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月見 まる
2021年12月17日 06:21
王様たちはそんな夢を守るため、悪夢を生み出す歪んだ風を断ち切るのです。つづく
2021年11月18日 07:18
ある日の夢。私は歩いていた。横にいるのは背高のっぽの知らない人。でも、今はこの人について行くしないんだと諦めていた。そこが宇宙の底の様に真っ黒い場所だったから。光も音もない、迷ったら終わりだ…と。気がつけば周りは人だらけ。いや、人の様な形をした何かだった。私は早くこの先にある馴染みの交差点に行きたかった。ようやく見えてきた交差点には教室の机と椅子がいくつも置いてあった
2021年10月21日 06:58
ある日の夢。私は低い場所を泳いでいた。色とりどりの魚達と一緒に光が差し込む水中をスイスイと。どうやら私は魚になってしまったらしい。体を包み込む水がとても心地よく、腕を大きくひとかきすると滑らかな水の塊を掴む感覚が伝わってくる。とても温かく、まるで母親の体内に戻ったかのような安心感があった。ガクン、と世界が揺れた。水中で地震?と周りを見渡していると、クリアだった視界がどんどん
2021年10月19日 06:58
ある日の夢私は教会に逃げ込んだ。そこには大勢の人が息を殺して小さくなっていた。私も腰を屈めたその瞬間、「ここも爆発するぞっ!」声はすぐに空気に取り込まれ、目に光が突き刺さった。体が真空パックの中に閉じ込められたように縮んでいく。もう呼吸ができないほど空気がなくなると、頭の奥でプチっと小さな音が鳴った。甘い。口の中に広がる甘さ。それは鉄の味に変わっていった。最後の
2021年10月14日 06:24
ある日の夢。私は目の頭上に咲いた大きな花火に釘付けになっていた。次々に開いては散っていく儚い光は、私の足元まで降ってきて音もなく弾けて消えた。綺麗だな……。しかし、それは遅れてやってくる。地鳴りとなって伝わってきた音は私の鼓膜をバリバリと揺らした。耳底で何度も何度も。大太鼓を叩く様な音は消えず、それが不快で私は押さえた両耳を力の限り引っ張った。ブチっという音と共に顔の側
2021年10月12日 06:51
ある日の夢。家族でお出かけ。車の助手席に誰が座るかで兄弟と大喧嘩。楽しみにしていたお出かけは無くなって、私は1人留守番。今頃何をしてるかな、なんて思っていると美味しそうな匂いが鼻をかすめた。お土産に何か買ってきてくれたんだ!そう思い、部屋から飛び出るとそこは学校のトイレの中。美味しそうな匂いどころか、鼻をつまみたくなる様な悪臭に包まれた。思わず鼻をつまんだが、そこにある
2021年10月7日 07:55
ある日の夢。私は数ある色鉛筆の中から1番好きな「黄色」を握りしめた。真っ白い紙が黄色に染まり気分は上々、鼻歌なんかも歌ったり。「この色も素敵よ」誰かがそう言って私の黄色の上に緑のインクをのせた。「ほら、こっちはどう?」青に赤、茶色に紫、次々に広がる色はあっという間に混ざり合い黄色い紙は黒色へ。「ほら、この色持って」そう言われ握らされた手には黒いペンキがべっとりと。
2021年10月5日 19:10
「夢」はリンゴの実のように大きな木の枝になっています。歪んだ風は様々な夢に入りこみ、次々と夢(リンゴ)を落としていきます。枝から離れた夢(リンゴ)はあっという間に「悪夢」へと。神様はそんな「悪夢」を止めるため、王様たちに大きな鋏と仮面を付けたもう1人の自分を与えました。その鋏は夢に入り込んだ歪んだ風を断ち切る為に使うんだよ、と教えてもらいました。決して夢(リンゴ)を枝から切り
2021年8月2日 06:31
神の言葉を乗せた風は、王様達の間を吹き抜けながら言葉を続けました。『夢に入り、歪んだ風を断ち切りなさい。この世界が恐怖で満ちないように』『みんなの夢を悪夢から守るのです』その声は子供のような、大人のような、女性のような、男性のような、とても不思議な声をしていました。「でもどうやって?」「私たちは勝手に人の夢には入れませんよ?」神の言葉は顔を見合わせる王様達の前に大きな鏡