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G1クライマックス30のまとめ

<ベストバウト>

決勝まで見たけど揺るぎませんでした。数日前にも書きましたが、私的バストバウトはAブロック公式戦の飯伏幸太vs鈴木みのる。すごかった。ちなみに決勝の飯伏vsSANADAは「いい試合」でした。SANADAはここが最後の壁でしょう。何が足りなかったのかを考えて欲しい。フィニッシュへの技の組み立て(ラウンディング・ボディプレスの狙い方が雑になっている)やコスチュームの是非(トップに立つまではイメージカラーをコロコロ変えない方がいい)、あとは本当のカッコよさとは何かとか。

普段ほとんど当たることのない、いわばストーリー性の薄いカードで魅せるという意味では2017年決勝の内藤vsケニーと重なりました。純粋な面白さでは内藤vsケニーの軽やかな攻防の方がずっと上でした。でも日本のプロレスならではの「闘い」の重さを見せるという点では飯伏vsSANADAが優っていたかな。

<MVP>

YOSHI-HASHIでしょう。全ての試合が面白くて熱かったし、次への期待を抱かせてくれました。ちなみに次点は意外かもしれませんがEVILです。ヒールとしてはいい仕事をしていました。決勝へ行けなかったことも含めて。

<オスプレイ>

105キロのヘビー級戦士になり、これからというときにCHAOSを離れ、新ユニット「ジ・エンパイア」を起ち上げたウィル・オスプレイ。
欠場中のあの選手がメンバーに加わりそうな予感があります。カナダ人だけど英国をずっと主戦場にしていたエル・ファンタズモもあるいは。マーティ・スカルはまだROHにいるんでしたっけ? 

あとビー・プレストリーを乱入要員で使うのはもったいない気がします。スターダムとコラボしての男女混合タッグマッチならありかな。ドームで実現するかも。オスプレイのパートナーを務めるグレート・O・カーンに関しては、凱旋当時のEVILと内藤がIWGPを初戴冠した際のSANADAを併せたような立ち位置。これももったいないと言えばもったいないですが、石井や鷹木とのシングルで真価を発揮するでしょう。いや、そのまえにSHOがいたか。ヘビー転向後の最初のライバルになるかも。

<バレットクラブ>

内藤vsEVIL、またやりそうですな。7月から数えて4回目。まあ内藤が負けることは考えにくいのですが、明らかに新日本がEVILを推しているので、たぶん神宮みたいな形では負けないでしょう。ジェイ・ホワイトが絡んでくるかも。分裂ではなくジェイが追放されるか、自ら出ていく予感がします。ジェイは飯伏とやるみたいだけど、その試合を通じて彼の中で何かが変わるのかもしれません。

あと気になるのは裕二郎。G1では現状のコンディションにおける精一杯を見せてくれたと思っています。ムーンサルトやぶっこ抜きジャーマンはもうできないかもしれないけど、できることを一生懸命やっていたのが伝わりました。彼みたいなポジションのサラリーマンってけっこういると思うんですよね。一時期は本気でトップを目指していたけど、いまは欲がないというか「俺はこれでいい」「仕事だけが人生じゃない」と。トップには到底及ばないけど長いキャリアで培った経験や技術、対応力はそれなりに備えていて、「俺はこんなもんじゃない」「昔はすごかったんだぞ」というささやかな矜持を密かに胸に秘めている。そこにフォーカスしたら、一気に大ブレークするかもしれません。

最終戦のタッグマッチ、内藤との絡みをジェイに邪魔されたときに一瞬嫌そうな表情を浮かべた気がしたんです。仕事じゃなくて素が出てしまったような。外国人勢が戻ってきたら元の平和なポジションに戻るのでしょうが、もう少しトップ戦線で抗う彼を見たいです。できれば内藤とのシングルを。私にも圧倒的に差を付けられた大学の同期とか後輩がいくらでもいます。矛盾しているかもしれないけど、絶対勝てないくせに負けているとも思っていない。裕二郎も同じじゃないのかなと勝手に妄想しています。そういう部分を闘いの中でどんどん吐き出して欲しいです。これ、マジ。


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