見出し画像

ふと食べたくなるんだ,ねるねるねるね

28という歳になっても中々お菓子がやめられない.
でも,きっと私と同じような人は他にもいる.
喫煙者にとってのタバコと一緒で,なんとなく口寂しいんだろう.

***

ポテチ,チョコレート,ラムネ,スルメなど,思い思いのお菓子をカゴに入れるのだけれど,その中で異色を放っているのがねるねるねるねである.
ねるねるねるねとは,2種類の粉と水を混ぜることでムクムクとした不思議な物体ができる知育菓子である.

私が小学生のころは,今みたいに知育菓子はあまりなく,実験を家でできるねるねるねるねは子供ながらにワクワクしたものである.今もふと手に取ってしまうのだが,作っている途中,母方の祖母の家でのことを思い出すのだ.

私は関東に住んでおり,祖母は九州に住んでいた.そのため,会えるのは夏休みと冬休みの年2回であった.久しぶりに会えたし,一緒におでかけしたいとちびっこ真っ盛りの私は思うのだけれど,祖母が膝が良くなかったとかであまり出かけるタイプではなかった.だから家とスーパーの往復が,私にとって祖母との大事なおでかけだった.

それで私はここぞとばかりにお菓子をねだって,買ってもらうのがねるねるねるね.当時は小さかったから要領も悪く,作るだけで大騒ぎ.台所で作るのを済ませるという発想がなくて,容器ギリギリまでいれた水を机まで運んで騒ぎ,袋開けたら粉が舞ってで騒いでいた.

もう亡くなって5年になりますね.
今では孫は少量の水だけを用意して,小さいスペースでも粛々と作れるようになりましたよ.たまに粉が舞ってしまい,PCの心配をするときもあるけれどね.

***

食べ物と思い出がリンクしていることは多々ある.

家族ドライブで酔わないようにブルーベリー味の板ガム買ったなとか,
寄り道禁止なのに,揚げ物や寄ってささみチーズカツ食べたなとか,
受験時期によくホワイトチョコ食べてたな,とかね.

久しぶりに食べて,その当時に思いを馳せるのだ.
楽しかったな,若かったな,頑張ってたな.
実際の味ではなく,思い出ありきの味だから想像してたのとちょっと違う.
でもそれもご愛嬌なのである.

そういえば,前に見たドラマでこんなセリフがあった.

大切な思い出って,支えになるし,お守りになるし,居場所になる.

ドラマ「anone」 カノン

きっとこれからも,
食べ物を通して,思い出が私を守ってくれることだろう.

この記事が参加している募集

サポートしていただければちょっと嬉しくなります. うそです.大分嬉しくなります.