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『部下を元気にする、上司の話し方』

こんにちは。青い羽のタナカです。

今回は『部下を元気にする、上司の話し方』です。タイトルの通り、部下を持つ中間管理職以上の方はもちろん、プロジェクトマネジメントにも活用できる、コミュニケーションスキルについて言及された一冊です!

1.関心を持つ

部下を指導する際、相手が誰でも同じ方法で声をかけていないだろうか?

「最近の若い者は。。。」

「俺の時代は。。。」

同じ年齢の部下でも育ってきた環境によって価値観が異なる。指導に関していえば「褒めて伸びるタイプ」や「叱って伸びるタイプ」などの特性は、決して世代や性別で一括りにできるものではない。

部下は上司が思っている以上に上司のことを見ている。上司が大切にすべきことは、とにかく相手に関心を持ち、部下をよく観察し、それを言葉や態度にして体現すること。部下と信頼関係を気づけてこそ、効果的な褒め方や𠮟り方があるのだ。

本書では部下の種類を、感情や人間関係を重視する「女性脳」と、論理や根拠を重視する「男性脳」の2つに区分している。

2.部下を叱る

・女性脳向け

叱られる=上司から嫌われているかもしれない

という認識をするため、それを助長する「怒り」の感情を伝えるよりも先に、前向きな感情である「期待」や「好意」を伝える。

「〇〇の部分ですごく頑張っていることを知っていたからこそ、もったいないと感じたし残念な気持ちになった。同じミスを繰り返さないよう、一緒に対策を考えていこう」

・男性脳向け

冷静にミスや事実を捉えることができるため、言われた内容が適切であり、納得できるのかを冷静に判断する。

部下の言い分をまず聞き、上司として冷静に物事を捉えようとしていることを伝える。場合によっては部下の方から

「これは言い訳に過ぎないのですが。。。」

と、自ら反省し、改善策を言い始めることも多くある。

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人のミスには「相手が大切にしている価値観」が隠されている。部下がミスをした理由や思いを聞き出すことで、信頼度は上がり、本質的な再発防止にもつながる。

3.部下を褒める

・女性脳

日頃から他社の目を気にしているため「第三者」からの褒め言葉がモチベーション向上に繋がりやすい。

「○○さんもあなたのこと頑張っているねって言っていたよ」

自分は誰かから見てもらえているんだ、貢献できているのだと感じさせてあげる。

・男性脳

何に対して褒めているのかを明らかにする。

「先月の売上は○○円だったのに対して、今月は□□円までアップしたね!」

さらに1ステップ先の取り組みとして、成功要因を部下本人に言語化してもらう。

「何か工夫したことはある?」

部下は、上司が成功要因にまで関心を持ってくれていることを感じられ、自ら要因を考え、言葉にすることで成長も感じることができる。

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4.部下にアドバイスをする

大前提、他人からアドバイスされることを好む人はそもそも少ない。人は誰でも自分自身で気付き、自分自身で学びたい、できるようになりたいという達成欲がある。しかし、特にビジネスの場面ではアドバイスが必須になってくるし、チームでより良い結果を出すためにアドバイスをすることは有効だ。

「私のことをよく知りもしないくせに」

という、部下が上司の無関心を感じ得ている状況では、アドバイスが身になることはない。

・女性脳

まずはじめに上司に対する「親和性」を求める。

親しみやすいか、寄り添ってくれるかという人間性や性格を重視する。母性も持っているので、多少仕事ができない人に対しても「良い人だから憎めないし許せてしまう」となる。

・男性脳

まずはじめに上司に対する「信頼性」を求める。

組織の中でいえば、残念ながら人間性や性格よりも、役職や立場に影響されやすい。最低限、「仕事をしっかり行う上司」というイメージを持ってもらうことが重要である。

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アドバイスをした後は部下の次のToDoを確認する。これによって部下に自信をもって仕事に取り組んでもらうことができ、自ら宣言させることでやる気と責任感を持たせる。

5.フィードバックとフィードフォワード

・フィードバック

答えが一つしかない過去の仕事に対しては、絶対に守ってほしいことを指導する「フィードバック」を行う。

部下に多少ストレスがかかったとしても、組織としての信頼性を失うことは避ける。

・フィードフォワード

答えが一つではなく、今後も部下に自ら行動してほしい時には、未来にフォーカスした前向きな「フィードフォワード」を行う。

部下の自発的な行動によってアウトプットを最大化し、成長にもつなげてもらう。

6.書評

コロナ禍でリモートワークが広まり、社内でのコミュニケーションの取り方は変わりつつあります。特にこの本の対象となる中間管理職の方々は今後、「本当に必要な人材か」と厳しい目で見られるようになっていき、コミュニケーションの総量が減る中でも「本当にマネジメント力があり結果を出せる人」なのか、「結果に繋がる貢献ができず、それっぽいだけの人」なのかが顕在化していきます。

部下を本質的に捉え、組織でのアウトプットを最大化することでこそ、管理職の価値が発揮されるのです!!


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