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近未来のTOKYO医療に希望はあるか? 医療の安全と安心を保つためにー医療者と都民で「超えるべきハードル」

“コロナ禍で起きた「医療崩壊」は
2040年に「日常の光景」となる!
「いつでも診てもらえる」
―そんな“当たり前”はいつまでの続かない
医療者は、行政は、そして都民は「20年後」に備えて何をすべきかー

書籍:帯から引用

この衝撃的な帯をみると
どんな内容なのだろと
かつて東京都民だった私は気になり、
この本を手に取りました。


著者:TMA近未来医療会議
監修:尾崎治夫(東京都医師会会長)
発行所:株式会社小学館

■    目次

序章  「TMA近未来医療会議」の意義と目的
第1章 「迫り来る危機」を正しく理解する
第2章  2030年に向けた解決策を探る
第3章  未曽有のパンデミックを教訓にする
第4章  医療保険制度の「持続可能性」を高める
終章    医療者と都民で「超えるべきハードル」

■    2040年に「日常の光景」となる「医療崩壊」とは

書籍名よりも、帯に書かれている
“コロナ禍で起きた「医療崩壊」は
2040年に「日常の光景」となる“

この衝撃的な文章の意味が
本を読んでいくと、理解できます。

本書の中で、各章を担当されている先生が
わかりやすい文章で書いて下さっています。

そこを読んで頂くのが一番かと思いますが、
簡単な言い方で此方に書くとするならば、
“患者が病院で診てもらえない状況がくる”
ということが記載されています。

2040年半ばから2060年半ばまで
後期高齢者人口は増えるといわれています。

その為、医療崩壊が来るかもしれない、
ということが淡々とわかりやすく書かれています。

コロナ禍でも、コロナに罹患した方が
入院できない事態がありました。

病院に罹りたくても掛かれない。

そんな状況に陥った記憶は
まだ新しいです。

医療業界の片隅にいるモノとして、
コロナ禍でも患者さんに向き合ってきた
医師や医療者と話していると、
私たちがあたり前だと思っている
【医療】はあたり前ではなく、
彼ら彼女らの医療者としての
高邁な志があるからこそ
ということが理解できます。

そして、これから超高齢化社会になっていく半面
労働者人口は減っていくという現実があります。

現在、医療者として働いている方がも
ある程度の年齢が来れば引退していきます。

2040年・2050年となっていくとき、
超高齢化社会を支えられる医療者の確保ができるのか。

こう考えていくと、
医療は限りある資源であるということが
更に理解できます。


■    医療は限りある資源

この本を読み進めていくと、
医療が直面していることを意識できます。

そして、患者側というか、
患者になる前の私たちが
意識を変えていく必要があると思いました。

日本の医療は、国民皆保険と
病院選択の自由(フリーアクセス)
が特徴
です。

患者が望めば、軽傷・重症等の症状は関係なく
自分の好きな、行きやすいクリニックや
病院を受診することが可能です。

患者が自分のかかりたい医療機関を
決められます。

これが当たり前、普通だと思っていましたが、
イギリスやアメリカをみてみると
制度が違うという大前提がありますが、
どうやらあたり前ではないことを認識できます。

国民皆保険のおかげで、
3割負担で医療を享受できている
“今”がいつまでも続くとは限らない
そんな現実が迫ってきていることが、
この本を読むと理解できます。

医療は限りある資源ということを私たちが理解し、
それに伴った行動をとっていくことが必要です。

■    最後に。

かかりつけ医のことにも
触れたいと思います。

コロナが流行しだしたとき、
特に持病もなく健康である私が感じたのは
私の“かかりつけ医”っていないなということでした。

病気にならないと、
医者にはかからないので、
そもそもかかりつけ医はいないし、
自分がかかりつけ医と思っていて
診療所や医師が思ってない場合もあるなと。

有難いことに、ほぼ健康体なので、
いまだに、普段から相談できる
かかりつけ医はいないと感じています。

その辺りについては、
行政が音頭をとって対応していくのか
医師会の皆さんが対応していくのかはわかりませんが、
医療業界の片隅にいる私でさえも、
かかりつけ医に関しては???マーク点滅するので、
医療業界とは接点がなく、
病気にならないと医療機関に行かない人にとっては、
かかりつけ医というのは、身近ではないというのが現実だと思います。

医療が限りある資源であるからこそ、
色々な方面から、医療について考える機会を与えるのは
とても良いことだと思います。

本の中でも書かれていましたが、
医療教育や、医療版のケアマネージャーの存在は
ちょっと期待したいと思いました。

今、医療業界で起きていることが
嚙み砕いて書かれている本です。

医療業界に興味がある方にお勧めします。

以上




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医療系人材紹介エージェント。日々、医師や看護師さんとお目にかかり、思うことや、自分がお邪魔して、こちらに人材を紹介したいな~と思う、医療機関さんが募集している人材情報を掲載していきます。あとは、自分の趣味のダイビングのことも書いて参ります。医療系で海好きの人と繋がりたいです。