見出し画像

過去最高益だから社員がもろ手を挙げて喜ぶと思うならば、それは短絡過ぎ

過去最高益。でも、社内が暗い。嬉しくなさそう。なんだかつらそうだ。なぜだろう。わからない。。。

お仕事している会社さん。3月に終わりそうな今年度が過去最高益になる、とのこと。コロナの落ち着きも原因ながら、付加価値の高いサービスに絞りこみ、価格も正当に上げ、割引も無くす。発注しないお客様も増えたが、結果的には売上・利益とも伸びた。皆が忙しかったから、それを改善する目的もあった。社員に時間の余裕はでき、平均2~3時間/日の残業で以前より改善している。ボーナスも増やすと周知済。

しかし、社内は暗い。そして、暗い理由がわからないという。辞めたいという出すひとも。え、ボーナスとっても増えるよ、と伝えても。。。

ボクはこう思うのです。暗い理由なんてまず脇に置いておいて、リーダーが自分を内省してみてくださいって。

1.リーダーであるあなたは仕事を楽しんでますか。暗くなっていませんか
2.笑顔を職場で見せてますか。MBWA(management by walking/wandering around。職場をうろうろみんなと会話)してますか。冗談のひとつでも言っていますか
3.会社の存在意義、繰り返し伝えていますか。サービスの意義、個々のみんなの業務の意義を、繰り返し心から伝えていますか
4.最近の全社的試みの意義も同じです。どうして、今年度は価格を上げて、サービスを絞り込んだかを説明していますか
5.社員一人ひとりに感謝していますか。お客様から言われた感謝の言葉を皆にも伝えたり、皆に感謝を日々伝えていますか
6.社員の人間としての知的・人格的成長を実現しようとしていますか
7.社員の悩み・辛さに関心を持って傾聴してますか。共感して、一緒に解決へトライしてますか。
8.社員の失敗を寛容に受け止めていますか。原因を究明し克服させ鼓舞し次の挑戦に向かわせていますか
9.社員の個性を尊重し信じて頼っていますか。管理×管理×管理ではなくて、任せていますか
10.自分が権力・権威・役職名ではなくて、人間として尊敬され、付いて行きたいと思われる思考・言動をしていますか

リーダーが上記に当てはまらないなら、会社の数字結果が過去最高益であろうとなんだろうと、暗くなります。数字は結果。過程が地獄で、その向かう先の意義もわからなくて、どうして明るくなれるのか。

そもそもその数字の”価値”も伝える必要がある。「過去最高益」という言葉で社員がもろ手を挙げて絶賛するなんて思うなら短絡過ぎ。

辛い山登りを経て、エベレストの頂上に辿りついたよ、と言われても、曇って周りは見えず、そもそもエベレストに登っているかどうかの説明もなく、そして、そもそもエベレストがどんな意義深いところかも知らなけば、嬉しくなりえない。山登りの努力を振り返って、達成感を感じる訳がない。そして、エベレストから降りるのも辛く、あるいは次の山もまた辛い道のりでは? 誰が喜ぶ?

リーダーからのコミュニケーションが無く、表面的で、社員が自分は機械の歯車としか思えず、自由もなく、毎日同じことを繰り返しているなら、暗いのは当たり前。

今日も昨日に続いて、カリール・ジブランさん(詩人、画家)の詩です。人生について、確かにその通りね、を素敵な比喩で語ってくれます。昨日は結婚について。結婚とはつまり人間関係のこと、ですから、結婚以外の会社の人間関係についても意義深かったです。今日は以下:

愛をもって労働するとき、あなたは自分をつなぎとめる。~。愛をもって働くとは何か。それは、心から縒り出した糸で布を織ること。あなたの愛するひとがそれを身にまとうかのように。また想いを込めて家を建てること。あなたの愛するひとがそこに住まうかのように。そして優しい心で種を播き、喜びに満ちて刈り入れること。あなたの愛するひとがその実りを食べるかのように。~。労働、それは目に見えるようになった愛。愛なしで、ただ嫌気だけで働くなら、むしろ働くのをやめて神殿の門のわきに座り、喜びをもって働く者に施しを乞いなさい。~。いやいやながら葡萄を絞れば、その吝嗇が葡萄酒に毒を盛ります。

「予言者」(カリール・ジブラン著、佐久間 彪訳、至光社)

でも、現代は複雑。仕事は細分化。仕事の全体像が社員には見えない。歯車になりがち。だから「労働の愛」、つまり、その素晴らしい意義を伝えるのはリーダーの仕事であり、これ無しではリーダーの放棄です。

読んで頂きありがとうございます。
(最近出会った素敵な気づきフレーズv7_16)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?