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あなたなりのリーダーシップスタイルを役割として使いこなせているか

「心理的安全性のつくりかた」の社内読書会の体験をまとめる。

前回はこちら。第1章の話をベースに心理的安全性を確保した状態とはの話をした。今回の読書会は「第2章 リーダーシップとしての心理的柔軟性」を読み合わせた話をまとめてみる。

第2章 リーダーシップとしての心理的柔軟性

この章は4つのリーダーシップについて冒頭で語られる。このリーダーシップはスキルと定義。これは経営学の視点でも研究されている学術的な見解でもある。書籍:世界標準の経営理論より

そもそも、リーダーシップとは何だろうか。実はその学術的な定義は、いまだ完全には定まっていない。
引用:P.320 世界標準の経営理論より

この本でリーダーシップは組み合わせやシチュエーションによる使い分けと読み取った。この見解はこちらにまとめたが、二種類のリーダーシップを軸とした話に注目した。今回は他のリーダーシップも選択肢として登場した。

四種類のリーダーシップ

「心理的安全性のつくりかた」では以下4つをリーダーシップとして定義。

・トランザクショナル(取引型)・リーダーシップ
・トランスフォーメーショナル(変革型)・リーダーシップ
・サーヴァント・リーダーシップ
・オーセンティック・リーダーシップ

上の二つはTSLとTFLとして世界標準の経営理論の感想のまとめの通り。サーヴァントも最近よく聞くが、学術的にも書籍でも支援のイメージだ。オーセンティックは弱さを見せられるという点がポイントだろう。

オーセンティックの具体的態度は、ありのままの自分を表現すること。解釈すると、わからない・HELPをすなおに魅せることでフォロワーを促すやり方に思う。本書ではマインドフルによって実現することと問いている。

読書会では支援のイメージことサーヴァントタイプが多いねとなった。

心理的柔軟性にはマインドフル

リーダシップを見極め、心理的柔軟性を身につける話が第2章である。

心理的柔軟性は本書解説の科学哲学(機能的文脈主義)より、役にたつことやうまくいっていることを良しとすることだ。これをチームの大切なことと定義して挑めば、変化に対応できそうだ。

そして、マインドフル。オーセンティックにしろ、サーヴァントにしろ、リーダーシップを見極めるにはマインドフルな態度が必要なことが記載されている。読書会では、このマインドフルってなんだ?となった。

この「マインドフルに見分ける」とは、一言で言うと、いま、この場で進行中の出来事に、気づき続けている。ということです。
引用:P.129 心理的安全性のつくりかた より

本書では、マインドフルによって、今目の前に起きていることに集中できているかと問いかけている。会話中は自身の思考にさまよってしまいがちだが、目の前の組織の現象を捉えようということに感じた。

これは、チーム内で議論するときに実感することだ。まず俯瞰。次に、相手の思考のよしあしをその場でジャッジしないことにつきる。私が良い・悪いと思ったことは、「私の思考」にすぎない。この気づきが大事だ。

「私の思考」から「観察者としての私」へ

その「私の思考」で判断をせず、「私の思考」すら俯瞰して、本書で言う観察者に徹しないと視野が狭くなる。チームがという主語で決める議論にチームがとは、ならない。「私の思考」では、主語が私になる。

チームを主語とする。これはマインドフルなリーダーシップスタイルの使い分けによって実現することだ。チームを主語としてうまくいっていることをよしとするには、心理的安全性の確保が当然必要だろう。

そうすればチームが変化に対応することができる。

目指す目標をチームの大切なことして目指すことができる。それが組織として行動することの意味だ。この行動に注目する。思考ではなく、最終的には行動が結果を決定する。

思考のWhyではなく行動をHowで判断する

人のなぜには終わりがないが、チームの行動は判断の対象となる。判断ができれば、仮説検証の挑戦も可能だ。その判断方法に「私の思考」によっていないかも気づくことができる。気づく人になることが求められる。

なぜそんな行動するの?と思考の中を彷徨うのではなく、どのように行動したのかのHowに注目する。そのHowを見極めれば、Whatつまりは何をすればいいのかと次の行動の改善に結びつく判断ができそうだ。

この考えに至ったのは、自己認識の話は組織の認識にあてはめることができるとこちらのまとめより感じたからだ。

これが、マインドフルな状態を持ったリーダーシップと解釈した。第2章のタイトルにある、リーダーシップとしての心理的柔軟性はこのような態度なのだろう。

じゃあ、実際の行動はどう判断するの?となるが、この本の構成がうまいのが次の第3章は、行動分析でつくる心理的安全性なのだ。思い込みの排除であり、現象に対してのステップの踏み方がわかる話なのだろう。

次回の読書会も楽しみである。

※ なお、マインドフルネス、については今回参考書籍とした世界標準の経営理論のP.371にも学術視点でコラムがある。バイアスを克服する手段として視座を与えることと捉えるとよさそうだ。個人のバイアスを組織で乗り越える話を多様性を交えて解説している。

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