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【悩み】エッセイを書きたいのに書けなかったので書けないことを書いた

 去年の春あたりから「エッセイを書きたい」という願望がうっすら浮かび上がってきた。理由は複数ある。不労所得(この場合は印税)が欲しい、自分の考えたことや思い出を残したい、とりあえずなにか猛烈に書きたい、1億人のうち1人くらいのファンが欲しい。まだ沢山あるが、これ以上書くと邪な動機しか出てこないのでこのあたりで止めておく。
 そうとなれば、まず書き方を調べねばならない。早速インターネットで「面白いエッセイ 書き方」と検索をかけ、近所の図書館へと走り、エッセイの書き方の本を3冊ほど棚から抜き出した。椅子に座ってページをめくる。「起承転結の考え方」「オチのつけ方」などのテクニックにふんふんと頷いているうちに、だんだん「文章をスラスラと書く自分の想像」自体が楽しくなってきた。最初の3冊を読み終えた私は、そのまま調子に乗ってジャンルを広げ、文章の書き方、児童文学作家のなり方、ショートショートの書き方、ついには俳句の作り方にまで手を出した。机の上に積まれた本は半日で読みきれる量ではなかったので、10冊ほど借りて家に持ち帰って丸3日かけて読んだ。
 当初の目的から大分それた本まで読んでしまったが、インプットはこのくらいで十分だろう。ハウツー本を読んで満足した私は、高いモチベーションを保ったまま原稿用紙に向かった。
しかし、まるっきり、一文字も書けなかった。
そもそも書きたいテーマがあるわけではない。独自の視点もない。尖った感性を持っているわけでもない。人が驚くような珍しい体験をしたわけでもない。専門的な知識もない。ただ、「なんか書いて『面白いね』って言われたい」という気持ちがあるだけなのだ。
白紙の原稿用紙に向かってから6時間後、書けない日もあるさ、とお気楽に考えて原稿用紙をしまい、一週間後に再び机に向かった。
しかし、やはり一文字も浮かんでこなかった。
苦し紛れに「エッセイが書けない」という内容で書こうと試みたものの、書き出すことができない。(ちなみに阿佐ヶ谷姉妹の姉役・江里子さんはこの方法で一本エッセイを書いている。「エッセイが書けない」とマネージャーに喫茶店で相談するシーンは、追い詰められた精神状態がこちらにまで伝わってきて思わず涙がにじんだ。)
 書くネタが見つからず困惑した私に、内なる己が囁いた。「もう、この経緯を書いちゃえばいいじゃないか」と。そういうわけで、我欲に塗れた人間の醜態を晒しただけの文章をここに残すことにした。これ以上続きが書けそうにないので、一旦ここで筆を置くことにする。


ここまで読んでくださってありがとうございました。
もし、「こういうネタ書きやすいよ!」とか、「お前の文章ここがイケてない」などのアドバイス、感想がありましたらコメントをください。

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