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「復活の是非」と「朝までウイスキー」

↑の記事、面白いです。ただ「このテーマでいちばん取り上げないといけない作品に触れていないのでは?」と感じました。

私と同世代の方ならピンと来たでしょう。↓です。

ジャンプコミックス全34巻。名作です。

この最初のシリーズだけでも、3回死んで3回蘇ったキャラクターが複数存在します(正しくは死んでいなかった)。なかには千度の高熱を誇る硫黄泉へ頭から突っ込んだ人もいました。

しかも、いかに一命を取り留めたかを「中国○千年の医術」とか「手術は困難を極めた」で片付けてしまう。そもそも即死でしょという人が少なくなかったのに。

ただ面白いもので、連載当時は何となくわかっていました。「こいつは戻ってくる」「こいつは本当に死んだ」と。男爵ディーノは残念だけどムリそう、でも飛燕は大丈夫だろうなど。

荒唐無稽な要素もありつつ、一線はギリギリ守っていた印象です。だからギャグ漫画と捉える風潮は、少なくとも私の周りにはなかった。世代によると思いますが、小学生だった私や同級生はシリアスなバトルものと解釈し、毎週ハラハラしながら読んでいました。有名な「民明書房」(作中に参考文献として引用された本を出している架空の出版社)も信じていたし。

ただ、続編になるとやり過ぎというか「その人を復活させるのは違うだろう」「だったら死なせないで」みたいなケースが目立ってきて、いつしか離れてしまいました。

北方謙三さんは「水滸伝」全19巻を書き進めるなかで、キャラクターが彼の意図を越えて動き、死んでしまうことを何度も経験したそうです。その際はウイスキーの封を開け、朝までに空にすることもあったとか。

死んだら復活しない。だからこそ力の限り生き、いまを存分に楽しむ。そういう自分でいようと改めて決めました。やっていきます。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!