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ビジネス書に登場する面白い寓話の数々。「一角獣と夫婦」ってご存知?

経営や組織論などいわゆるビジネス書を読んでいると、寓話がよく登場します。その作者のメッセージを代表させて端的に伝えるため。文学作品や、偉人の名言、歴史的出来事が使われることもあります。

確かに寓話などの物語があるとメッセージが理解しやすいです。起承転結があり、主人公がいて、視覚的に想像でき、記憶に残ります。そしてだいたいどんでん返しがあって面白い。職場の仲間に伝えたり、講演の時にも使えたり。ボクもお気に入りが幾つかあります。

例えば:
「コスタリカの漁師とNYの銀行家」、「シジュウカラと野バトの会話」、「ピエールとヒロシのヘラジカ狩り」、「奇妙なロバの旅」、「生クリームに落ちた3匹のカエル」、「双子の運命」とか。

検索したら出てくるかもです。それぞれ含蓄・気づきがある。


で、おもしろい寓話に出会ったのです。有名かもしれません。noteにも紹介がたくさんありそう。ボクは初めてでした。

「一角獣と夫婦」
ある男が朝食を食べていると、幸運をもたらすとされる金色の角をはやした白い一角獣が庭にいる。バラを食べている。

妻の寝室に行って、揺すり起こして伝えた。
「一角獣がいる。金色の角だ。庭でバラを食べている」と。

妻は、「もう、なによー。うるさいわね。神話の生き物よ。何言っているの」と背を向けて、また眠りに入る。

男は、庭に出てみた。近くにあった百合の花を引き抜いて、一角獣に差し出してみた。すると、一角獣は百合の花も食べた。自分の差し出した百合の花を食べた一角獣を目の前に、確信を持った男は再度、妻の寝室へ駆け上る。

「やっぱり一角獣がいる。百合の花をあげたら食べた」。妻は今度は起き上がり、言った。冷たい目つきで。「バカなの? 精神病院にでも行きたいの?放り込んでもいいのよ」。

男は、バカと言われ、精神病院に放り込むなどと言われ不愉快な気持ちになった。「今に分るさ」と言って、妻の寝室を出て、庭に戻った。

が、一角獣の姿はなかった。男は一角獣が食べていたバラの間に腰をおろした。。。しばらくして眠ってしまった。

妻は、男が寝室を出て行くのを確認すると、これを機会にと警察と精神病院に電話をかけた。大至急きてください!と興奮しながら要件は細かく伝えず懇願。そして「拘束衣を必ず持ってきてください!危険ですから!」

しばらくして、警察と精神科医が到着する。妻は家にすばやく招き入れ、一連を伝える。「主人が、一角獣を見た、金色の角だ、百合の花をあげたら食べた、と真剣に語るのです。なんどもなんども! 信じないと暴力もじさない感じです。気が狂っています!」とすごい剣幕で。

警察と精神科医は顔を見合わせると、妻につかみかかった。激しく抵抗するが、どうにか取り押さえ、拘束衣で動けないようにした。

物音を聞いて、男が家の中に入って来た。「あなたは一角獣を見たと奥様に言ったのですか? なんども? 暴力まで振るおうとした?」警察が尋ねると男はキョトンとしながらも落ち着きながら「一角獣ですか? 神話の? どうしてですか?」

精神科医は意を決したかのようにうなずくと、「お気の毒ですが、奥様は正気を無くしたようです。病院でいったん預かります」。

2人は罵ったり叫んだりジタバタする妻をどうにか連れ出し、精神病院へ連れて行ったのでした。

夫はその後、末永く幸せに暮らした?らしい。


おバカな話です。が、寓話にはおバカな話が多々。人間の軽率について揶揄するのが寓話ですから。


さて、何を自分の気づきとするかは、自分次第ですね。何を感じるかは自由でいいですね。ボクは、1.魔女狩り的な権力(警察、精神科医)の怖さと、2.夫婦(人間)関係の裏表(昨日の友は今日の敵)を感じました。


それ以外にも:
・人間の軽率さ・思い込みの怖さ
・決断への思慮深さ・客観性・責任
・コミュニケーションの大切さ
・物事の裏表
・専門家なる者も容易に間違える

などを感じます。


ということで、自分の事業ををより”良く”したい、良きリーダーになりたい、などと思って経営関係の本を読むのですが、結局、人間とは、人生とは、幸せとは、などの人間理解の大切さに行き着きます。

ですので、人類学、心理学、文学、歴史、進化論、文明論、宗教などを学ぶことが/も大切かな、と、ビジネス書を読んで寓話に出会う度にそう思います。ついビジネス書を読んでしまうのですが、気づきはこれらの分野には敵いません。。。


お読み頂きありがとうございます。
(v9_55)


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