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「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~」を終えて。

3rdライブめちゃくちゃ楽しかったなぁという話です。1日目を現地で、2日目を配信でエンジョイ!

2021年5月8日、9日、ラブライブ!シリーズの各種ライブイベントを含め、様々なイベントが緊急事態宣言の影響を受ける中、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~」が有観客で開催されました。

開催の是非は一旦さておき、開催できた事実については、キャスト、スタッフ、ファンのこれまでの努力と経験の積み重ねの賜物に他なりません。みなさまに感謝申し上げます。

当然のようにネタバレが含まれますので、Blu-rayを観るまでネタバレを踏みたくないんだいという方は回れ右をしていただければと思います。

私の最初の泣きポイントは、開演前から流れているBGMのボリュームが開演に向けてどんどんと大きくなるところでした。始まる前やん。虹ヶ咲スクールアイドル同好会の9人のパフォーマンスを直接この目で見るのは2020年1月に開催されたラブライブフェスぶり。

あぁ、夢が始まるんだ。
本当に始まっちゃうんだ。

そう思ったら込み上げるものがありましたね。セットリストは以下の通りです。

本編(1日目と2日目共通)
01. 虹色Passions!
02. CHASE!
03. Dream with You
04. Poppin’ Up!
05. DIVE!
06. サイコーハート
07. La Bella Patria
08. ツナガルコネクト
09. Butterfly
10. Solitude Rain
11. VIVID WORLD
12. Awakening Promise
13. 夢がここからはじまるよ
14. NEO SKY, NEO MAP! 
15. Sweet Eyes
16. 全速ドリーマー
17. 未来ハーモニー

アンコール1日目
EN1. 無敵級*ビリーバー
EN2. TOKIMEKI Runners
EN3. Love U my friends
EN4. NEO SKY, NEO MAP!

アンコール2日目
EN1. TOKIMEKI Runners
EN2. 2ndアルバム曲メドレー
 友&愛
 My Own Fairy-Tale
 オードリー
 開花宣言
 テレテレパシー
 Wish
 MELODY
 ☆ワンダーランド☆
 声繋ごうよ
EN3. Love U my friends
EN4. NEO SKY, NEO MAP!

……この差分、先読みできるか、バカヤロウ!(褒め言葉)

Sweet Eyesと全速ドリーマーを日替わりにするのはあるある構成案のひとつです。1日目に両方飛び出てしまった時点で、日替わりできそうな場所を見失いました。収容人数が抑えられているこのご時世ですし、1日目と2日目の差分を作らずに、どちらか片方だけ参加すれば全て回収できるシャッフルフェスティバルのような構成にされたのかなと思っていたらとんでもない。容赦ありませんでした。

順を追って感想を述べていきたいと思います。

01. 虹色Passions!

上原歩夢役の大西亜玖璃さんの第一声、「行こう! 明日へ」を聴いた瞬間にシャッフルフェスティバルから格段にレベルアップしていることを確信しました。センターステージで始まる本公演のオープニングテーマであり、アニメのオープニングテーマ。ようやく現地で聞くことができました。感無量。予想を裏切ることなく実装されたお衣装、可愛かったです。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はソロ曲のお衣装が個性的であるだけに、統一感があるとそれはそれで特有の魅力を発揮します。白基調に青とキャラカラーのワンポイントのアクセントが素敵。特にスカートの裾の青にかけたグラデーションが虹のかかる前の空のようで綺麗でした。センターステージに対して正面というよりは横から見ているような場所だったのですが、それでも綺麗にフォーメーションが観られるようによく考えられた配置になっています。

早々にMCに入り、優木せつ菜役の楠木ともりさんは自分の自己紹介してすぐに舞台を離れていきました。

実は楠木さんは事前にパフォーマンスを若干絞ることが公式よりアナウンスされていました。次の9人曲を休憩させるために掃けたとばかり思っていました。

02. CHASE!

いやいやいやいや楠木さん、曲数絞るんちゃうんか???? 9人曲じゃありませんでした。完全にやられました。正確に言えば事前に「アニメをなぞるならCHASE! をやってくれたらアツいけど曲数絞るならすでに何度もお披露目しているCHASE! は削られる曲の筆頭だよね」と話していたフラグが回収されました。いつもより増し増しに噴き出しているような気がする炎、楠木さんの力強い蹴りとシャウト、アツかったです。改めてトキメいちゃいました。もしかしたら彼女のパフォーマンスを観たことでスクールアイドルを目指すことになった未来のラブライブ!キャストが観客の中にもいたのかもしれません。噴き上がる炎の向こう側に楠木さんを映すカメラアングルが大好物です。

