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職場に報告

 翌週、私の勤め先に夫が退院した事を伝ええ、お見舞金のお返しに菓子折りを渡した。『良かったですね~!日常が戻って来ますね!お返しなんてよかったのに〜』と喜んでくれた。
するとまた、今度は快気祝いをくださった。
えーっ!そんな申し訳ないですよ。と返したが、社長ご夫妻は『いいんですよ、今度はお返しはいらないですからね。気にしないでくださいね。』と。人が良すぎるご夫妻だ。

まだ検査結果は出ていないが、ありがたく頂戴する事にした。検査結果が分かったとしても、報告するのはやめておこう。
改めて考えると、今回の入院は治療の為ではなく、検査入院だった。
これ以上、気を遣わせるのは申し訳ない。急性膵炎という事にして、話を合わせる事にした。

パートは週3日で6時間程度働いている。家事との両立を考えると、ちょうどいいバランスだ。それにしてもこの歳にして、工務店なんて全く新しい業種だが新鮮で楽しかった。なんとなく出来るパソコンでどうにか対応でき、エクセルもほぼやった事はないが、グーグルのスプレッドシートは一応出来るのでそれが役に立った。また、一度教えてもらった事はだいたい覚えている。もちろんメモも取る。まだ脳はボケていないようだ。もうここが最後の仕事にしたい。

社長が現場調査に行って、お客様の要望を聞き、そのメモを元に見積もりを作る。殴り書きのメモを解読する所から始まるが、これがなかなか面白い。その後、パソコンの住宅3Dアプリで図面を作成。これもゲーム感覚で楽しめる。そして平米数を出し、各項目を計算して見積もり書を作る。改めてパソコンって本当に凄いなぁと感心する。そんなこんなで仕事に行っている間は、覚える事が色々あり、気が紛れた。

その他の事務作業は経理書類作成、カタログ請求、現場工程表作成などやる事は多岐にわたり、現場にも度々足を運ぶので飽きることはなさそうだ。時間もあっという間に過ぎていく。
私は、単調な仕事は性格上飽きてしまう。

一番向いていない仕事というか絶対に出来ない仕事は、食品工場のライン作業だった。機械の上にお菓子の袋が流れてきて、それを種類毎に分別し、手際良く箱に詰めていく。様々な種類がライン上に並び、次から次へとレールの上を流れてくるのを見て、目がまわり吐きそうになって、午前中で辞めてしまったという経験がある。こういう仕事は二度と出来ない。工場の流れ作業的な仕事も恐らく無理だろう。

アラフィフともなると本当に仕事が限られてくるので、今の仕事に出会えて感謝しかない。意外と私は、仕事運には恵まれていると思う。今の私にとって、ボーッとする時間が取れないのは有り難い事でもあった。

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