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コラム街

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ここはコラムしかない場所、「コラム街」。 コラムコラムコラム……どこを見てもコラムしかありません。なぜでしょう?  企画力をみがく講座「企画でメシを食っていく」で、 受講生…
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2019年4月の記事一覧

SUPER WOMAN

2月から今まで、余裕のない日々を過ごしている。 仕事がゾンビのように増え続け、3月には過去最高の残業時間を叩き出した。断れない納期、確認したのに覆される仕様、社内ミスによる手戻り…。私は考えるのをやめた。『仕事だから』と心を閉じれば辛くない。イライラしながら働く自分に嫌気がさす。 さらに、私は米国出張を命じられていた。もう余裕など一切ない。仕事とアメリカへの漠然とした不安に襲われる、ギリギリの毎日。 最高に追い込まれた状態の私に、失いかけていた心を思い出させてくれたアメリ

運転士って

1830年9月15日、イギリスはパークサイド駅。 「絶対に降りないでください!」 案内係がアナウンスを繰り返しているにもかかわらず、線路に降りちゃったヤンチャ系国会議員、ウィリアム·ハスキソン。 彼がロケット号に引かれたのは鉄道の父、ジョージ·スチーブンソンが作り上げた世界初の営業鉄道、マンチェスター·リバプール鉄道開業記念式典の真っ最中でした。 世界初の鉄道人身事故は、世界初の鉄道が開業したその日に起こったのです。 鉄道の歴史は、事故との戦いでした。 列車の衝突を

#勝手にブレスト 第3回

どうも、🐣ひよっこプランナー🐣です。 今回も #勝手にブレスト で、世の中の企画をいじくり遊んでいきます~ 先日、ある海外の販促キャンペーンが話題になった。バーガーキングがARの技術を活用し、競合他社の広告にスマホをかざすと、他社の広告が燃え上がるアプリを開発した。燃え上がった後には、自社の看板商品の無料クーポンが手に入るというものである。バーガーキングは広告メッセージで競合他社にケンカを売ることで有名なブランドではあるが、まさか消費者を共犯者に仕立て上げる施策は今までにな

先入観というスパイスを最後にかけるか、かけないか。

おいしいカニやウニを食べながら、ときどき人は勇敢な先人たちを褒め称える。 「最初にこれを食べた人ってすごいよね。こんなグロテスクな見た目なのに」と。 本当に、とわたしは何度だって感心し、貪欲な先祖に感謝する。   赤く茹で上がったズワイガニを見て、「わぁ!おいしそう!」と思うのは、食べたことがあり、おいしいことを知っているから。 「おいしそう」という感覚は、自分の経験から立ち上るものなのだ。 だから逆もあり得る。 嫌いな食べ物は、見るからにおいしくなさそうだと感じる。 食事

夢は見るもの作るもの

電車の運転士だけど、プライベートは基本車の運転しかしない電父ひろたです。 電車と車、やっぱり運転するにも違いはあります。 電車はアクセルとブレーキしかなかったり、交差点がないので基本的に青信号オンリーだったり。そういう意味では、運転の仕方は車よりも電車の方が単純かもしれません。 それでも電車を運転しているときにしか味わえないという点も、もちろんあります。 それは小さな観客の存在です。ホームで、沿線で、はたまた跨線橋の上から。 小さな体を精一杯動かして、大きな呼び声と共に

あなたが座っているテーブルには値段が付いている

みなさんは、レストランなどのお店で、席についた時に、「このテーブルでいったい、今晩、いくら稼ぎたかったんだろう?」と考えてみたことはありますか?今日は、あなたの気配り次第で、座っているテーブルの値段より価値の高いものにできるというお話です。 例えば、混雑の中、おもいがけず二人で四人席を占領することになったら?あなたは、どうしますか? どのお店にも、出来れば一人当たりこのくらいのお金を使って欲しい。そう思って、メニューと価格を考えます。つまり、客単価を考えます。でも、実は、

まなざし

東京の雑居ビルの階段から、かすかにに見える富士山。 建物が今ほど多くなかった頃は、その姿はもっとはっきりと見えたかもしれない。 今も昔も存在する場所は変わらないのに同じ位置から見ている風景は確実に違う。 見ている位置や状況が変わるだけで同じものを見ているのに体験に違いがでてくる。 高いところに上ったり、低いところを覗き込んでみたり、 物理的な位置を変えてみるだけでも発見がある。 また、物理的だけではなく、 自分の心情などの内面の状態によっても見え方が変わってくる。 この

