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保育士さんのスモックに見る社会のしばり

アメリカのプリスクールで働いていた時、帰国しても幼稚園の先生や保育士さんには絶対になれないと思っていました。職場のルールが鬼厳しそうだからです。それも文化といえばそうなんですが、外から見る限りでは働いている人たちがあまり楽しそうには見えません。

日本の園では保育士さんはなぜ皆んなで終日エプロンやスモックを着ているのでしょうか。服が汚れたら洗えばよいと思うのは私だけなのか。着ない選択肢はあるのでしょうか。なぜ制服化しているのでしょうか。しかもスモックのデザインが泣けます。大泣きです。せめてデザインだけでもなんとかしてくれ。かといって素敵なデザインのスモックになっても私は着ないけど!

そしてなぜスモックの下はジャージなんだろう。確かに園で働くのはスポーツのようなノリはある。でもジャージじゃなくてもいいよね? 大人なんだから動きやすさは自分で決められます。仮にジャージじゃないとしても園で働く人は着ているものが単一過ぎる。ここにも暗黙のルールなのか。

髪型、ネイルにおいてもまるで校則の延長上です。学生じゃないんだから。園は働く人をコントロールしすぎではないですか。髪がピンクでも青いネイルでも保育に支障は出ないですし、働く人がハッピーな方がよっぽど子どもにとっていい環境なはず。

このシバリの強さは働いているのがほぼ女性の職場だからなのかなとも思います。昔はよく女性にだけ制服がある会社がありましたね。金融機関とか事務職。令和の今でもそんな会社がまだ残っている点はおどろきですが。

日本の働く女性、私の目には「名前のない、顔のない、とても真面目に働くお世話上手な女性」が見えます。ロボットのよう。個人がいない。おそらく社会が望んでいる女性のワークフォースがそれなんだと。

いろんな層で問題があると思うんですが、ここでは「規則を守って足並み揃えて働こう」昭和文化と「ジェンダー問題」がドロッと混ざっている感じがします。で、服装は規則の縛りが視覚化されただけの部分であり、見えない部分でももっと縛りがあるんだろうなと容易に想像できます。

こうやって意味不明ルールの中で必死で働く女性たちを、子どもたちは側で見ながら育つ。そして「それが当たり前」と理解する。

子どもたちに築いてもらいたい社会を意識して、園は保育士さんをルールから解放していいと思います。大解放。

保育士さんが個性を出し楽しく働く姿を見せたら、子どもたちも社会で個性を出していいんだと理解するかもしれません。


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