仕事で壁にぶつかったら、整理・繋がりと2つの”F”を意識
さて、続きです。
壁にぶつかったら?でお伝えしたポイントの残り2つをお話しします
各課題、または施策の連鎖が整理されていない
ファクト(事実)とファンタジー(想像)が混ざっている
各課題、または施策の連鎖が整理されていない
「課題はひとりぼっちじゃいられない」
どういうことかと言うと、読んで字のごとく。そのままです。
課題はいきなり単体で存在するということは仕事上ではほとんどなく、
小さく分解すると、その小さな課題同士が繋がって最終的に大きな課題になっているということが整理するとわかります。
具体的には、超簡単に考えてみたらこういう感じです。
★課題★「利益を上げないとダメだ」
どのビジネスパーソンも数年やっていればこのような定番の課題が下りてくるのではないでしょうか。
利益を上げるという行為自体は誰も文句はないと思うのですが、それが課題となってやってくると、人によってはとたんに思考が止まってしまいます。
「原価を下げないと!」 「いやいや固定費を下げるべきだ」 などなど
ちょっと話は逸れますが、ここで最大の悪手の一つが、
「みんなで思いつく対策をリスト化する」です。
本当にこれは無駄中の無駄です。
一見なんとなく、みんなで一緒に頑張るイイ感じの衆知アクションのような感じがしますが、よくよく考えると整理もろくにせずに、思いつきのインスタントなアイデアなど、逆効果や無意味なものも混じるので全く良くありません。
さらにその課題だしリストに「記載者」欄があるとよりその症状は悪化します。なぜならば、名前が無いとみんなでがんばって案だしするのにサボっているような印象を与えてしまうから。それを避ける意味で「書く」という行為が目的化されてさほど意味がない悲しいリストが並ぶことになります。
リスト化するならきちんと整理して、芯を食ったものにしないと意味がありません。
さて、話を戻しますと。まず「利益を上げる」という課題を大カテゴリとして、ノートの一番左にでも書いておきます。
そこから、「利益を上げるには何が必要?」という形で課題を解決するにはどうしたら?という問いかけを自分にしていきながら細かく重要な漏れがないように書き出してみましょう。
*例えばで書いてみます
【大】利益を上げる
【中】売上を上げる
【小】商品観点で促進
【小】施策観点で促進
【小】売場、営業チャネル観点で促進
【中】費用を下げる
【小】変動費を下げる
【小】固定費を下げる
これらはすべて相互にリンクしています。トレードオフの関係にもなりうるし、何かのスイッチを押せば何かも同じような影響を受けるという関係になることもあるでしょう。
とりあえず大事なのは、大課題に対して順番にブレイクしていって繋がりを整理し、一番ベストな方法を探る整理をすることです。
一番ベストな方法を探る整理とは? については答えがあります。
それは、以下2つを満たすものです
・そのスイッチを押せば連動しているほかの課題にも自動で良い影響が及ぶ
・今手持ちの組織機能ですぐにできる
では、最後のポイントに移ります。
・ファクト(事実:FACT)とファンタジー(想像:FANTASY)が混ざっている
「2つのFに気をつけろ」
これは相当に厄介です。会社組織の一番の魔物の一つかもしれません。
偉い人でも普通に混ざります。
おそらく偉い人であればあるほど、社員やコンサルが出した二次情報三次情報をもとにインプットするレポートラインになっていることや、他社事例や一般的な経済記事などから、そのような理屈が構成されるのだと思います。
他社事例や一般的な記事などは、間違いなく自社にインストールできることの方が稀です。他社事例はその会社固有の文脈や組織機能と運があったからできたことであるし、メディアの記事は検証や観察を重ねた学者の文書とは異なり、再現性が担保されていません。いくら経済記事や経済ドキュメンタリーだといえど、自社に取り入れるにはファンタジーレベルであり、単なる面白話しとして聞くレベルで良いと思います。
しかしながら、**コンサルのレポートによればとか、●●経済メディアに書いてあったからという、何が書かれているか?というより誰が書いたか?に意識が偏ってしまって、いつの間にかファクトとファンタジーが混ざるという現象になるんだと思います。
私もよくこれに陥ります。毎回メタ認知を意識的にすることでそれに気づくように自浄作用を心掛けています。
それを解消するには、1つしかありません。
ファクトとして一次情報に当たり、自分の頭でロジックを整理する。
そして自社に再現性のあるロジックかどうかを確認する。
地味ですがこれしかありません。
特に一次情報に当たることが大事です。すべてでなくてもいいので必ず元資料、SQL、ローデータ、フリーコメントなどにアタックしてください。
その上で、通常の常識やロジックであれば壁に当たっているわけですから、さらに工夫が必要です。
私であれば再現性がある程度担保されている(数式化できていること)外部理論で筋がよさそうなものがあればそれにフィットさせてみる。
この一次情報と理論をフィットさせて説明がつくという腹落ち感があればそれはファンタジーではなくファクトベースのロジックになるのでは、という考え方です。
概ねこのやり方だと、時間はかかりますが大間違いはしません。
まとめますと、
2つのFに気を付ける。それは
・FACT(事実)は一次情報に当たること
・FANTASY(想像)はそこら中にFACTの顔をして転がっているので疑うこと
これで大体の壁は乗り切れます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?