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二都物語

 中学生の時、母親に薦められて、チャールズ・ディケンズの二都物語を読んだ。丁度、風邪を引いて熱があり、学校を休んだ日であった。
 あんな難しい本、病気の中学生に読ませたら、体に悪いでしょう。そうは思わないところが僕の母親だった。病気で暇してるだろうからと、昔から、何かしら病気になると買ってきてくれていた。
 その本が僕にとって最高の愛読書の1つになった。実に何度も読み返し、本がボロボロになると、新しく買い直し読んだ。今は断捨離したので、手元にはないが、いつでも図書館へでも行けばあるだろうし、BOOKOFFにも扱いがあるだろう。なければTSUTAYAか他の本屋には必ずあるはずだ。それぐらい有名な物語である。白黒時代、映画化にもなっている。
 時は18世紀後半、フランス革命の話である。この本を読んで、僕は世界史とキリスト教に深く興味を持ち、高校の時は独学でキリスト教の歴史について調べた。おかげで世界史の成績は非常に優秀であった。
 大学時代は、学校がプロテスタント系でもあったので、聖書の勉強会にも参加したことがある。講師が外国人で、英語で喋るから意味不明ではあったけれど。
 まあおかげで大学4年間、キリスト教学に関しては、成績が良かった。他の成績が悪かった分、妙に目立って、却って就職に不利なんじゃないか、等と友達からいわれたが。
 有名な小説なので、既に読んでいられる方も多いとは思うが、読んだことのない方は一度、二都物語を読んでみていただきたい。お薦めです。随所に謎が隠れていて、ミステリーファンでも面白く読めるのではないかと思っている。そのうえで主人公の気持ちになって物語を考えてもらえたら、僕がキリスト教に興味を持った理由がわかるかと思う。
 何だろう、若い頃の暴走、青春の理想、純愛、うまくいえないけれど、麻疹の様な僕の青春時代は、この小説がもとにあったといっていい。
 今はすっかり醒めてしまって、浄土真宗の徒になっている。
 

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