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一読の夢~短編小説集~

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ジャンル問わず、全短編をまとめたものです。 更新は不定期。小説を読みたい方はぜひ読んでみてください。
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#短編

ロールド・オムレット・ストラータ(第3話)

■前回までの話はこちら■本編 父の七回忌で故郷に帰った。僕が今暮らしている町よりもずっと…

水瀬 文祐
51分前
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ロールド・オムレット・ストラータ(第2話)

■前回の話はこちら■本編 ここに一枚のコインがある。  見慣れないコインだって?  それは…

87

白い街路(かげみぼう第2話)

■前回の話はこちら■本編 砂川とは彼女の郷里で落ち合うことになった。  日光駅前からバス…

90

かげみぼう(第1話)

 ばさり、と私の意識と一緒に本が落ちた。  下降する感覚。それでいて意識が浮かび上がって…

132

四姉妹の話~青(ブルー)~

■他の姉妹の話はこちら■本編 大陸東端の地よりさらに東の果てにある島――イルダリア。そこ…

水瀬 文祐
10日前
96

スタードライバー(第3話)

■これまでの話はこちら■本編 正気ですか、とマリー皇女は整備が完了したスターリースカイ号…

水瀬 文祐
11日前
104

スタードライバー(第2話)

■前回の話はこちら■本編「これからどうするのです」  皇女のマリーは沼地に半分埋まったスターリースカイ号を呆然と眺めながら、誰にともなくそう呟いた。まあ、聞くのは僕しかいないのだが。  エンジンストップ、ハンドル制御も効かない、そんな劣悪な操縦環境の中、よくこの沼地に無事に(?)不時着させたもんだ、と我ながらその手腕にほれぼれとする。いや、ほれぼれとさせてくれ。そうでもないと、沼地に車体の半分を埋めた愛車の無残な姿を直視せざるを得ないのだ。  電子のマリーによる一瞬のエンジン

菩提樹の下で

 胃潰瘍で数日間入院することになった。  胃の痛みなどはほとんどなく、自覚症状としては胃…

水瀬 文祐
2週間前
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スタードライバー(第1話)

■あらすじ宇宙を股にかけ、世界と異世界を繋ぐスタードライバーのロクは、ある日異世界の皇女…

水瀬 文祐
2週間前
129

金碧の反逆者(碧天の巫女第2話)

■前回までの話はこちら■本編 大薙刀を携えた巫女チハヤの顔を、篝火の揺らめく炎が淡く照ら…

水瀬 文祐
2週間前
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四姉妹の話~黄(ジョーヌ)~

■別の姉妹の話はこちら■本編 こんな晴れた日は、散歩をするにうってつけですな、と老人は杖…

水瀬 文祐
2週間前
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夢の扉

 雨が降る。音もなく、漂うように。  タケルは傘を差すことも忘れ、駅前のロータリーに立ち…

水瀬 文祐
2週間前
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蟹壺(第3話)

■これまでの話 僕は和室の扉に手をかけ、開けるか、と悩んだ。開けるべきではない、という警…

水瀬 文祐
3週間前
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蟹壺(第2話)

■これまでの話■本編 大学の屋上で、遥か彼方に見える海を眺めながら煙草をふかした。  いまだに紙煙草なんか吸ってるのかよ、と同窓生には馬鹿にされたが、僕はこれでないと吸った気がしない。昔付き合っていた年上の彼女から教えられたハイライト。食後にはこれを吸わなければ気が済まない。  唇を絞って、煙を強く吐き出すが、それは勢いよく前方に吹き出されるものの、あっという間に屋上に吹きすさぶ風に飲み込まれて、右方向になびいて散り散りになり、溶けて消える。  今日はいやに風が強いな、と僕は