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髙木監督・peccaさん 往復書簡③

↓往復書簡①
https://note.com/bokutootouto/n/n36d1d4205e30
↓往復書簡②
https://note.com/bokutootouto/n/n1c8da0f15ec4


監督からpeccaさんへ(2021年10月10日深夜)


ご返信が遅くなり申し訳ありません。

お時間をかけて試行錯誤しつつ丁寧なご感想を書いてくださり、本当にありがとうございます。
とても嬉しく、何度も読み返して返信を考えているうち、とても遅くなってしまいました...。

愛について真正面から書いてくださったご感想は意外と今までなかったように思います。

私と弟は兄弟であり、親子とはまた違った家族としての関係があります。
全ての親がそうとはいえませんが、親から子への無償の愛というものの大きさはすごいなぁと思います。
なかなかそこまで大きな愛を兄弟に対して抱くことは難しいです。

一方で、親だからこそ子への愛の大きさゆえに、どこまでいっても親子という上下関係に近いものを崩しきれない部分もあるように思います。

山極先生もおっしゃっていましたが、子は親の身体から産まれます。
子どもを自分のもののように思ってしまうことはある種仕方のない部分もあると思います。

兄弟姉妹は同じ親から産まれますが、明らかな他者です。
兄弟のことどう思ってる?と友達に聞いても、どうと言われても...くらいのもので、そこに親のように深い愛があることは少ないでしょう。
子にはどんなことをされても許せるけど、兄弟姉妹のことは許せないという話もよく聞きます。対等だからこそ、許せないのかもしれません。

しかし僕の弟には知的障害があり、18にもなっても、僕を舐めんばかりに愛を伝えてきます。
それは普通、兄弟が本当に幼いときにしか成り立たない愛情表現なのだと思います。弟だからこそ表現してくれるたくさんの愛のおかげで、私は何度も助けられてきました。

ただそれはある種こちらに親のような感情を芽生えさせます。弟が何か悪さをしても、知的障害があるから仕方ないか、と笑い飛ばす。それも愛かもしれませんが、愛ゆえに一人の人間としてのオトウトを見えなくさせます。

もちろんそのオトウトを見なくても共に生きてはいけると思います。しかしそんなオトウトから僕への愛に甘えず、オトウトという大切な存在に対して「わかっちゃわないようにしようと思うんだよ」という誠実な愛を伝えられるようになるまでの「僕」の成長を描いた映画なのだと、pecca様のご感想を拝読して改めて気づきました。

この映画で描かれる「僕」の変遷は、観てくれた方それぞれの身近な大切な人との向き合いを考えるうえで、何か普遍的な力を送れるのかなと、たくさんの方からのご感想を読むうち思えるようになってきました。

東京での上映も目指しておりますし、どうもpecca様は関西にもご縁があることを1人のファンとして見ておりましたので笑、ぜひ劇場で観ていただけるよう頑張ります。

改めて、映画の視聴だけでなく、ご感想までくださり、誠にありがとうございました。



(編集担当:うえだ)
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【上映委員 クチコミ】
最近、私はお魚(ポリプテルス)に一目ぼれし、出かけた際は近所のペットショップに会いに行っている
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【劇場公開情報】(2021年10月20日現在)
内容は二部構成です。本編上映後、監督&日替わりゲストによるトークセッションを行います!(随時情報更新中!公式SNSで最新情報を発信しております)

京都 @京都みなみ会館(トークゲスト情報公開しました!
10/22(金) 19:00~
10/23(土) 15:30~
10/24(日) 15:10~
10/25(月)-10/28(木) 19:00~
※10/29以降も上映予定です!(終了日は未定)
https://kyoto-minamikaikan.jp/movie/12338/

神戸 @元町映画館
10/30(土)-11/5(金) 12:30~
https://www.motoei.com/post_schedule/ ※随時更新

大阪 @シネ・ヌーヴォ
11/6(土)-11/12(金) 13:45~
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/bokutootouto.html


「僕とオトウト」公式サイト https://boku-to-otouto.com/
上映情報専用ページ https://boku-to-otouto.com/infomation/
お問い合わせ bokutootouto@gmail.com

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