8月11日　就活生のための企業分析～決算編～

目次:

住友不動産
大和ハウス工業
東急不動産
三菱地所

住友不動産:
・決算の印象思ったよりも良かった。
・当期はホテルや会議室等が新型肺炎の影響を受け、分譲住宅の計上戸数も前年同期比411戸減って2,546戸だった。しかし、利益率の高い計上住戸が多かったため住宅分譲は増益、オフィス増益もあり、全体的な増益となったことは当初の想定よりも強い着地。
・特に注目なのが、既存オフィスにおいて賃貸収益が前年同期比3,100百万円増益したことである。賃貸事業の前年同期の営業利益が約41,765百万円に対し7%ほどの押し上げ効果を意味する。また、同じ基準での21年3月期通年の既存物件増益計画3,000百万円を現時点で超過している。比較的最近竣工した大型物件の稼働安定化や、賃料引き上げ交渉等が寄与したと推測できる。
・通期での会社見通しにおける減益は、ホテルや貸し会議室の新型肺炎等によるものが大きく、残りは仲介や住宅リフォームへの影響が加味されている。ポジティブな側面としては、同社は店舗物件をほとんど持たず、同業他社比で新型肺炎の影響が少ないことが挙げられる。

大和ハウス工業:
・決算の印象は想定通り。
・着地の営業利益は3割ほどの減益となっており、住宅の建築・分譲・リフォームなどのセグメント全てが新型肺炎の影響等で減益、ホテルなど他事業も同じく減益となっている。とはいえ、ここらへんのセグメントにおける減益は決算前から十分に想定できるものなので大きなサプライズはない。
・注目すべきは、大和ハウス工業のコアであるメインの3事業である。営業利益は、商業施設がホテル稼働減等で前年同期比-3.9%の30,400百万円、物流施設(事業施設)が競争激化による工事請負減少等で同-20.9%の24,500百万円、住宅も新型肺炎による営業自粛等の影響で工事請負減少し、戸建住宅が赤字転落の-1,000百万円、賃貸住宅が同-33.7%の16,400百万円だった。住宅建築の事業環境悪化に新型肺炎の影響が今期は拍車をかけるため、受注が全体的に-29.3%。今後も状況に注視が必要であることに変わりはない。
・会社はコスト削減等に取り組んでいるが、今はまだ受注状況などを様子見しているというコメントを残している。

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