見出し画像

【マッチレビュー】EURO2024 準決勝 スペインvsフランス

  • EURO2024 ファイナルステージ 準決勝

  • 日時: 2024年7月10日 04:00 (日本時間)

  • 会場:アリアンツ・アレーナ

  • 試合結果:スペイン-フランス (HT2-1) (終了2-1)
    スペイン:Lamine Yamal 21'、ダニ・オルモ 25'
    フランス:ランダル・コロ・ムアニ 9'


試合の展開:前半

  • 【スペイン】非保持4-2-3-1  保持4-3-3
    スペインはやはりこの試合も、ニコ・ウィリアムズ、ヤマルの左右ウイングからの切り崩しを狙う。また、特にこの試合光ったのは、この左右ウイングとモラタの非保持の際のプレスバック。フランス エムバペ、デンベレが左右から仕掛ける際、左はククレジャにニコ・ウィリアムズorモラタが戻り、右はナバスにヤマルが戻り、ダブルチームを組むことでフランスの侵入を阻止。
    また、左右だけではなく、ロドリをはじとした絶対的な安定感のある中盤3枚で試合を支配。中盤3枚がフランス3枚と噛み合う形。最終局面では、CB ラポルトの活躍が光る。
    その他の大局的な面以外でも、フランスのプレッシングに対してのボールコントロールの所作のクオリティの高さも随一。

  • 【フランス】非保持4-1-4-1 保持2-3-5
    スペインの両ウイングに対し、こちらも圧倒的なクオリティをもつウイングを擁している。スペインは2人がかりで抑えにいくが、それでもサイドからウイングを起点にチャンスメイクしていく。試合の序盤はスペインもフランスもサイドからの応酬でスタート。

  • 【フランス 先制 0-1】9分、比較的早く試合が動く。デンベレが右サイドから展開。同サイドで圧縮するスペインに対し、左サイドでフリーのエムバペでロングパス。エムバペは相手と相対しながらゆっくりとボックス内に持ち運び、ファーサイドへ柔らかいクロスを供給。コロ・ムアニが頭で押し込み、幸先良く先制に成功。

  • 【スペイン】ヤマルは左サイドにはるというよりかは、中に入ってくる動きで中央の流動性が高まり、フランスを揺さぶっていく。
    中盤では、ロドリがやはり徹底して警戒されてマークを受ける。そこをナチョ、ラポルトがカバーしたり自ら持ち運ぶ働きをみせる。とはいえ徹底した警戒の中も仕事をするロドリはさすが。試合後にバロンドール論争が起きるだけあります。

  • 【スペイン 同点 1-1】21分、相手ボックス手前でボールを収めたヤマルがステップで対峙するDFをずらしその間から、左足でミドルシュート。美しい弧を描いた綺麗な一撃は左ポストを叩いてネットへ入り同点に追いつく。EURO史上最年少のゴールとなった。

  • 【スペイン 逆転 2-1】25分、左SBバナスのクロスはフランスがヘディングでクリア。そのこぼれ球をダニ・オルモが拾い、絶妙なタッチで相手DFをかわし右足で強烈なシュート。スペイン同点に追いついたあと、すぐに逆転に成功する。

  • 【スペイン】こうなると試合はスペインのペース。フランスも果敢にプレッシングにいくが、スペインの組織的なボール保持、そして個のボールコントロールからなかなかミスは発生しない。中央がかみあっている中で、特にバックスのラポルトが存在感を発揮し、自分で持ち上がるなどの動きも。(欧州から離れてもこのクオリティとは流石)

試合の展開:後半

  • 【フランス】後半は序盤からフランスが攻勢を強め、高い位置からのボール奪取に挑んでいく。スペインは58分にナバスを下げてダニエル・ビビアンを投入し、ナチョ・フェルナンデスを右SBへ移す。

  • 【フランス】攻勢に出てはいるもののなかなか打開できないフランスは、62分にエドゥアルド・カマヴィンガ、アントワーヌ・グリーズマン、ブラッドリー・バルコラを投入し、エンバペを最前線へ。様々な工夫で打開を計るがスペインのゴールをこじ開けるには至らず。

  • 【スペイン】スペインはボールを保持しながらペースを落としていく試合運びでうまく時間をつかっていく。

所感

フランスは逆転されたあとに攻勢を強めたものの、スペインの試合運びが上回り、スペインが決勝進出となりました。準々決勝のドイツvsスペイン戦での消耗もある中、スペインの個々のクオリティはもちろん、組織としての完成度の高さが光る一戦でした。はたしてオランダvsイングランドの勝者はこの新時代の無敵艦隊ともいえるスペインにどう挑むのでしょうか。
あと

スタッツ

選手評価


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?