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『わたしが「わたし」を助けに行こう ―自分を救う心理学―」橋本翔太

概要

「わたしが『わたし』を助けに行こう 自分を救う心理学」は、心の悩みや生きづらさを抱える人に向けた心理学の本です。著者の橋本翔太さんは、自分自身を責めることなく、より生きやすくなるための方法を提案しています。本書は、心の中にいる「ナイトくん」というキャラクターを通じて、私たちが抱える問題の原因を解き明かします。ナイトくんは、私たちが幼少期から持つ心の防衛機能であり、その行動が時に不器用で極端なため、私たちを守るつもりがかえって問題を引き起こしてしまうこともあります。本書では、ナイトくんとの対話を通じて心の問題を解決する具体的なステップを紹介し、心の負担を軽減する方法を提供します。

本のジャンル

心理学、メンタル・マインドフルネス、自己啓発

要約

「わたしが『わたし』を助けに行こう 自分を救う心理学」では、現代社会における生きづらさや心の悩みに焦点を当てています。著者の橋本翔太さんは、私たちが自分を責める原因や心の問題について解説し、それを乗り越えるための具体的な方法を提示します。

本書の中心的な考え方は「ナイトくん」という存在です。ナイトくんは、私たちの心の中にいる守護者のような存在であり、幼い頃から私たちの心を守るために生まれました。しかし、その守り方が不器用で極端なため、結果的に人間関係や自己評価に問題を引き起こすことがあります。

例えば、過去に他人から傷つけられた経験がトラウマとなり、ナイトくんが「再び傷つかないように」と他人を避ける行動を取らせてしまうことで、社会生活や人間関係に支障をきたすことがあります。また、部屋の片付けができない、忙しさを理由に挑戦を避けるといった行動も、ナイトくんが私たちを不安から守るために行っていることだと説明されます。

本書は、ナイトくんと「対話する」ことで心の問題を解決する方法を紹介しています。その方法は7つのステップから成り立っており、最初はナイトくんを認識することから始め、次にナイトくんに名前を付けて、彼と対話をします。対話の中で、ナイトくんがなぜその行動をしているのか、どのような心の傷を守ろうとしているのかを探ることで、心の問題を徐々に解きほぐしていくことが可能です。

具体的なステップでは、まず自分の中のナイトくんを見つけることから始めます。その後、ナイトくんに名前をつけ、対話を通して彼のミッションや目的を理解します。例えば、怒りや不安を感じたときに、ナイトくんが何を守ろうとしているのかを明らかにすることで、私たちは心の問題の根本に気付くことができます。そして、ナイトくんに感謝し、彼が孤独でないことや、自分が成長して大人になったことを伝えることで、ナイトくんの防衛反応を和らげることができます。

また、ナイトくんに対して「これからも一緒にいよう」と伝えることで、彼の存在を否定することなく、心の防衛を緩める方向へと導きます。対話を続けることで、ナイトくんが持つ不器用さや極端さが徐々に和らぎ、心の重荷を軽くしていくことができるのです。本書には、ナイトくんとの対話の実例も多数紹介されており、読者が自身の問題に対して具体的なアプローチを取るための参考になります。

感想とまとめ

「わたしが『わたし』を助けに行こう 自分を救う心理学」は、心の悩みを抱える全ての人にとって有益な一冊です。「ナイトくん」というキャラクターを通して、自分の悩みや問題を新しい視点で捉え直すことができ、その不器用さをも受け入れることができるでしょう。本書は、心理学や自己啓発に関心がある人だけでなく、「生きづらさ」を感じているすべての人にとって価値のある内容です。

心の中にいるもう一人の自分と向き合うことで、今まで見過ごしていた自分の本音に気づくことができるでしょう。小さな成功体験を積み重ねることで、自分自身の成長を感じることができ、日常生活におけるモチベーションアップにつながります。

もし今、少しでも心が重いと感じているなら、ぜひこの本を手に取ってみてください。新たな自分との出会いが、これからの人生をより豊かにし、あなたの心を軽くしてくれるはずです。

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