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本の部屋

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わたしの大好きな本だけを並べた部屋。 いつか壁一面の本棚みたいになる日を夢見てニマニマしています。 「ふーん、どれどれ」くらいのスタンスで気軽に立ち寄ってみてくださると嬉しいです…
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#海外文学のススメ

【読書】『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ

このタイトルを耳にして多くの人がまず思い浮かべるのは、オードリー・ヘップバーンが主演した…

さち
1年前
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【読書】極上のエンタメ『ウィンダミア卿夫人の扇』/オスカー・ワイルド

19世紀末英国文学の旗手、オスカー・ワイルド。 彼の戯曲はエンターテイメント性がものすごい…

さち
1年前
37

【読書】『人は何で生きるか』トルストイ

ロシアの文豪、トルストイ。 『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などの大作で知られるけれ…

さち
1年前
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【読書】『星の王子さま』が光を放つわけ

『星の王子さま』。 数えきれないほどの人がこの本について語ってきたけれど、決して語り尽く…

さち
1年前
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【読書】『カラー・パープル』/ピュリッツァー賞受賞作を読む

差別の色濃い時代と場所に、黒人女性として生きる。 それがどういうことなのかを、20代の頃読…

さち
1年前
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【読書】『ミムスー宮廷道化師』/本物の賢さとは何か

「宮廷道化師」というものについて、この本で初めて知った。 なんて過酷な制度だろう。 この本…

さち
1年前
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【読書】『七つの人形の恋物語』ポール・ギャリコ

久しぶりに、お風呂にまで持ち込んで読んだ。 ほんの少しの時間でも、その世界から離れがたくて。 ポール・ギャリコ。 名を聞くばかりで、読んだことがなかった。 河合隼雄の『ファンタジーを読む』の中で紹介されていて、読んでみたくなった。 天性のストーリーテイラー、と聞いてはいたけれど、これほどとは。 蛍のような作品だった。 生きて、光を放っていた。 暗闇のなか、川のほとりで息をひそめて見つめなければ知ることのできない類の、脈動する美しさ。 捕まえてひとつひとつを分解して説明

【読書】『青い鳥』モーリス・メーテルリンク

大人にこそ、読んでほしい物語。 『青い鳥』。 ノーベル賞作家の名作戯曲。 誰もが一度は耳に…

さち
1年前
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【読書】『神さまの貨物』ジャン=クロード・グランベール

素晴らしすぎて読後しばらく茫然とした。 絶望と、それを貫いてなお強く輝く愛を、 こんなに…

さち
1年前
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【読書】『アルケミスト』パウロ・コエーリョ

「夢をあきらめてはいけないよ」 『星の王子さま』に並び称されるほどの賞賛を浴びた本書。 …

さち
1年前
26

【読書】『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ

透明感のある静謐な文体で語られる、ここではない世界線の物語。 その静かな文体とロマンティ…

さち
1年前
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【読書】『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ

これは魔法の本だと、半ば本気で信じている。 この本が広げてみせる想像力の翼に片足を乗せた…

さち
1年前
26

【読書】『ワンダー Wonder』R・J・パラシオ

「ぼくの外見については説明しない。きみがどう想像したって、きっとそれよりひどいから。」 …

さち
1年前
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【読書】『もうひとつのワンダー』R.J.パラシオ

『ワンダー』のスピンオフ作品。 前作をさらに上回る素晴らしさ。 この作品があってこそ「ワンダー」の世界は完成すると、わたしは思う。 作者はこう話す。 「いじめっ子ジュリアンには、ジュリアンが語るべき物語があります。 ただ、いじめについて語るジュリアンの物語は『ワンダー』に入れるべきものではありませんでした。 そもそも、自分をいじめる相手の気持ちを理解して思いやるなんて、いじめに苦しむ子がすることではありません。 けれども、ジュリアンを主人公にした短編で、その人物像をじっく