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【読書】『ワンダー Wonder』R・J・パラシオ

「ぼくの外見については説明しない。きみがどう想像したって、きっとそれよりひどいから。」

主人公のオーガストは、10歳。
いままで学校に通ったことがない。
なぜなら、顔に障害があるから。
でもこの年、
初めて学校に通うことに決めたー。



わたしは社会福祉を専門として働いてきたけれど、この小説を読むまでは、顔の障害について深く考えたことが一度もなかった。

顔の障害。
それにまつわる最大の苦しみは、
「見た目」。

オーガストはどこに行っても、
一目で他人から怖がられる。気持ち悪がられる。避けられる。
そしてときには「邪悪なもの」と見なされる。
そこには四肢や内臓の障害とは明らかに異なる種類の、苦しみがある。

でも。
勇気を振り絞り、震える心をなだめてありのままの自分で人前に立ち続けたオーガストは、いつしか人々にとって太陽のような存在になっていく。

映画化もされた、
世界累計1000万部のベストセラー。
少年視点だけでなく家族や友達などの視点から多面的に描かれるため、映画版をご覧になった方も、ぜひ。
わたしは映画版よりも小説の方が好きでした。
涙が、たくさん出ます。


主人公の持つ先天性障害は、
「トリーチャーコリンズ症候群」と呼ばれるもの。
発症は、1万人に1人とも5万人に1人とも言われます。

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