自分自身についてではなく、世界や人物について書く─ミラン・クンデラ
最近よく思うのは、本の書評や感想ってなかなか難しいものがある、ということ。
僕は、他人の感想を見るのが好きで、自分の気が付かない視点から深く掘り下げられていると面白いな、と思って読む。
そうしたものは、書き手の教養的なバックボーンも反映され、特に、須賀敦子さんの書評やエッセイは目を見張るものがある。
体系付けられた確かな知識と豊かな経験、世界観の奥行きは、ヨーロッパ各国での留学と生活、そこでのひととの知的交流、そして彼女の場合、クリスチャンとしての信仰心からくるであろう芯の