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ロボとカンフーと電撃パーマ 「カンフー・トラベラー 北腿」映画感想

「カンフー・トラベラー 北腿」ってあるじゃないですか。
「カンフー・トラベラー 南拳」の続編で、2017年製作の中国映画。
前作が大好きな珍品だったので期待して観たんですが、良い点はすべて失われていました。感想書きます。
前作については下記の記事を御覧ください。

ネタバレ注意
「カンフー・トラベラー 北腿」
「カンフー・トラベラー 南拳」
あらすじ
2147年、強大な異星人の地球侵略を食い止めるため、残された人類は戦闘ロボット一体を清朝南部にタイムトラベルさせる。カンフーの一派・南拳の達人に弟子入りさせてその技を記録、それを全戦闘ロボットにエクスポートし異星人に立向わせるのだ。作戦は成功、南拳を会得したロボットたちは異星人の侵攻を必死に食い止めていた。しかし相手はさらに強力な戦闘部隊を送りこんでくる。敵を凌駕するには南拳だけでなく、北方拳法の足技もマスターしなければならない、そんな使命を帯びて戦闘ロボット第2号が、1898年の中国華北に送りこまれた。そこに伝説の足技の達人が存在していると史実に残されていたのだ。しかし、2号は着いた直後に落雷を受け記憶を喪失、その地域に展開していた軍に拾われゴウと名付けられる。ゴウは自分のことは何も覚えていないが、達人を探すという任務だけは覚えていた。軍の司令官はゴウの能力を利用しようと、彼が足技を会得するのに協力、次々と道場破りをさせる。しかし真の達人は現れない。果たして彼は時間内に記憶を取り戻し北腿を会得、未来に技を伝えることができるのか!?
(amazonの商品ページより)

驚愕のタイムトラベルシーン

ストーリーとしては、前作でカンフーをマスターして、エイリアンを倒したんですけど、カンフーが通用しないエイリアンが出てきたんですよ。
で、今度は足技も習得するため、ロボ2号を再度昔の時代に送り込む、という話です。

もうね、前作同様、冒頭のこの辺から雲行きが怪しいんですよね。
「え、また同じことやるのか」ってゆう。
それでもまぁ、またタイムトラベルするわけですよ。
そしたら、運悪く、タイムトラベル先で落雷が多発していた。
ロボ2号は落雷を受けて、下記の現象が起きます。

1.機能不全となり記憶が消失し、物覚えが悪くなった
2.髪の毛がチリチリになった

問題はです。ビフォー・アフターの画像ご覧ください。

IMG_6785のコピー

スクリーンショット 2019-12-15 21.24.17

それはもう笑いましたね。
腹がつるほど笑いました。
若い頃の鶴瓶師匠みたいになってます。

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この映画の製作2017年なんですよ。
まさか今の時代に「雷のショックで髪の毛がパーマになった」というギャグで笑うとは思いませんでした。
しかし、この映画、残念ながら面白いのはここまでです。

前作から失われたもの

・タイムリミット設定が無くなり、緊迫感とテンポが失われた
・カンフーの師匠探しが難航し、メンター不在となる。そのため主人公の成長が遅い
・落雷により、記憶が維持できなくなったため、カンフー技を覚えられず、強くなっていくカタルシスがない
・上記2つの理由により、中盤のストーリーがほぼ完全に停滞する
・主人公に強く味方する人たちが皆無で、タイムトラベル先の時代に愛着が持てない
・グダグタとどうでもいい会話シーンが多く飽きる
・落雷の故障を治すと、主人公の人格が別人の様になり、感情移入しにくい
・前作にあった、荒削りながらも創意工夫のあるカンフーシーンが無い
・大規模な戦闘シーンがなく、こじんまりとした戦闘があるのみ
・陰謀がどうこうといった飲み込みづらい動機が多い
・前作を支えていた「自分たちがスキなものを詰め込んで、カッコいい映画を作るぞ」という志が伝わってこない
叶芸菲が出演してない

といった感じで、前作の良さはほぼ全て失われました。

前作で昔の時代に置き去りとなった女性技官が今回も出演しているんですが、劇中では10年が経過していて、かなり強くなってるんですよ。
木人樁もしっかり打ってるし。
せめて、「実は、カンフーの師匠は、強くなった女性技官だった!」みたいな展開があれば、まだ良かったのかも。

叶芸菲の不在

最大の問題はここですねぇ。
前作で圧倒的なキュートさ、圧倒的な存在感を見せた叶芸菲(デニスさん)の不在です。
叶芸菲については下記の記事を参照ください。

もう一度観たいこのキュートさ。

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パーマのくだりは大好きなんですが、映画としての出来は良くないです。
来年はぼくもあーゆう髪型にしようかなぁ。

しーゆー

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