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「月の砂漠のかぐや姫」登場人物等紹介

「月の砂漠のかぐや姫」は、今でない時、ここでない場所、人と精霊の距離がいまよりももっと近かった頃の物語です。「月から来たもの」が自らの始祖であると信じる遊牧民族「月の民」の少年少女が、ゴビと呼ばれる荒れ地を舞台に、一生懸命に頑張ります。
 物語世界の下敷きとなっている時代や場所はあります。時代で言えば遊牧民族が活躍していた紀元前3世紀ごろ、場所で言えば中国の内陸部、現在では河西回廊と呼ばれる祁連(キレン)山脈北側の一帯です。



第1幕(第1話から第47話)

■舞台
 祁連(キレン)山脈北部のゴビ及びバダインジャラン砂漠
■主な登場人物
【竹姫】(タケヒメ)
 讃岐(サヌキ)村の翁が竹林で拾い育てた少女。12歳。部族の人たちからは「月の巫女」として特別扱いされている。しかし、本人は他の人と同じように扱ってほしいと願っている。
【羽】(ウ)
 竹姫の乳兄弟の少年。12歳。月の民の五大部族の一つ貴霜(くしゃん)族の若者頭である大伴(オオトモ)の息子。竹姫に対して好意を抱き、彼女の願いを叶えてやりたいと考えている。
【翁】(オキナ)
 貴霜族の讃岐村の長老。夢に導かれて竹姫を拾い育てた。本名は造麻呂(ツクリマロ)。大伴(オオトモ)とは昔からの知り合い。
【大伴】(オオトモ)
 羽の父。貴霜族の若者頭で遊牧隊の隊長。30代の屈強な男で、大弓の名手として知られている。
【有隣】(ユウリ)
 大伴の妻で羽の母。竹姫の乳母をしていた。
【至徳】(シトク)
 大伴の一族の若い女性。遊牧隊の一員。
【阿部】(アベ)

 大伴が青年期に知り合った他部族の男で、大伴の良き理解者。現在は月の民の五大部族の一つ肸頓(キドン)族の族長。40代の男で、片足を戦で失っている。
【御門】(ミカド)
 月の民全体の単于(王)。月の民の五大部族の一つ双蘼(シュアミ)族の出身。青年期には大伴や阿部と行動を共にしていた。当時の双蘼族の筑紫(ツクシ)村の月の巫女「温姫」(オンヒメ)の力を戦に利用して、大きな勝利を収めた。
【温姫】(オンヒメ)
 大伴、阿部、御門らの青年期に行動を共にした、筑紫村の月の巫女。後に月の民の正式な月の巫女として「弱竹」(ナヨタケ)の名を授かる。
【秋田】(アキタ)
 個人を指す名前ではなく、月の巫女に係る祭祀を司る一族を指す。祭祀の際には兎の面を被っている。



第2幕(第48話以下連載中)

■舞台
 祁連(キレン)山脈北部から天山(テンザン)山脈の北側にかけての交易路。羽磋は天山山脈北側にある吐露(トロ)村を目指して、交易路を西へ進む。
■主な登場人物
【羽磋】(ウサ) 
 羽が成人した際に、大伴からこの名を贈られた。吐露村にいる阿部に会うために旅に出ている。旅の名目上の理由は、肸頓族へ出されたためとなっている。
【小野】(オノ)
 阿部の信頼する部下。片足を失くした阿部に代わって、交易隊を率いている。とても小柄な男。
【冒頓】(ボクトツ)
 烏達(ウダ)渓谷の戦いで大敗した匈奴が月の民へ差し出した人質で、匈奴の単于の息子。小野の交易隊で護衛隊長をしている。荒々しさが残る20代の若者であるが、部下からは慕われている。
【超克】(チョウコク)
 冒頓の副官。冒頓と共に匈奴から月の民にやってきた。まだ40代だが、年齢よりも老けて見える。
【苑】(エン)
 匈奴から冒頓に付き従ってきた従者の息子で、護衛隊の一員。成人していないので、親しい者からは「小苑」(ショウエン)と呼ばれる。オオノスリの松風(マツカゼ)を飼っている。
【王柔】(オウジュウ)
 王花の盗賊団の一員でヤルダンの案内人。ナツメヤシのようにひょろっと背の高い男。仕事の途中で理亜と知り合う。理亜からは「オージュ」と呼ばれている。
【理亜】(リア)
 赤い髪と赤い目を持った異国の少女。寒山の交易隊が奴隷として連れていた。10歳ぐらいと思われる。本名は「ユリア」だが、王柔が初めて会った時に「リア」と聞き取ったため、以後「理亜」と呼ばれている。
【王花】(オウカ)
 ヤルダンを管理する王花の盗賊団の女頭目。大柄な体格で、腰まで届く豊かな髪を持っている。部下には「王」の字を与えて、家族のように接している。
【寒山】(カンザン)
 西方からヤルダンにやってきた交易隊の隊長。豊かな髭を蓄えた50代の男で、豊富な経験を誇る。
【雨積】(ウセキ)
 寒山の交易隊の一員。
【交結】(コウユ)
 交易路の中継地として栄える土光村の代表者。



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