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【48歳、独身・医師 在宅介護で親を看取る】を読んで。

50歳が確実に
自分の射程距離に近づいてきています。

そんな中、母親はお陰様で元気でおりますが、
母親のこれからと、自分のこれからは、
頭の片隅にボヤーっとあります。

この業界にいることもあり、
在宅医療の医師雇用状況等も知っているモノとしては
ただ単に、良い先生とご縁があればと思うだけです。

そんな中、とある医師との面談前に
立ち寄った書店でこの本に出会いました。

人とお目にかかる前に、
その土地の書店を見つけては、
足を踏み入れること、
習慣としております。

平積みにされているワケでもなく、
なんとなーく見ていた棚の中に、
2冊だけ並んでいたのが、この本です。

そして、読んでいくうちに、
出会えて良かったという思いが
強くなる本でもありました。

【48歳、独身・医師 在宅介護で親を看取る】
 著者:佐野 徹明 (さのてつあき)Dr
 発行元:幻冬舎メディアコンサルティング

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■ 目次

はじめに
第1章  在宅介護は突然にー
    父の介護で大学院を辞め、実家に戻る
第2章  初めての介護は医師でも大変だったー
    医療の知識と経験だけでは対応できない在宅介護のの現実
第3章  進行する病に緊張で息がつまる日々―
    両親の介護と仕事の両立
第4章  痛みを隠して亡くなった母―
    後悔から見つめ直した父の「看取り」
第5章   必ず訪れるその日のためにー
    「在宅医」として家族に知ってほしいこと
おわりに

■  医師として、家族としての視点

この本に出逢えて良かったと思うのは、
2つあります。

医師として、家族の介護をされた当事者としての視点と
これから、介護に携わる人に対して、
ひとりで抱え込まなくて良いというメッセージと
どういう風に、どういう処に相談をしていけば
ひとりで抱え込まなくても良くなるのか?
という事が書かれています。

医療に携わっている医師でさえ、戸惑うことがあるのであれば
医療に携わっていない人が、介護ということに直面した際には、
それ以上の戸惑いがあるのが、あたりまえ。

色々な感情が湧き出してくるのも、あたりまえ。

だけど、そこで、一人で抱え込まない様に、
どんな手順があるのかを示してくれているのは、
これから介護に関わる可能性がある私としては、とても有難かったです。


■  個人的感想

私の父が体調を崩したのは、
元旦午後でした。

家族全員でおせちを食べ、
お雑煮も食べ、おいしいお酒を頂き
今年の目標なんかを、全員で語り、
今年もみんなで健康に。。
と言っていた矢先、体調を崩し、
3日に自宅で亡くなりました。
 
もともと心臓の手術をしていましたが、
手術後はいたって順調に過ごし、
6年経過した位でした。

父が体調を崩し、
トイレにも立てなくなるほど一気に弱っていく様を見て
驚いたのを覚えています。

ですが、私は20代の頃に、何を思ったのか
ホームヘルパーの資格を取得していたので、
短い間でしたが、父のトイレ介助等が出来たのは
今にして思えば良かったのかなと。

亡くなるとは思っていませんでしたので、
“このまま介護が続いていくのだろうか?”と
 思ってしまったのを覚えています。

わかりませんが、
そんな私の気持ちを察してか、
父は、あっという間に旅立っていってしまいました。

父は最後、涙を流していました。

救急車を呼ぶ
タイミングをもっと早めにすれば良かったのか?
もう16年経過していますが、
考えることはあります。

だからこそ。。という想いが自分の中であり、
きっと、この本を手に取ったんだと思います。
避けては通れない介護の問題。

自分が介護する側になったとき、
こんな医師が家族の在宅医としていてくれれば
色々な感情を抱えていても、
ホッとする瞬間が持てるのではと思いました。

現実をまだ見たくないと思いつつ、
心の準備をしていくのに、読む本としては、
この本をお勧めします。




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医療系人材紹介エージェント。日々、医師や看護師さんとお目にかかり、思うことや、自分がお邪魔して、こちらに人材を紹介したいな~と思う、医療機関さんが募集している人材情報を掲載していきます。あとは、自分の趣味のダイビングのことも書いて参ります。医療系で海好きの人と繋がりたいです。