03. Dream with You

CHACE! があったこともあり、かなり丁寧にアニメ映像で振り返られるアニメ1話を観ながら腕時計をチラ見していました。この時は、このペースで振り返っていたら13話まで結構かかるなと思っていました。アニメ映像で歩夢が階段を駆け上がったところでステージ上の階段の上に現れる大西さん。アニメ同様、アカペラで楽曲が始まりました。入る直前の深呼吸音が堪らない。虹色Passion! の冒頭でも感じましたが、1stライブや2ndライブに比べて随分と成長されたなと。ソロデビューなども経験しながら努力されてきたのだろうと想像します。

04. Poppin’ Up!

大西さんが捌ける前に食い気味にセリフと共に登場する中須かすみ役の相良茉優さん。1stライブのデジャブ……! これぞかすみんのお家芸! というか幕間アニメ挟まらんのかい! 配信で観ているだけではわかりにくいですが、アニメPVがない2番を歌うときに、巨大スクリーンで幕間に使えそうなアニメの振り返り映像が流れていました。ボリューム感たっぷりのスカートの再現が素晴らしきかな。3rdライブが発表される前に参加した相良さんのお渡し会で「いつかアニメのお衣装を着た相良さんをいつか見たいです。間違いなく似合うと思います」と本人に伝えていたくらい大好きなお衣装だったので夢が実現して感動もひとしお。跳ねたりステップしたときのスカートの揺れ加減が絶妙でした。中にイイ感じにフレームを入れているんだろうなぁ。たぶん逆立ちしても捲れない鉄壁のスカートです。自撮り演出も可愛い。相良さんはバチッと中須かすみスイッチを入れられるところがすごいですね。

05. DIVE!

間髪入れずにDIVE! にダイブ。CHASE! からお着替えした楠木さんの再登場です。ライブ中のMCで特に触れられなかったので元からなのかこの日のためなのかよくわかっていませんが、DIVE! パッケージのせつ菜の髪色を感じさせる青の差しを髪に入れている楠木さんがカッコよかったです。赤と黒のお衣装に対するワンポイントとしても映えるんですよね。お衣装といえばアニメに比べて袖周りとお腹周りの防御力がやや高め。衣装の構造的に難しかったわけでなければ、キャストそれぞれに対してどこまで露出を容認するかのレギュレーションがあるのでしょう。一方で、ラブライブは再現した衣装でライブする未来がほぼほぼ約束されているコンテンツです。振り付けで指の角度までシンクロに拘るくらいなので、最初からキャストのレギュレーションに合わせた衣装デザインにすればいいのになぁとは思わなくもありません。本人も仰っていましたが、楠木さんは無観客だった2ndライブに対してモチベーションを上げることに苦労していたメンバーのひとりです。一転して3rdライブではめちゃくちゃ楽しそうにパフォーマンスをされていたんですね。その解放された姿を見て、アニメ第3話で自身を解き放ったせつ菜と心情面でもシンクロしていたように思えたのです。配信2日目、歌い終わりに決めポーズをする実物の楠木さんと巨大スクリーンのせつ菜がツーショットで映るカットは芸術的ですらありました。ゆえに衣装差分が尚のこと気になってしまったという話。

