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『55歳からでも失敗しない保険のルール』五十嵐修平さん、山越健司

概要

『55歳からでも失敗しない保険のルール』は、50代以降の人々が直面する老後の資金不安や保険の見直しについて解説した一冊です。子どもの教育費、住宅ローン、親の介護費用などが重なるこの世代は、将来の備えとして保険を重要視する傾向にあります。しかし、本書は「保険は保障の手段であり、資産運用の手段ではない」という考え方を基に、保険の本質を明らかにします。不要な保険を解約し、余剰資金を投資信託やNISA、iDeCoなどの金融商品に回すことで、効率的な資産形成を目指す方法を提案。初心者でも実践できるよう具体的なステップやケーススタディも含まれています。「保険と運用のベストバランス」を理解し、老後のお金の不安を軽減するヒントが満載の一冊です。

本のジャンル

自己啓発、投資・マネー、ライフスタイル

要約

第1章 保険の本質を理解する

本書は、保険に関する誤解を解くことから始まります。多くの人が「掛け捨て型保険は損」という印象を持っていますが、著者は「保険の目的は保障であり、資産形成ではない」と指摘します。

掛け捨て型 vs. 貯蓄型の違い
掛け捨て型保険は、最低限の保障を低コストで得ることができ、余剰資金を他の運用に回せます。一方、貯蓄型保険は貯蓄機能を持ちますが、運用効率が低く、長期的には資産を増やす効果が薄い場合が多いです。

保険営業の現実
保険募集人は多くの場合、完全成果報酬制で働いています。そのため、顧客にとって最適な商品を提案するよりも、販売実績を重視した提案がなされることが少なくありません。また、離職率が高いため、担当者が途中で交代するケースもあり、継続的なフォローが難しい実態も解説されています。

行動経済学の視点で保険を選ぶ
行動経済学を活用すると、「本当に必要な保障は何か」を見極めやすくなります。たとえば、「安心したいから」という理由だけで過剰な保険に加入するのではなく、ライフステージに応じた必要最小限の保障を選択すべきです。

第2章 老後不安の原因と解決策

老後の資金不安を解消するためには、保険だけに頼らず、資産運用の基礎を理解することが重要です。

投機・ギャンブル・投資の違い
著者は、投機(リスクの高い短期的な利益追求)、ギャンブル(運任せ)、投資(長期的な資産形成)の違いを明確に区別しています。特に、老後資金を増やすには、リスクを分散しながら長期的な視点で運用する「投資」が必要です。

コア投資とサテライト投資
著者は、資産運用においてコア投資を中心に据えるべきだと主張します。コア投資は、株式や債券を中長期で保有することで安定的に資産を増やす方法。一方、サテライト投資は短期的な利益を狙うもので、リスクが高いため、資産全体の一部に留めるべきです。

公的保険と民間保険の使い分け
国民年金や厚生年金などの公的保険制度を理解し、それを補完する形で民間保険を利用することで、無駄のない保険設計が可能になります。

第3章 お金の置き場所と運用方法

お金を効率的に増やすには、適切な「置き場所」を選ぶことが重要です。

ゴールベース運用の重要性
資産運用の第一歩は、自分の人生の目標を明確にすることです。たとえば、「65歳までに2000万円の老後資金を準備する」といった具体的な目標を設定し、それに基づいて資産運用の計画を立てます。

NISAとiDeCoの活用
• NISA
非課税で投資でき、自由に引き出せるため流動性が高い。短期的な資金にも適しています。
• iDeCo
老後資金を目的とした非課税制度で、節税効果も期待できます。

これらの制度を活用することで、税金の負担を減らしながら資産を増やすことができます。

定期的な見直しの必要性
資産運用は一度計画を立てたら終わりではありません。家族構成や健康状態の変化に応じて、目標や運用方法を見直すことが必要です。著者は、「運用のブレを防ぐためにも定期的なチェックが重要」と述べています。

第4章 保険で失敗しないためのケーススタディ

本書には、実際の事例を基にした具体的なアドバイスも充実しています。

ケース1: 子どもの教育費と老後資金の両立
三人の子どもの教育資金を確保しつつ、夫婦の老後資金も準備する方法を解説。過剰な保険を見直し、余剰資金を投資信託に回すことで、両立を実現しています。

ケース2: 保険契約時の担当者不在への対応
保険契約時に担当者が交代した場合の不安を解消するため、保険以外の資産運用手段を取り入れるアプローチを紹介しています。

ケース3: 保険契約の整理と資産運用の基礎
収入が増えるたびに契約を追加してきた保険を整理し、本当に必要な保障だけを残す方法を提案。余剰資金をNISAで運用する具体例を示しています。

まとめと感想

『55歳からでも失敗しない保険のルール』は、50代以上の方にとって現実的で具体的なアドバイスが詰まった一冊です。保険と資産運用の違いを明確にし、どのようにお金を効率よく使うべきかが分かりやすく解説されています。特に、ゴールベース運用という考え方は、資産運用初心者にも取り組みやすく、老後資金の不安を和らげる手助けとなるでしょう。

本書を読むことで、保険や資産運用の基本を学び、将来の備えに向けた具体的な行動が取れるようになります。ネット上の口コミでも高評価が多く、専門知識がなくても分かりやすい内容が評価されています。ぜひ、これからの人生設計の参考にしてみてください。

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