そういえば、息子からビンタをされなくなっていた。

ようやく息子のイヤイヤ期にも慣れてきた今日この頃。街中で泣き叫ばれてもマスクのおかげでこちらの困った表情が周りにバレず(多分)、あまり恥ずかしくはない。マスクは息苦しいだけの物ではなかった。

***

息子が1歳半くらいになった頃。

今思えばイヤイヤ期の予兆だったのか、毎日ビンタをしてくるようになった。

初めて「バチン!」とされた時、はっきり言って泣きたいほど痛かったし、ものすごく悲しかった。こんなに可愛がっているのに。あと、赤ちゃんの力を侮ってはいけない。むしろ、手加減してくれないので今出せる100パーセントの力を使って思い切り叩いてくる。

なんで叩かれたんだろう。その日の夜は「たまたまか」と、1日限定のレアな出来事と軽く考えていたけれど、翌日も翌々日も叩く叩く...。

もう一つ、「笑いながら叩いてたなぁ」なんてことを思い出した。あれイヤイヤ期の予兆とかじゃなかったのか?確か、面白がって叩いてきた気がする...。

そんな私はどうしていたかと言うと、「目には目を」ではないが、痛みを知ってもらうために息子の頬をお返しに軽く「ペチン」と叩いてみたりした。でも効果はない。というより、こちらの「叩いてしまった」という罪悪感で心が痛み即中止。

結局ひたすら耐えることにした。いつかは終わるだろうと。また息子に叩かれるんじゃないかと思って一挙手一投足にビクついて生活していたけれど、いつの間にか終わっていた。

一体あれはいつ終わったのか。育児日記を探してみたけれど書いてはいなかった。

その一方で、ビンタと同じ頃に「ご飯が美味しいのか、よくチューをしてくれる」という内容の日記を見つけた。

「こんな可愛いこともしてくれていたのか!全然覚えてないぞ!」とうれしい反面、もうそんなことはしてくれないので少し寂しくなった。今は他にもっと可愛い仕草ができるようになったから、プラスマイナスプラスではあるけれど。

目まぐるしい子育て。毎日があっという間終わってしまう。

自分の気分で怒ってしまったり、後でいいことを今やったり、そんな生活していたらもったいない。もっと子育てを味わわなくては。

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その息子(体重12キロ)は今度はお馬さんごっこに夢中になっている。相変わらず母を痛めつけることはやめてくれないようだ。これもなかなかきついけれど、いつか終わりが来た時に後悔しないよう、今は全力でお馬さんになりきりたい。



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