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【後編】認知症とは?種類や治療法、症状などについて解説

「認知症とはどのような病気なの?」
「認知症はどのように治療していくの?」
65歳以上で認知症を患っている方は日本に約600万人いるといわれています。2025年には約700万人、つまり65歳以上の5人に1人が認知症になる見込みです。
決して珍しくない病気ですが、どのような病気なのか、種類や治療法にはどのようなものがあるのかご存知でしょうか?今回は、おもな認知症の種類や治療について詳しく解説します。

前編はこちら:https://note.com/braintokyopharma/n/nad4263e2db3e

認知症と物忘れの違いは?

認知症と物忘れの区別がつかないという方もなかにはいるのではないでしょうか。たしかに似ている部分もありますが、認知症と年齢による物忘れには大きな違いがあります。

たとえば認知症の方は、朝ごはんを食べても食べたことそのものを忘れてしまいます。そのため、食後であっても「朝ごはんはまだ?」と聞いてくることがあるのです。一方で物忘れは、食べたことは覚えていますが、何を食べたのかが思い出せません。

症状はどちらも進行していきますが、単なる物忘れの場合は極めてゆっくりとしか進行しません。

軽度認知障害(MCI)と認知症の関係

軽度認知障害とは、認知症になる一歩手前の状態のことです。認知機能の低下が見られるものの認知症ほどまではいきません。本人も物忘れが多いことを自覚しています。また、物忘れによる日常生活への影響はそこまでありません。

ただし、軽度認知障害になると、年間で10~15%の方が認知症に移行するといわれています。軽度認知障害の段階で適切な介入ができれば、認知症への移行を食い止めることが可能です。

認知症は治るの?

自分や家族の方が認知症と診断された場合、気になるのが「治るかどうか」という点ではないでしょうか。誰にも迷惑をかけたくない、今まで通りの暮らしをしたいと考える方は多いはずです。

根本的な治療はできない

残念ながら、今の医療で認知症を根本的に改善することはできません。治療方法がある認知症もありますが、どれも症状の進行を遅らせるのみで認知症を治せるものではないのです。ただし、認知症になったからといって人生が終わるわけではありません。認知症を抱えながら今まで通り働いている方もいます。

非薬物療法が有効なこともある

非薬物療法とは、薬を使わずに認知症を治療していくものです。リハビリを行って転倒リスクを軽減したり、音楽療法やレクレーション療法などを行って脳を活性化したりする方法が行なわれます。非薬物療法を通して認知症の方の精神状況を安定させることで、身体機能や認知機能を維持することが可能です。

認知症は予防と早期発見が重要

認知症は一度発症すると一生涯にわたって付き合っていくことになります。今のところ、認知症を完治させる方法はありません。そのため、まずは認知症にならないように予防することが大切です。
人と積極的に関わりをもち、食事バランスをよくしたり適度な運動をしたりすることで予防ができます。また、軽度認知障害の時点で「何かおかしいかも?」と気付き対策を始めることも重要です。認知症の前段階で正しい治療を行えば、認知症への移行を食い止められます。

認知症に関するQ&A

最後に、認知症に関する質問にお答えします。

認知症の原因はなんですか?

アミロイドβやレビー小体などのタンパク質の蓄積、脳の機能障害など原因はさまざまです。認知症の場合は、原因に応じて適切な治療が行われます。

認知機能低下と認知症の違いはなんですか?

認知機能の低下は年齢によって起こる物忘れのことです。認知症とは違い、物忘れの自覚があります。一方で認知症の場合は、物忘れの自覚がありません。年齢による物忘れが認知機能低下、病的な物忘れが認知症です。

痴呆症と認知症の違いはなんですか?

痴呆症と認知症は同じものを指しています。昔は認知症のことを痴呆症と呼んでいましたが、差別的な意味合いが含まれているため認知症へと呼び方が変わったのです。

認知症になると顔つきが変わるって本当ですか?

本当です。認知症になると感情や周囲への反応がにぶくなるため、それが表情として表れます。眼瞼が下がり、表情が乏しくなることが多いでしょう。

認知症の初期症状にはどのようなものがありますか?

初期症状としては、同じことを何度も話したり聞いたりする、ものをよく失くすなどが見られます。

まとめ

認知症とは、日常生活に支障が出るほど認知機能が低下した状態のことです。アルツハイマー型認知症やレビー小体認知症、 前頭側頭型認知症や血管性認知症などの種類があります。もっとも患者数が多いのはアルツハイマー型認知症です。

根本的な治療はできないため、薬を使って症状の進行を止めたり非薬物療法によって精神状況を安定させる方法が取られます。早期発見ができれば症状の進行を抑えることができるので、早めに治療を開始することが大切です。

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