解を見つけていきたい。

調べれば調べるほど、今の時代には正解がない気がするから。

「価値」というのは「取材」だということが、ありがたいことに理解ができた。

どんなジャンルの記事であっても、自分なりの仮説を持つこと、理解の仕方を言語化すること、心が動いた情報を残すこと、全てを敏感に察知し妥協することなく突き詰める。

ベテランの方からしたら、基礎の基礎でお恥ずかしいのだがまずはここから少しずつ。

夢を言葉にしてみる

夢と言っては少しこれも恥ずかしい。
「言葉にすれば叶う」とよく聞くので最後にコッソリと。

この本を読んだきっかけは「取材」して「伝える」をまさにしたいからだった。

ドキュメンタリー番組のアシスタントだった時代から、自分の年代と近い人を取材したいという気持ちがあった。

当時、企画会議で何度も提案をした。
アシスタントながら、1人で直接取材に行かせてもらったことがある。

あのときの取材は取材なんて言えなかっただろう。
うる覚えだが、ただの一問一答で緊張に震え上がっていた。

その後、取材した内容を企画会議で伝え上司の反応は良かったが、大人の事情で番組として取り上げられず、非常に悔しい思いをした。

というのが、もう4年ほど前だろうか。

いつかその人を別の形で取材したいなんて思っている。

私には、そんないわゆる「憧れの人」が何人かいる。

だから、私はそんな人たちに恥じないように「価値」のある「取材」を続けていきたいのだ。




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