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部下の失敗。キレるは弱い。そんなのへっちゃらな強い心を持つ方法(素敵なリーダーになりたい編_v4-2)

部下が失敗した。何やってるんだ。怒鳴る・怒る。

上司はそりゃ頭に来ることもある。上司の上司にも怒られる。何やっているんだ。部下をちゃんと見てるのか。なんて。自分だけ怒られて終りなんてありえない。だから、もちろん失敗した部下を怒鳴り・怒る。ある意味、ストレス解消だ。自分もストレスは溜められない。だから怒るよ。普通だろ。なんてことも考える隙も無く、衝動的に怒ってしまう。自制できず。。。

怒られた部下も、怒られたことで「帳消し」になったと思える。みんなの前でせっかくなら怒って。そしたら、周りの仲間が、「そんなに怒らなくいいのにね。元気出せよ、みんな失敗なんてするから。気にするな。」と励ましてくれる。つまり、自分サイドに立ってくれる。怒られ怒鳴られるのはイヤだけど、まぁ、正直いいか。だってプラスマイナスゼロだ。気にするな、なんて放置される方がつらい。怒られることを我慢した、という失敗帳消し要素が欲しい。だから、他力本願で帳消しにとりあえずされて、許しを得たような(免罪符)

一方で、怒らない上司もいる。誰もが失敗するさ、って気にしない。上司だって失敗する。失敗は繰り返したくないけど繰り返すもの。過去の成功体験を全く同じに繰り返せたって、結果はどうなるかはわからない。そう理解している。だから、ソリューション・フォーカスで良いじゃないか。原因を探り、解決する。で、次をまた、怯まずに挑戦すればいい。それが重要だ。なんて感じ。

これらを比較して思う。

上司にとって:
苛立ち無く怒らない方が「難しい」と思う。
自分の上司には怒られたかもしれないけど、自分は部下に怒らない。イライラしない。こんなことで心を動かされない。忍耐力という心の強さを持つ。なぜ起きたのか、どうしたら解決するのか、再発防止はどうするのか、過去は過去。もう心は未来志向。短気・苛立ちは環境を毒するだけ、とわかっている

部下にとって:
怒られることなく、担当を外されることもなく、逃げずに再度挑戦しないといけない方が「難しい」と思う。
その再度の挑戦も失敗するかもしれないのに。

周囲(仲間)にとって:
迷惑掛けたんだから怒られて当たり前だろ、なんで怒られないんだ、なんて気持ちに陥らない方が「難しい」と思う。

「難しい」という言葉を使ったけど、登場人物みんながこうあることは「高度」でもあると思う。

「高度」な上司:
部下の失敗ごときでイライラしない。他人に自分の大切な心を動かされるなんてことはない。忍耐力を持つ。むかついてもトイレで独り叫んで戻ってこよう。
そして、ビジネスしてたら失敗なんて日常茶飯事。自分だって頻繁に起こす。当たり前のことでマイナス感情に陥らない。
そして、結果(失敗)は偶然であることも理解し、その原因究明と解決策の実行に思考を集中する。未来志向だ。
そして、ひとの問題ではなく、組織の仕組み・ルールなどの人以外に問題が無いかも視野を広げ、必要に応じて修正する。
そして、今回、失敗した部下を観察し、モチベーションを維持し、次に臆せず挑戦させることにコミュニケーションの時間を割く。
そして、周囲についても上司としての説明責任も果たし、陰口を排除し、チームワークを維持する。

「高度」な部下:
失敗を怒られることでマイナスを帳消しにする、なんて弱い発想ではなく、マイナス状況から次への挑戦に自らを鼓舞する。
そして、思うだけではなく、実行する。
そして、素直に上司や周囲のアドバイスを受け入れ、自分の思考・行動スタイルで変えるべきは変える。
そして、もしかしたら「失敗したのに怒られずスルーされただけか」なんてつまらない感情を持つ周囲には、自ら謝罪する。

「高度」な周囲(仲間):
今回は誰かが失敗したけど、次は自分かもしれない。まずそう思う。
そして、仲間を鼓舞すべきだろう。けなす対象ではない。
そして、解決に自分も寄与する。これがチームとしてはメリット。
そして、今回の失敗から自分も学ぼうとする。対岸の火事ではない。
そして、ひとの問題ではなく、組織的な問題があるかもしれない。自分なりの気づきがあれば、チームに提起し議論を促す。

怒る・怒鳴る・キレる、という方法でも、何らかの解決になるのであれば、ひとつの選択肢、だと思う。

でも、登場人物みなが、上述のような「高度」をそれぞれ目指すべき(単にボクが好きなだけなのですが)かなと思う。それぞれの登場人物にとって、知性的で、人格的で、上質で良質な上下関係・人間的関係で、真のチームワークではないかなぁ、と思うだけなのです。

「職業上のすべての進歩・向上は、他の人びとを観察し、研究し、理解する能力のいかんによって決まる。~。しかも、自分の主張を語るときがきても、自分を抑制し、慎重に忍耐強く振る舞わなければならない。短気、苛立ちは、つねに周囲に当惑と混乱を招来し、ついにはすべての人を敵にしてしまう。~。何であれ成功しようとするものは、この種の気まぐれを自分に許してはならない。」(「他人をほめる人、けなす人」(フランチェスコ・アルベローニ著、大久保昭男訳、草思社))

そして、こんな高度なチームは「素敵なリーダー」がいるから構築される。やさしく・強いリーダー。

「素敵なリーダー」:部下の失敗に心を動かされない”強い”心を持ち、寛容に受入れる”やさしさ”があり、原因究明、解決にフォーカスし、必ず解決し失敗を取り戻す”強い”心があり、腐る・意気消沈する部下を鼓舞し克服させる”やさしさ”を持つ。だから、良質な人間関係・チームが維持され、数値結果が付いてくる。

こんな素敵なリーダーになりたいですね。

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