06. サイコーハート

9人だし3曲ずつくらいでMC挟むのかなと思っていた頃もありました。そんなことはなく、まだまだテンポ良く進みます。2ndライブに続いて愛ともダンサーズを引き連れてのサイコーハート。主に双眼鏡で鑑賞していたので視野が狭くてまったく気がついていませんでしたが、後にオフショットを見たら認識していた数の3倍くらいのダンサーがいて笑いました。相変わらず痩せそうな運動量の多い振り付け。それを笑顔を絶やすことなく歌い続けられるようになった宮下愛役の村上奈津美さんの体力の成長がハンパないです。笑顔の作り方にもいろいろある中で、村上さんの笑顔は人に元気を与えられる笑顔なんですよね。彼女が目を細めて大きく口を開けて笑うたびに、楽しいの天才の愛役が彼女でよかったなと思います。クラップ最高! 特に今は声を出すことができないので、クラップは観客がキャストに想いをぶつけられる数少ない武器です。村上さんの煽りに合わせてみんなでクラップしているときの一体感に改めて有観客の現地のありがたみを感じました。十分に満足はしていますが、やっぱり本当は声も出したいし、タオルも振り回したいし、サイコーなサイコーハートが実現する日を待ち望んでいます。

07. La Bella Patria

今回のライブのソロ曲でいちばん楽しみにしていた楽曲で、死を覚悟して臨みました。イントロの伸びが心地よすぎる高音で無事死亡。死の間際に観た景色はどこまでも広がる一面の草原でした。歌声だけでも死んでしまっているのに「ぎゅっと抱きしめて」のぎゅっと抱きしめる振り付けとぎゅっと目をつむる表情が可愛くて可愛くてオーバーキル。サビで手のひらを向かい合わせてぐるぐるさせるところもいいですね。私はいつ頃からエマ・ヴェルデ役の指出毬亜さんを意識するようになってしまったのでしょう。1stライブの時はそこまででもなかったんですよね。2ndライブの哀温ノ詩で気になり始めて、シャッフルフェスティバルの夢への一歩でトドメを刺された感じかなぁ。基本的に歌が上手い人が好きです、私。

08. ツナガルコネクト

ソロ曲パートを折り返しても休憩がはいらないのでこれソロ曲全部やっちゃうなと確信した瞬間でした。巨大スクリーンの映像が左右に割れて天王寺璃奈役の田中さんが映し出される演出だったので、双眼鏡でスクリーンを注視していた私はAqoursシップのような巨大田中ロボが現れたのかとわりと本気で勘違いしてしまいました。流石にそんなわけがない。それくらい非現実的なライブの空間に没入していたということで。田中さんは見ていて安心感しかありません。相変わらず璃奈らしいピョコピョコした可愛い振り付け。愛の振り付けとは異なる筋肉が鍛えられそうです。良くも悪くもいつも通りの期待通りのクオリティの高いパフォーマンスだったので良くも悪くも特にコメントすることがありません。田中さんに変化を感じたのは最後の挨拶でした。かつて2ndライブの感想で流石にネガティブすぎなんじゃないかという記事を書きました。今回の挨拶は該当箇所を本人に読まれたのではと思うくらい、私の理想とする自然に前向きなコメントだったのです。ネガティブなところも武器に変えるのが、一人前の田中だよ。今後の活躍も楽しみにしています。教訓めいたアニメ第6話は改めて思い出してもいい話です。この曲に限っては歌う前にアニメ映像が欲しかったなと思いました。

09. Butterfly

「えへっ」から始まった近江彼方役の鬼頭明里さんのパフォーマンス。蝶のように舞い上がるたくさんのシャボン玉が綺麗でした。これまで彼女はベッドなり高台なり月なり何かに座ってソロ曲を歌ってきましたが、今回は立ちで。彼女のパフォーマンスを観て、なぜこれまで立って歌わせもらえないのかよくわかりました。踊ると死人が出るからです。魅惑の腰つき、たまんねぇ。曲調がアラビアンというわけでもないのにベリーダンス風のお衣装をあてがった人は天才だと思います。腰布をつまんで誘うところが最高でした。 おヘソを隠す意味合いもあったのかもしれませんが、股上が深く、足が長く見えたのもよかったです。髪色を大胆に金髪に染めて、まるで近江彼方が現世に具現化したかのようでした。鬼頭さん、MCで優しく遠回りに運営に不平を漏らしがちなので、聞いているとハラハラするけど面白いです。「私たちこれからどうなっちゃうんだろうねー」と溢していた話もアニメ化やドームライブが実現した今となっては笑い話。

