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#732 読書論31|ドブネズミの詩(ザ・ブルーハーツ)

本日の読書論はちょっと普段とテイストを変えて詩集を紹介します。
最近はアルバム論でブルーハーツを紹介しておりますので、その勢いでこちら「ドブネズミの詩」を紹介しましょう。


ドブネズミの詩とは?

1988年に出版されたブルーハーツ初めての詩集ですね。
恐らくその歌詞に共感した少年少女を見て、「これは行ける」という大人の意図があって刊行されたと推察されますが・・・

基本的にはメンバーがどこかで残した言葉が「詩」となって、1ページに1~2作品紹介されております。
その内容が凄くシンプルながら刺さるものがあったり、共感できるものがあったり、色々ですね。

そしてその詩と挟むように、リリースした曲の「歌詞」も紹介されております。1stアルバム「THE BLUE HEARTS」、2nd「YOUNG AND PRETTY」、3rd「TRAIN-TRAIN」の歌詞が紹介されておりまします。

そんな感じで、この日常の言葉の詩と、曲の歌詞が交互に繰り返されるのが本著ですね。



ドブネズミの詩 紹介

僕は確か高校時代に古本屋で見つけて即買いしました。
そして未だに持っているので、ちょっと何枚か紹介しましょう。

最初はこんな感じで緩い内容のリリックが表示されております


そしてこっちは曲の歌詞ですね。


メンバーからもあります。
河ちゃんはこんな感じで、フォントが酒鬼薔薇入ってますね笑


ヒロトは未来を予言してますが、予言よりカッコいい大人になってますよ!


梶君はシンプルですね。


そしてマーシーは「マーシー節」でいいですね、韻を踏んだリリック流石です。


ドブネズミの詩から心に残った詩 10選

ここからは個人的に琴線に触れたり、良いと思った詩をピックアップして紹介します。

#01 「幸せ」とは?

幸せってなんなんでしょうね、みなさん。
金ですか?愛ですか?名声ですか?それがあれば幸せなんですか?

もうこの時点で結構なスターになっていたブルーハーツ。
愛は分からないですが、金や名声は手に入れていたと思いますが、全然幸せには感じなかったのでしょう。
と言っても悲観的なニヒリズムではなく、「こんなもんかよ」という感覚じゃないですかね?
とにかくブルーハーツが求める幸せはそんな次元じゃないのでしょう。


#02 「愛」とは?

「愛」とか言うと、みんな駄さいとかくさいとか言うけど、
なんか俺は違うと思うな。

これもすごく良い表現ですね。
広義の愛というかシンプルに人間愛で考えますが、ブルーハーツのラブソングは真っ直ぐで誤魔化しがなくて、それが受け入れられた結果と思ってます。
そしてブルーハーツが解散してからは、その愛のメッセージを英語にハイスタがして次の世代の若者に受け入れられたと思っておりますが、本質は変わってないですよね。


#03 「恋愛」とは?

世の中に言い切れることってねえが。
でも、恋愛は絶対素晴らしいと言い切るよ。

愛の範囲をもう少し狭義とした「恋愛」でいうともう1つ。これもいいですね。
成功も失敗もひっくるめて「恋愛は素晴らしい」と、ブルーハーツメンバーーが断言するのが非常に良いですね。


#04 「親孝行」とは?

お父さんを泣かせたなくねえとかお母さんを泣かせたくねえとか自分の中から出てくるもんなんよ。それってどんな束縛よりもでけえんよな。

これは高校の頃に共感しましたね、本当にそうなんです。
高校で1人暮らしをしていただけに余計そう思いましたし、自分が父親になった今改めて染みるメッセージですね。


#05 「劣等生」とは?

学校がイヤだと言って登校拒否できる奴はええよ。
俺はいじめの対象にもならない本物の劣等生だったんよ。

これはちょっと分からないですが、そこまでの存在だったんですね・・・
その思いが「劣等生で十分だ」というロクデナシのリリックに繋がっているのかもしれません。


#06 「憎しみ」「苦しみ」とは?

もし、憎しみや苦しみのない世界があるからお前来ないか?って言われたら、俺は行かないって言うわ。

この歌詞はTRAIN-TRAINに通じる所があるのではないでしょうか?
ここは天国じゃないけど地獄でもなく、いい奴ばかりじゃないけど悪い奴ばかりでもなくて居心地が良いので、そうした厭らしさや汚らしさがある世界こそがあるべき世界と考えているのではないかと思います。
僕はどうですかね?行ったら行ったで楽しめない気がします笑


#07 「ブルーハーツ」とは?

歌っとる奴は下品じゃが、歌の内容は最高じゃ。

まさにブルーハーツを端的に表現したのがこの言葉の気がします。
本当にその通りというかなんというか笑


#08 「幸せ」とは?

幸せを手に入れるんじゃない。
幸せを感じることのできる心を手に入れるんじゃ。

これは本当に深いですね。まさにその通りだなと思います。
日常の細やかな幸せを集めることが大事で、この詩が「なるべく小さな幸せと、なるべく小さな不幸せ、なるべくいっぱい集めよう」にも繋がるのではないでしょうか?


#09 「野外フェス」とは?

雨でも降らんと野外でやる意味なかろう。

これもいいですね、まさに逆転の発想!
確かにその通りと思ってしまいます笑


#10 「美意識」とは?

ドブネズミが美しいとわかんねえ奴はたいしたことねえ。

本著の最後を飾るのがこの一説です。
まさにドブネズミの詩という本の最後に相応しく、リンダリンダに続く歌詞ですね。素晴らしいですね。。


まとめ

そんな感じで誰が話したのかぼやけているのが良いと思ってますが、この時代のヒロトとマーシーの発言は、未だに僕の中でカッコいいものとして残り続けています。やはり偉大な詩人ですね。

そんな感じで引き続き、残り少しアルバム論でブルーハーツを語りますが、終わったらハイロウズもあるし、クロマニヨンズもあるし・・・笑

まだまだヒロトとマーシーのカッコいい世界観はたくさん紹介できそうですね。


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