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美大生が弟子入りするまでの流れ

もう10年以上前の話なので、記憶が朧気ですが...自分が弟子入りするまでにしていた事などを書いてみます。そして、今のフォリア工房の弟子入りするまでの流れ(募集要項について)なども、ざっくりポイントを説明したいと思います。

フォリア工房とは、染色品や(主に和装品)絵画作品の制作及び作品の販売、デザインなどの仕事をする工房です。弟子は、アーティスト・仁平幸春に師事し、染色の技法を中心に、創作的な事の全般を学びます。自営業の基礎から、SNSの使い方まで、作家として活動していくのに必要な事すべてを学ぶ事が出来ます。

当時、私は、女子美術大学の工芸学科で織を専攻していました。大学3年生の夏休みに作家さんの仕事場訪問をしました。作家になるつもりは当時、正直なかったのですが、「何かを作り続けていきたい」とは思っていました。ですので、自宅で作家活動をしている方々のリアルを知りたくて、何人かの作家さんの仕事場へ伺いました。その中の1人が今の師匠です。

師匠に会って話をした時に「どんな形であれモノづくりをして生きていきたいなら、現代では、SNSやブログ等はしていた方が良い。そして、それを毎日1回でも投稿し続ける事が出来ないのであれば、創作者としては不向きです。そのような検証は、すぐにでも無料で出来るので、今日からでもしてみても良いのでは?(2009年8月)」という旨の話をして頂きました。そして、私は、早速その日のうちに当時のSNSの主流だったTwitterとブログをスタートして、毎日更新することを始めました。

2010年2月に弟子入りし、修行を開始したのですが、それまでに師匠の勧める展示会や展覧会には出来る限り足を運び、師匠が開催するイベントにはなるべく参加していました。当時、弟子でもない私に惜しげもなくアドバイスをくれていた師匠には感謝してもしきれません。その助言は、精一杯自分なりに行動に移したつもりです。

親にも話をして、弟子入りする意思を固めます。そして、「弟子入りさせてください。」と師匠に伝えに行き、承諾して頂きました。2010年2月、修行開始はその当日からです。大学では織を学んでいましたが、将来は染色作家になるべく、弟子入りしました。

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今のフォリア工房の弟子入りまでの流れは、色々ありまして私の時とは異なります。きちんとしたルール・流れがあります。詳細は募集要項を確認してください。

大まかに説明しますと、【メールフォームから応募→履歴書確認→面接→2週間〜4週間noteを毎日更新する→結果を連絡】という流れです。意外と通過する人は少ないです。

以下、4つ程、アドバイスというか...ポイントを説明いたします。募集要項をしっかり読めば分かる事なのですが、準備不足の人が多いので、記載しておこうと思います

①通える環境か確認しましょう
親族の理解が得られているか、住む場所についてや、無給の期間どのようにやりくりするか等、しっかり準備をしておきましょう。勿論、分からない点もあると思います。その時は、何が分からないのか整理して、メールや面接などでご相談ください。実際、諸々プライベートに踏み入った話もしなければなりません。弟子を受け入れるという事は、社員を雇う事とは似ているようで全く違います。その点を応募してきた方々も理解していなかったり...という事も多くあり、途中で「辞退します」という連絡が来ることも少なくありません。

②履歴書は用意しておきましょう
履歴書の段階で躓く方もいます。年齢制限を設けていますが、そこをクリア出来ていないのに隠して潜り込もうとしてみたり...履歴書の提出がとても遅かったり、そもそも提出しないで1週間放置なんて事もありました。募集要項には「履歴書を提出してください」という記載がある訳ですから、応募のメールを送る前に履歴書を用意しておきましょう。そういえば、「メールで応募してください」と書いているのに、電話をしてくる方もいらっしゃいました。どうして...。

③noteの毎日更新をしてみましょう
SNSの毎日更新が出来ない方も多いです。格好良く見せようとして自滅したり...出来ると思っていたけど、いざ行動に移すとなると何をしたら良いか分からなくなるようです。個人的には、そのような事は募集要項に「してもらいます」と記載している訳ですから、応募する前に自分で試して出来るかどうか確認してから応募すれば良いのに...と思います。

因みに、そのような方々に共通する言い訳は「私は、完璧主義者なので、中途半端なものを投稿する事が出来ません」というものが多いです。完璧主義者なのであれば、毎日投稿する事を完璧に実行して欲しいものです。この段階ではクオリティの話はしておりません。

④フォリアのサイトやSNSをチェックしましょう
弟子入り前にこちらが確認したい事は「通える環境があるか」「言われた事を出来るか」「創作が向いているか、好きか。」という点くらいです。写真の完成度や文章の完成度などは特に求めていません。あとは...一緒に仕事をする上でフォリア工房に向いているか...というのも重要な点です。長く同じ空間で...少人数で活動をするわけですので、工房との相性が良いか否かも観察しています。憧れだけでは修行は出来ませんし、仕事にはなりません。本当に自分がフォリアで修行して作家になりたいのか、真剣に考えてみましょう。

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そんなこんなで、一通りの事をクリアして弟子入りし、晴れて修行が開始されます。3ヶ月〜半年の試用期間を経て、正式にフォリアの弟子として活動を本格化します。次回は、その修業開始後どのような修行をするのか...という点を書いていけたらなぁ、と思います。

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弟子入りについてのマガジンです。ご興味のございます方は、是非ご覧ください。
https://note.com/bon_/m/m250c85ade5a2

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