10. Solitude Rain

回を増すごとにSound Horizonめいてきます。階段の照明の点滅で表現された雨が綺麗でした。日が傾き始めたせいか、全体的に暗い印象を受けましたが、今思えば雨を際立たせるための演出だったのかもしれません。白黒アシンメトリーな色のお衣装と白黒2人ずつのモノクロダンサーズの組み合わせがツボい。白と黒に挟まれた桜坂しずく役の前田佳織里さんが正面を向くと「白白黒白黒黒」に、後ろを振り返ると「白白白黒黒黒」になるんですよね。美しい。最後の「飛び出すよ」で持ち上げられるのはちょっと笑ってしまいました。あの瞬間だけ桜坂しずくじゃなくて前田佳織里に見えてしまった……。黒の柄タイツが可愛かったです。お衣装いちばん凝ってたんじゃないか。1stライブのオードリーもそうでしたが、「舞台女優」という設定が活きているのか、毎度ライブの舞台演出がよく出来ています。私の中の今回のソロ曲の総合演出ナンバーワンはこの曲です。欲を言えば、最後の最後に「本当の私を見てください」というアニメと同様の台詞があったら、私、死んでいたと思います。

11. VIVID WORLD

スモークの音がすごすぎてびっくりしました。炎にシャボン玉に今回の特殊効果さん頑張りすぎでは。私がこのライブでこの曲に期待していたのはレーザー! いやぁ期待通りの素晴らしいレーザー! 堪能するために引きで会場全体を見たい私と双眼鏡を通して朝香果林役の久保田未夢さんをじっくり見たい私が戦っていました。仲間だけどライバル。ライバルだけど仲間。相変わらず久保田さんは自分の魅せ方を熟知しているなと思います。花道を練り歩く姿はカッコよかったし、センターステージでのおいでおいでからの投げキッスは反則的に可愛かったです。MCの回し方やまとめ方を見ていると果林よろしくみんなの頼れるお姉さん。だからこそ普段は強気な彼女の「次は(フルキャパで?)ドームを満員にしたい」という旨のちょっぴり涙声の主張でもらい泣きしそうになりました。実際のところ埋められるのでしょうか。無観客2ndライブを経て、3rdライブの会場にフルキャパで30000人収容可能なメットライフドームが選ばれた理由のひとつは「そもそもフルキャパで開催できる見込みが低かったから」じゃないかと想像しています。1stライブと2ndライブの会場が10000人程度だったことを考えると、50%収容想定で15000人というのは妥当な線です。今回は10000人くらいに絞っていたと思われます。アニメのBlu-rayの1巻の売り上げ初動が20000枚を越えるくらいだったようなので(3rdライブの申込に関係する3、4巻の売り上げではないですし、状況が状況ですし、誰がどれくらい積んでいるかはわかりませんが)、メットライフドームをフルキャパで満員にするというのは頑張らないと手が届かないかもしれない絶妙な目標設定であるように思えました。

12. Awakening Promise

ここでようやく久々の幕間アニメです。アニメ映像で振り返られるアニメ10から12話を観ながら腕時計をチラ見していました。このペースで振り返っていたらエンディングまであっという間だけどどうするんだろう、と。Dream with You のときとは逆の心境です。かすみから果林までの映像はほとんど配信画面に映らないので、配信だけ見ているとただの侑歩夢百合アニメでした。脚で脚を挟む例のシーンがメットライフドームの巨大スクリーンで見られるとは。声出しOKだったらいろいろな感情の声が飛び交っていたことでしょう。アニメ自体の構成が美しく、Dream with You と同じく歩夢が階段を駆け上がったところでステージ上の階段の上に現れる大西さん。ソロ曲の始まりの人であり、ソロ曲の終わりの人でもあるのです。楽曲はより力強く。お衣装の基本コンセプトはDream with Youと大きく変わらないのに、髪飾りとスカートに強めのピンクが入っているため、お衣装からも心の成長と意志の強さを感じ取ることができます。スカートが「花ひらく想い」に相応しく花開いているように見えるのもよいですね。アニメ通りの演出上どうしようもありませんが、2曲ともすべての「あなた」から一番遠いメインステージ2階から歌い始めなければならず、せめて1曲はもう少し近くで見たかったなぁと思うところはあります。

