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開業か転職か M先生

M先生とは
DEPOCで既にご縁を頂いている
Drからの紹介でお目にかかりました。
 
友人Drからのお話では、
”開業するか、転職するか迷っているみたい。。。”
とのこと。
 
では、御本人がどうお考えなのか?
 
その辺りをお聞かせ頂きたく、
ZOOM面談を設定。
 
実際に、画面越しに
お目にかかりました。


■ 50代半ば

M先生。
 
医師免許を取得されてから
30年以上臨床現場で働いてこられました。
 
ベテラン域に達している今も、
月の半分は当直・オンコールの対応をされており、
頭が下がります。
 
M先生、
「30年以上こんな働き方をしてきたけれど、
 昔みたいに、身体に無理が効かなくなっているのを実感している。
 自分のこともそうだけど、家族の介護とかもでてくると思うと、
 働き方を見直そうと思って。」
と胸の内を話して下さいました。
 
ご自身が今までやってきた臨床を続けていくことを考えると、
クリニックを開業した方が良いのか、
それとも転職したほうが良いのか、
悩んでいると。

 
開業か、転職か。
 
M先生だけではなく、
ベテラン域に達した医師の皆さんとお話していると
50代半ば位で、開業か、転職かで
皆さん悩まれていらっしゃいます。
 
さて、M先生はどうされたと思われますか。

■ DEPOCからの提案

M先生とのZOOM面談終了後、
DEPOC内で、M先生の”これから”を
話し合いました。
 
お聞かせ頂いた先生の想いと
先生を取り巻く状況(家族の介護)を考えると、
クリニック開業というのはリスクが大きすぎる。
 
であるならば、
新たな職場で、今よりも働き方をセーブして、
先生の望まれる環境を整えていく方がよいのではないか。
 
私どもDEPOCからは、
現在の職場で、M先生の働き方を変えられないのであれば、
先生の希望に添える職場環境がある医療機関に転職するのが
現時点では最善なのではないか

という提案をさせて頂きました。

 ■  M先生の決断

クリニック開業か、転職か
と悩まれていたM先生ですが、
“転職をする”という決断をされました。

 
私どもから提案した形でしたが、
最終的な決断は、M先生がされました。
 
これとても大事です。

ご自身で納得された決断であれば、
何があろうとも対応していけます。

 
自分が納得していない場合、
自分の想定外のことが起きたとき、
すぐ辞めてしまう医師も見てきました。
 
余談になりますが、
医療系紹介会社エージェントをしていると、
医師なのに、こんなに転職しているの???
という先生も見てきています。
 
そういう先生は、たいてい他人任せです。
 
自分は医師免許持っているから、
今回の転職でうまくいかなくいても、
次の転職先もあるだろうというのが透けて見えます。
 
この先生とお目にかかったのは、
以前の会社でしたが、社内協議した結果
私どもでお手伝いするのをやめました。
 
此方の先生、根無し草みたいに
色々と動かれています。
 
さて、M先生の話に戻ります。
 
M先生の最初のご希望は、
現在の勤務先がある県での
転職をご希望されました。

■  M先生の専門科目

M先生の専門科目は、
厚生労働省が、
医師のなり手を増やしていかなければいけないと
認識している科目です。
 
M先生の勤務先がある県は、
医局派遣等で医師の確保に努めてらっしゃいますが、
なかなか思うとおりにはいっていない。
 
その為、同じ県内での転職は
なかなか厳しいものがありました。
 
働き方を変えたいM先生の想いを
医療機関側にお伝えしても、
医療機関側が置かれている状況が
M先生の想いを受け入れられない。
 
県内でM先生科目がある病院、
クリニックをすべてあたりましたが、
M先生のご希望に添える処はあっても、
M先生としては物足りない。
 
そんな状況があり、
いったん、着地点をどうするのか?の
会議を再度することになりました。
 
いったいM先生は、どうされたいのか?
 
