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「いまを全力疾走」から「自分の未来のため」へ

阪神タイガースの高橋遥人(はると)投手、ご存知ですか?

新日本プロレスの棚橋弘至選手とは違った意味で、この人も「逸材」だと確信しています。

知らない方は、ぜひ↓を。1分に満たない動画ですが、言わんとすることは十分伝わるはず。

曲がりの大きいスライダーは、かつて「死神の鎌」と呼ばれた中日ドラゴンズ・岩瀬仁紀さんのそれを彷彿とさせます。故障が多くてなかなか活躍できない点では、東京ヤクルトスワローズで一世を風靡した伊藤智仁さんに近い。そういえば彼の高速スライダーも明らかに別次元でした。

日本シリーズをTVerで観戦した際、実況の人がオリックス・バファローズの山本由伸投手はスライダーを投げられるけどほとんど投げないみたいな話をしていました。やはり肘への負担が大きいのでしょうか? ムーンサルト・プレスを多用するプロレスラーが概ね膝を痛めるように。

一方、伊藤さんのスライダーについては、多くの関係者が「故障のリスクは高いけど、だからこそあれだけの球を投げられる」と語っていた記憶があります。

ペース配分を度外視し、身体が壊れるまでいまを全力で駆け抜ける。28歳で亡くなったロックスターのように。それもひとつの美学です。ジミヘンやジム・モリソンのファンなので、そういう生き方に憧れた時期もありました。

ただ井上雄彦「バガボンド」における宮本武蔵のように、どこかのタイミングで刹那的なスタイルから降りる勇気も人生には必要かもしれない。決して最初から避けることを推奨するのではなく。

もし高橋投手が今後ピッチングの組み立てを変えたとしても、私は逃げたとは思いません。「いまを全力疾走する」覚悟は十分見せてもらいました。これからはいい意味で「自分の未来のため」に投げてほしい。

一軍へ戻ってくる日を楽しみにしています。

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