13. 夢がここからはじまるよ

今回のライブの山場のひとつです。アニメ挿入歌最後にして唯一の9人曲。アニメでは歌う前にキャラクターがひとりひとり口上を述べていきます。似たような演出はAqoursがMIRAI THICKETを歌う前にもありました。Aqoursの1stライブでは、この口上というか、もはやちょっとした芝居をキャストがセンターステージ上で再現してくれました。アニメとのシンクロをこんな形でも見せてくれるのかと感心したものです。虹ヶ咲も再現してくれたりしないかなと淡い期待を抱いていたので、第一声のかすみがアニメ映像で喋り始めたときは正直がっかりしました。かろうじてトリを飾る歩夢のセリフだけは大西さんの口から聞くことができました。で、高咲侑役の矢野妃菜喜さんのピアノですよ。びっくりしました。びっくりしすぎて何が起こっているのか飲み込むのにいくらか時間がかかりました。アニメをなぞって会場のどこかから応援するだろうとは思っていましたが、まさかアニメにはないピアノ伴奏によるイントロをここにもってくるとは……。矢野さんのピアノからはじまる夢がここからはじまるよ。口上の件で一旦がっかりしているがために、結果的におどろきへの差分が大きく、カタルシスを感じることができました。1日目は前方の9人と後方で定期的にペンライトの色を変えながら応援する矢野さんを双眼鏡で行ったり来たり、大変いそがしく鑑賞していました。ここで素直に「2日目も頑張ってほしいなぁ楽しみだなぁ」となれずに「ライブ……ピアノ……2日目……うっ頭が……!」となってしまったのは私だけではなかったでしょう。Aqoursの1stライブを体験しているとどうしても想いよひとつになれの件が頭をよぎります。どうなる2日目。そこには震える手でなかなかピアノに手がつけられない矢野さんがいました。緊張が走る中でボソリと聞こえた歩夢の「がんばれ」の声。背中を押されたようにはじまった夢はここからはじまるよのピアノ。めちゃくちゃドラマチック。曲が終わり、ステージ全体を映していたカメラが侑の背中を映すようにぐっと引くカットまで含めて、これ以上ない完成度の高いパフォーマンスでした。これだからライブは面白い。後のMCによれば、矢野さんは弾きはじめを見失ったそうで、大西さんは口パクのつもりだったそうです。ここに声の出せないレギュレーションが組み合わさり、奇跡の空間は誕生しました。声出しOKだったら矢野さんの手が止まった時点で「がんばれ」と野暮な声援が飛び交い、大西さんのマイクに入ってしまった囁きが会場に聞こえることはなかったでしょう。ライブの楽しみ方は人それぞれだと思いますが、無音であるべき空間を正しく無音で楽しむことの効果について、私たちに教えてくれる場面であったように思います。

14. NEO SKY, NEO MAP! 

そしてアニメのエンディングテーマ。やっと叶った現地回収。曲もいいけど振り付けもいい! ジェンカのように前後前前前と跳ぶところがお気に入りです。アニメ映像では制服にそれぞれのイメージカラーの傘ですが、着替える時間もないので、ライブではイメージカラーを基調にしたソロ衣装にイメージカラーの傘でした。個人的にはこっちのバージョンの方が好きです。傘を含めて衣装を眺めると、しずくだけイメージカラーをワンポイントに抑えた思い切ったカラーデザインなんだなと改めて。あとは全員が並んだことで愛と璃奈と彼方の生地の安っぽさが少しばかり気になってしまいました。踊りで魅せた3人なので動きやすさの代償かもしれません。傘は万能。閉じてよし、開いてよし、回してよし。使いこなすのは大変そうですが見栄えのよいアイテムですね。この曲でアニメパートは終わりです。一切の無駄がないテンポの良い構成でした。Aqoursのときはアニメ映像と共に振り返るフィルムコンサートですら途中でアニメにない曲を入れていましたし、アニメ準拠のライブなら間にユニットなどを挟んでいました。9人が着替えもせずに出ずっぱりというわけにもいかないので当然と言えば当然です。大西さんがMCで「虹ヶ咲にしかできないことをしたい」と言っていましたが、まさに今回のライブは、ぶっ通しでも着替えや休憩の時間を確保できるソロ曲主体の虹ヶ咲だからこそできた構成だと思います。