“働き方を変えたいのは変わらない。
現在勤務している医療機関に残る選択肢はない。
そういう臨機応変な対応が出来る処ではない。“
 
であるならば、
転職先の範囲を広げようということになり、
先生のご縁がある場所で新たな探索を開始しました。

 ■  結果。

当初の予定ではなかった地域での
転職を決められました。
 
転職の決め手は、
ご自身がやりたいと思っていることを
医療機関が協力してくれること、
働き方を変えられること。

 
 
医療機関側としては、
法人理事等が新体制になったのと同時に、
今までの通りの取り組みだけではなく、
新しい取り組みをしようと考えていた矢先、
M先生との出会いがあり、
医療機関としてその体制がとれること。
 
WIN―WINの関係を
お互いに見出せたことが
良かったと感じています。
 
医師の転職は、
医師がやりたいと思っていることを
医療機関も対応していきたいと思っているか。
 
ここがとても大切です。
 
医師としては、
新たな環境で自分のやりたい診療・治療をすることで
地域の患者さんにも良い効果がある様にと考えてらっしゃいます。
 
それが医師のモチベーションにも繋がります。
 
そして、医療機関側は、
M先生が入職して下さることで医療の幅が広がり、
結果、地域に還元できたと考えます。
 
転職は合致すれば、
地域の患者さんにとっても、
とても良い相乗効果がおきます。

■  意思確認から入職まで

 
M先生ですが、
紹介会社を使っての転職が
初めてでした。
 
ベテラン域に達している方でもあり、
現在の職場での働き方が凄まじくハードでしたので、
まず、私どもDEPOCとの
意思疎通に時間がかかりました。
 
通常であれば、ススーッと進んでいくやり取りも、
お忙しすぎて、私どもが確認したいことに
返信が来るのが1か月後ということもザラ。
 
M先生のハードな勤務を、
否が応でも垣間見ることが出来ました。
 
1月にお友達Drから紹介を受け、
半年後には、転職を決めた医療機関とのZOOM面談。
 
その後、勤務条件等の詳細を詰めて、
内定が確定したのが、8月。
 
M先生が医局にきちんと退職を告げ、
了承を頂けたのが、翌年の1月。
 
そこから現在勤務している病院での
医局構成等を考え、
派遣先の大学に挨拶等等で、
正式に 入職日が決まったのが、3月末。
 
M先生の場合、
相談頂いてから入職する日までの期間は、
1年半。
 
M先生にとっては
必要な期間だったと思います。

■  最後に

この1年半、
M先生からの確認事項を
丁寧に対応して下さった
医療機関の事務長にも感謝しております。
 
エージェント人生の中でも
時間をかけた転職のお手伝いでした。
 
ご自身だけではなく、
ご家族を巻き込む転職だけに、
1年半の時間は必要なことだったと
今にして思っています。
 
最後にいつも同じ考えになりますが、
医師の数だけ、医師のキャリアがあります。
 
同じ科目・同じ性・同じ年齢でも
ご自身を取り巻く家族や環境次第で、
キャリアは変わってきます。
 
ただ、医師の転職を身近でみてきている
医療系人材紹介エージェントとして云えるのは、
専門科目にまつわる資格については、
ないよりもあった方が良いです。
 
その資格の有無があるかないかで、
勤務条件が変わってきたりします。
 
M先生のようなベテランの先生でも、
医療機関側は、資格の有無を気にしていました。
 
私どもから云えるのは、
ご自身の専門科目にまつわる資格で、
取得できるものがあるならば、
可能であれば取得しておいた方がよろしいです。
 
その辺り、ちょっと心配だな~と思われる方は、
どうぞ、DEPOC梅澤までご相談下さい。
 
 
医師の数だけ、医師のキャリアはあります。
 
以上


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医療系人材紹介エージェント。日々、医師や看護師さんとお目にかかり、思うことや、自分がお邪魔して、こちらに人材を紹介したいな~と思う、医療機関さんが募集している人材情報を掲載していきます。あとは、自分の趣味のダイビングのことも書いて参ります。医療系で海好きの人と繋がりたいです。