第三回「ダンスって本当はどこにあるの?」

映画館に行けば映画が見れる。 というように、ダンスは◯◯に行けば見れるということが知られていないんだなぁと思う。確かに、「渋谷 映画」と調べれば今から5分後に上映される映画館がサジェストされるのと違って、どうやって調べたらいいかさえ初心者にはとんと見当がつかない。 バーや競馬のように、はじめは誰かに連れられてというのが多いというのも頷ける。 「ダンスは劇場に行けば見れる」 なんてことをここに書くつもりはない。 日本以外の土地で聞いてみたらなんて返ってくるのだろうか。そ

はじめての〇〇! 東京引越し編

このコラムは、僕の初体験を文字と絵で説明し、皆さまの初体験のハードルを下げようという企画である。今回は僕が東京で初の引越しを決めた行程を紹介する。 きっかけ! 上京して9年、大田区蒲田に住み続けた。充実した立ち飲み屋には大満足だったが、通勤に50分を要する。楽でない仕事を終えたことを転機に、年始の引越しを決めた。流れを変えたかったのである。 行け! 目的が通勤時間の短縮なので、会社周辺の駅に狙いを絞る。人気エリアのため家賃が心配だったが、ネットで探すのも面倒だった僕は、と

「広告目線な日本ステキ発見!」#3 - ブルドッグとヒョウ柄とおしゃれの街 -

今回は、徳島県を旅しました 4月。「平成」の時代が終わり、「令和」というお上品な名前の時代になって早半日。今年、来年はビックイベントが続きそうだ。そんな中で私も新しいことを試そうとおもい、人生で初めて四国に降りたった。 場所は、徳島県。徳島県といっても、阿波踊りやすだちぐらいしか有名なものはない。あとは、鳴門海峡の渦潮も有名だ。実際に見た渦潮はちゃんと渦巻いていて神秘的だった。 そんな徳島市で思わず二度見したのは、こんなインパクトのある絵が書かれた民家。 圧倒的ブルド

年表を眺めながら#3「突き放す笑い」

2003現在のぼくを知っている人にはことごとく驚かれる話だが、ぼくは20代だった2003年から1年ちょっとの間、お笑いをやっていた時期があった。きっかけは本屋で見つけた雑誌『Cut』だ。松本人志の「ひとりごっつ」が特集だった。後半のモノクロページを眺めていると、そこにお笑い学校一期生の広告が出ていた。学校はなんでも一期生が1番良い。ダウンタウンが吉本NSCの一期生だということからそんな考えを持っていたぼくは、いつにない行動力でこれに申し込んだ。 1995『ダウンタウンのごっ

女の選択 女のノルマ

10代での結婚は早すぎると咎められ 20代になると毎年結婚を迫られる 30代では子どもを3人は産めと迫られて 50代になると親の介護を押し付けられる 家事や子育て、親の介護は女の仕事。 女性の社会進出が進めど 時代はまだまだ、 この呪いのノルマに縛られている。 私ももうすぐ30歳になる。 おばあちゃんには会うたびに、『いい人はおらんのか?』と言われて申し訳なさを感じている。この罪悪感はなんだ。 今の私には、はっきり言って結婚願望が皆無だ。でも幼き頃には24歳で結婚するもの

本の顔をつくる(小説編集者の「先生には言えない話」③)

編集者にとって、書店は戦場だ。 数多くの本の中から、担当作を選んでもらわないといけない。 なにしろ大型書店になると1店舗の蔵書数は100万冊にも及ぶ。 だから第一印象となる表紙を作る仕事は重要なのである。 ちなみに、最近表紙買いした本はこちらです。 どれも素敵……! 本の顔となる表紙だが、デザイナー、イラストレーターまたは写真家を誰にお願いするかを考えるのは編集者だ。 そして作家と相談しながら、具体的にどんな表紙にするかも決める。つまりアートディレクションもできる。

お腹が空いた、、でも食べたいものが浮かばないときは「猿工房」第三回

大きい仕事に限ってタイミングが被ったりして、いつも以上にバタバタしたりする。 今は同じタイミングでリリース&短納期の案件が2件ある。 そういうのって誰しもあると思う。 あっという間に一日は過ぎ、すっかり冴えて、頭が「お腹が空いた」と言っている。 しかし身体は疲れているため、自炊する元気は全然ないし(作るものを考えて、スーパーに寄って、作って、食べるという一連の流れが限りなく大変だ)、食べることが大好きな私は「お腹が空いた、何か食べたい」と強く思うときにスーパーの出来合い