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成人式の思い出

成人の日ですね。新成人の皆様おめでとうございます。

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さて、わたくしの成人式の思い出は、全く良いものではございません。何なら、成人式をキッカケに着物が嫌いになった程でございます。

そんなわたくしが、現在、着物や帯を制作する仕事をしているのですから、和装の魅力というのは凄まじいものです。...と言っても、わたくしが好きな和装というのは、現代和装のごく一部なのですが。笑

わたくしは、成人式に出る予定も無ければ、振り袖を着るつもりもございませんでした。

しかし、19歳大学の夏休みの時でした、祖母がどうしても帰省しろと...地味に押しの強い要請がありまして、祖父母宅に行ってみますと、ある日突然、着物姿の女性と風呂敷を抱えた男性が客間に訪れました。「叔母の用事かな」とリビングで、くつろいでおりますと、突然呼ばれて「さあ、この中から振り袖を選びなさい」と言われたのです。

もう、わたくしは、裏切られた気持ちでいっぱいでした。「そんな話は一切聞かされていない。騙された。これの為に「遊びに来い」などと、「顔を見たい」などと言っていたのだ。これは裏切りだ!」

着物姿の女性は、叔母の着付け教室の先生だったそうで、そのような説明をされれば叔母の立場を考えて、不貞腐れてもいられません。着物を選んだ後、帯や小物はお店の方が選んでくれるそうだという事を聞きました。

それがまず、振り袖嫌いになった1番の原因です。その後、どのようなやりとりがあったのか、全く記憶がないのですが、ただ一つ「裏切られた」「私の意思は無視された」という気持ちだけが10年以上経った今でも鮮やかに残っています。

他にも色々と嫌だった思い出はあるのですが、今回はこれくらいで。今は、着物や帯などの和装品を制作する仕事をしていて、振り袖も何着か師匠の仕事で制作させて頂きましたが「振り袖を着る事を楽しみにしている方もいる」という事を理解しております。ですので、「着たい人は着れば良い」「着たくない人は着なくて良い」と、そのように思っております。



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