15. Sweet Eyes
16. 全速ドリーマー

トロッコあったんだー! 感染症対策の一環でないかもしれないと思っていたので嬉しかったです。アクリル板で飛沫防止対策もばっちりです。この2曲は楠木さん参加せず。そういえば楠木さん曲数絞るんだったということをここで思い出しました。あまり踊らなくていいトロッコを削るのは意外にも感じましたが、連続で歌うことを極力避けて適度に休息を挟みながら新規楽曲の練習を見送った感じですかね。邪推しても仕方ないので「お大事に」とだけ。スタンド席が輝ける数少ない機会なのでここぞとばかりに双眼鏡を投げ捨てて全力で盛り上がっており、ほとんど記憶がありません。歌詞がぐだぐだだったらしいことにも気がついていません。久保田さんと指出さんと相良さんと目が合った気がします(嗚呼、でもそれは気のせいよ)。キャストさんにおかれましては一瞬でもいいのでスタンド側上方を見るだけで、多くのスタンド観客の満足度を上げることができますので、余裕があれば見上げていただきたいなと思います。たとえ勘違いだとしても素敵な思い出が残るので何卒……!

17. 未来ハーモニー

トロッコがメインステージに戻ってきて、楠木さんが合流しての未来ハーモニー。こちらも念願の現地回収。毎回毎回、最後のしずかなが……! しか言っていません。しかし敢えて言おう。アニメ挿入歌お衣装のしずかな座りハグがめちゃくちゃよかったです。あと指出さんの歌声にご執心なので「扉を開いて… 出発!」のところが好きです。このすぐ後に気がつくことになるんですよね。この曲は本編のエンディングであり、アンコールのプロローグであったのだと。

無敵級*ビリーバー

まじかあああああ。まゆちいいいいい。アンコール幕間アニメを見ていても次の曲が何なのかわからない中でぶっこまれたのが未来ハーモニーのカップリングであり表題曲である無敵級*ビリーバーでした。振り返れば「なるほどね」と思うところもあります。しかし当日は、本編の満足度の高さにどうでもよくなっていたこともあり、まったく想定していませんでした。会場のどよめきがすごかったことを覚えています。やってくれました。このライブでいちばん刺さったのはここかもしれません。無敵級*ビリーバーは総選挙で1位を獲った中須かすみにだけ許された大切なシングル曲でありながら、2ndライブの昼の部で相良さんが失敗してしまった曲。その、有観客でのリベンジでした。大好きなこの曲を現地で観られるとは思っていなかったので成功しようが失敗しようが観られただけで嬉しかったです。パフォーマンスの出来はまさにSuper Perfect。ライブの雪辱はライブで晴らしてほしい派の私は大満足です。後のMCで感極まるあまり公式プロフィールでは非公表(個人番組では公表済)の実年齢をポロっと言ってしまうくらいに安心されていた様子。これがまさかの日替わり曲でまさかの1日目だけの使い捨て。だからこそ相良さんはこの1回に全力で挑んでいて、だからこそ泣くほどに安堵したのでしょう。本編のMC中、まだひとりだけ大舞台を残していた相良さんの内心は気が気じゃなかったんだろうなと想像します。いやぁよかった。本当によかった。この日を超える無敵級*ビリーバーは今のところちょっと想像がつきません。

2ndアルバム曲メドレー

2日目のアンコールの1曲目がTOKIMEKI Runnersだった時点で、1日目を知っている人のほとんどが「!?!?!?!?」となったんじゃないでしょうか。私はなった。しかも9人でしかも相良さんがもうライブTシャツを着ているので、ここから無敵級を披露する目はありません。何するつもり? まさか円盤特典ユニット?? 答えは村上さんの「ソロ曲行っちゃうよー!」で明らかとなりました。その手があった。2ndライブもそうだった。アンコールでソロ曲メドレーの前科があったんだった……。ここからはトロッコ祭りだったのでスタンド席ならば1日目より2日目のほうが輝ける機会が多かったことでしょう。楠木さんの「歌うよー!」の煽りが楽しそうだったMELODYとそういえばもう1本傘を使うオードリーは現地でもう一度聞きたかったなぁ! 指出さんの声繋ごうをメドレーの最後に持ってくる構成がよくできていて、1stライブでは子役が踊っていたところを指出さん以外のキャストに踊らせることでナチュラルに合流していました。1度現地で聴いている2ndアルバム曲だったので比較的穏やかでいられますが、3rdアルバム曲だったら発狂していたと思います。

