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箱に詰める_5

"顕在と潜在"

サービスマンの人たちに問いたい
水に付加価値をどうやってつけますか?

「グラスに水を注ぐでしょ。あれはとても奥深い」

レストランではサービスの人がグラスに水を注ぎます、この水を注ぐタイミングがサービスのすべてを物語っていると思う。

水を注ぐのが早ければ、グラスの水は必要以上に多くなり、お客様から怪訝な顔をされます。また、注ぐのが遅ければ、

「すみません、水をもらえませんか」

と言わてしまう、そうなれば、

「このレストランは気が利かないなぁ」

となり、レストランサービスとしては失格となります。普通に足しているくらいであれば、

「ありがとう」

というお礼で終わります。しかし、それ以上の水の注ぎ方があります。それは、お客様が

「(水を足して欲しいなぁ)」

という本人も気づいていない意識が脳の中に芽生えるコンマ数秒前に合わせて水を入れるのです。そうすると

「(えっ、なぜわかったの?)」

という顔をします。この絶妙な感覚をつかむことで水一つで感動を生むことにつながります。

では、それができるようにするためにはどうすればいいか?

頭の中、心の中を読むことは簡単ではないと思います。ただ、人は様々な動きをします。目の動き、手の動き、口の動き、体の動き、よく話す人なのか、寡黙な人なのか、それまでの水分の取り方や食事の食べ方、スピード…、情報源はたくさんあります。大切なことはグラスを見るのではなく、お客様のすべてを見ること。

多くのサービスは、注文された商品を出すことしかしていない人が多く、顕在的なニーズしか満足させていません。しかし、プロのサービスであれば、顕在的なニーズはもちろんのこと、さらにその先の潜在的なニーズを満足させなければいけません。つまり、その人の未来を見ることが大切です。

何を望んでいるかを知り、それを抜群のタイミングで提供をする。これは世の中に提案していくもののすべてに通じると思います。完成度の高い製品が出来上がったからといって終わりではありません。絶妙なタイミングで提供することで、やっとお客様の心へ届くのだと思います。

”水を満たすのではなく、心を満たす”

僕の仕事は、きっとそういう仕事

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