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髙木監督・peccaさん 往復書簡④

↓往復書簡①
https://note.com/bokutootouto/n/n36d1d4205e30
↓往復書簡②
https://note.com/bokutootouto/n/n1c8da0f15ec4
↓往復書簡③
https://note.com/bokutootouto/n/n1dcfd9b79113


peccaさんから監督へ(2021年10月10日真夜中)


私自身「わかっちゃわないように」しないといけないよな本当に、と思って映画を振り返り、感想を書きました。身近に知的障害を持つひとがいたのは随分前のことで、この作品から「障害者とその家族について」みたいな命題を見出してそれについてしたり顔で何かわかったような気にならないようにしたいと、それはすごく強く思いました。そして、実際にはそれほどそこにこだわる必要も囚われることもなく、普遍的な家族の愛、難しさ、近さ、遠さ、葛藤、離れたい、離れられない、そういうことが私の心に一番響き残りました。

仰る通り、壮真くんに知的障害があって、その分普通の家族より思うように意思疎通の取れない情景が、私にとっては乳幼児であった息子と自分の間にたしかに通っていたものを想起させたのだと思います。分からなくたって愛さずにはいられない、どうしても許せない瞬間もやっていけないと思うこともあって、それでも完全に離れることはできない、どうしたってやっぱり愛しい、少なくとも私にとっての息子はそういう存在で、あの鼻をこめかみに押し付けながら笑うシーン、あれは本当にそういうプリミティブな「好き」で、きっとそれこそ”普通”の兄弟姉妹や親子は、時の流れと共に一度失ったらほぼ永遠に取り戻せない愛の形だと思います。私にとってももう二度と戻らない、大切な時間であり記憶です。宝物です。

私が一人っ子なので一般的な兄弟姉妹の感覚があまり分からないのもあるかもしれません。あと、親の愛も結局はエゴと不可分の歪なものだと思いますよ笑 親になる前に想像していたものとは随分違いました。またまたすごく長くなってしまいましたが、何が言いたいかというと、この作品を見る人たちにとって、それぞれの抱える愛や人生そのもののままならなさ、歪さに寄り添うメッセージのある作品だと私は思うのです。

東京での上映、実現するといいですね。楽しみにしていますね。関西にももっと気軽に行ける時期だとよかったのですが… フォロワーのどなたかに機会をお届けできていればいいなと思います。

それでは、髙木監督のますますのご活躍をお祈りしております。次回作も楽しみです。

pecca


(編集担当:Linda)
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【上映委員 タレコミ】
笑顔の素敵な人とお話しました。久々にありましたね、胸キュンってやつ。やっぱ笑顔の似合う爽やかな人にならなきゃなと思って鏡の前でお風呂上りに練習しました。次の朝、目が覚めたらほうれい線が濃くなっていました。

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【劇場公開情報】(2021年10月21日現在)
内容は二部構成です。本編上映後、監督&日替わりゲストによるトークセッションを行います!(随時情報更新中!公式SNSで最新情報を発信しております)

京都 @京都みなみ会館(トークゲスト情報を公開しました!
10/22(金) 19:00~
10/23(土) 15:30~
10/24(日) 15:10~
10/25(月)-10/28(木) 19:00~
※10/29以降も上映予定です!(終了日は未定)
https://kyoto-minamikaikan.jp/movie/12338/

神戸 @元町映画館
10/30(土)-11/5(金) 12:30~
https://www.motoei.com/post_schedule/ ※随時更新

大阪 @シネ・ヌーヴォ
11/6(土)-11/12(金) 13:45~
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/bokutootouto.html

「僕とオトウト」公式サイト https://boku-to-otouto.com/
上映情報専用ページ https://boku-to-otouto.com/infomation/
お問い合わせ bokutootouto@gmail.com

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