TOKIMEKI Runners
Love U my friends
NEO SKY, NEO MAP!

1日目は無敵級のあとにTOKIMEKI RunnersとLove U my friendsだったので雑に9人曲を放り込んできたなくらいでした。2日目になると2ndアルバム曲メドレーのあとに2ndアルバム表題曲のLove U my friendsとなるので少しだけ見え方が変わります。1stライブのときは声出せたんだよなぁ。1stライブのときは「サビのコールはふわふわではなくYESです」という旨を書いたフリップを持って改札前に立っている人がいたんだよなぁ。懐かしい。また声を出せる環境で聴きたいですね。そしてNEO SKY, NEO MAP! も歌いたい。せめて「へい!」って言いたい。そんな日が来ることを心から待ち望んでいます。事前に「NEO SKY, NEO MAP! は本編の最後ですかね? それともアンコールの最後ですかね?」なんて話をしていましたが正解は「2回やる」でした。これも前科がありました。1回目に普通に歌って2回目にアンコールでトロッコで歌うというのは1stライブのTOKIMEKI Runnersでもやっていた芸当です。すべてから解放されて気楽にわちゃわちゃファンサービスをしながら歌うのいいですよね。好きです。観ているこちらも笑顔になります。しかし最後のNEO SKY, NEO MAP! はただのわちゃわちゃファンサービスだけではありませんでした。トロッコがメインステージに到着し、トロッコに隠していた傘を持ちだし、傘を持った楠木さんと矢野さんが合流し、パッと傘を差すと、アニメエンディングの最後のシーンが完成します。こうきたかー!! 先に述べたように本編では制服に着替える時間や矢野さんを都合よく出せるタイミングがないためにこのシンクロができなかったんですね。しかしアンコールのこのタイミングなら綺麗にできる! 完全な制服ではありませんでしたが、ライブTシャツなら制服のような統一感を出すことができます。ライブのエンディングとしてこれ以上に素晴らしい演出はあるでしょうか。もうただただ拍手するしかありませんでした。

まとめ

構成も演出も素晴らしく、何より心底楽しそうにパフォーマンスしているキャストのみなさんの姿を見られたのがよかったです。「制限下だったからこそ」という見方もできますが、制限下でこれだけ満足度が高かったのに、声出しOKで立ち上がりOKだったらどうなっちゃってたんだというくらい、控えめに言って最高のライブでした。お知らせで決まったアニメ2期や4thライブも楽しみにしています。大西さんがやりたい宣言していた紅白はどうじゃろか。近く出ようと目論むならば、単独よりはLiella! やAqoursと抱き合わせのほうが現実味がありそうです。今後の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の躍進を楽しみにしています。

余談
Aqoursは延期になったのに、Liella! は無観客になったのに、どうして虹ヶ咲は現地でできるんだ! という旨のご意見が予想通りいくらか観測されました。気持ちはわからなくもありません。端的に言えば各自治体の方針に則り最善を尽くした結果としか言い様がありません。開催地域が同じであれば同じ道を辿っていたことでしょう。配慮に配慮を重ねて虹ヶ咲も延期してしまう選択肢も取れなくはなかったと思います。しかしそれをすることはこれからも政治都合の鶴の一声で振り回され続けることを意味します。AqoursやLiella! のためになったのかと言えばそんなことはなかっただろうと思います。結果論ではありますが、運営の公算通り、みんなの努力が実を結び、2週間程度が経過しても、今のところクラスター発生の報はありません。この成功がAqoursやLiella! のこれからの活動の背中を押してくれることと信じています。

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