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ミニマリストが転職で幸せになるためには

 どんな仕事に転職できたら幸せになれるんだろう。
 
 こんなことを考えるのは、就活生や青い鳥症候群の人だけではありません。元看護師の大学教員である私も、現在進行形で悩んでいます。仕事を辞めたいという話を以前書きましたが、それの続編というわけです。

 その辞めたい職場で研究していたテーマが「看護師の幸福度を高める要因」なのですから、なんだか悲しい…。
 
 今回は、そんな幸福を追い求めるミニマリストが、幸福度を高める転職について考えたことを記録していきます。幸せという抽象的なものを整理するため、ベストセラー「幸福の資本論」を参考にいたしました。

※以前にも読んだことがあるものの、今回は自分ごととして、前のめりに一気読みしてしまいました(笑)。新たな視点をもたらしてくれる良書だなと、改めて感服いたしました。

 結論から述べますと、社会資本を堅持しつつ金融資本を育てていけるような塩梅の仕事選びをするべきだと考えます。


選択肢も価値観も多すぎる

 新しい仕事を探すというのは、今の私にとっては死活問題です。なんとなく転職サイトをのぞいてみたり、自己分析して天職はなんだろうと夢想するのとはわけが違います。仕事をしなくては生きていけないのですから。

猫になりたい!

 「理想の自分探し」なんて高尚なものよりも、ずっと生臭く、地味で、重大なこの転職活動という問題について真剣に考えた時、様々な選択肢があることで、幸か不幸かはさておき、頭を抱えることになるのです。
 
 選択肢の多さ≒自由度の高さ、と言えなくもない。しかし、行動経済学でも述べられているように、選択肢は少ない方がいいのです。「好きなものを選んでいいよ」よりも、「これがおすすめだよ」の方がありがたいのです。口では自由を求めていても、実際に自由に仕事を選ぶとなると困ってしまいます。なんてわがままなんだ、自分よ…。

どんな仕事にするべきなのか

 転職先の選択肢が多いというのは、嬉しくもありつつ、やはり悩ましい問題ではないでしょうか。

 わたしの場合、古巣の大学病院でばりばり看護師として働いてもいい。ゆったりしたクリニックでのんびり働くなんて道もある。他の大学に移り教員を続けることもできる。それとも、看護という分野を離れ、カフェでアルバイトなんてのもいい。クラウドソーシングで興味のある分野に挑戦したり、起業するのも楽しそうです。

一本道なら悩まずに済むのですけれど…

 大好きな仕事があるわけでもなければ、熱意や野望もない。こんな人間が好きに仕事を選ぶのって、実はかなり難しいのではないでしょうか。

どの価値観に従えばいいのか

 いろんな価値観や生き方を知ってしまったために、仕事選びで悩むこともあります。読書好きが災いした好例といえるでしょう。

 ミニマリズムという視点で考えれば、必要な金額を稼げる仕事であれば、それだけでいいのです。

 わたしを含め、ミニマリストは自分にとって本当に必要なもの、大切なことはなんであるかを見つめ直し、日々ものごとの取捨選択をしています。それは豊かに暮らすためであり、その豊かさとは必ずしも物質的・金銭的なものではありません。そんなライフスタイルであるがゆえに、ミニマリストの生活は無駄を減らす営みとなり、日々の出費も減っていきます。 

 現に私もミニマリズムを暮らしに取り入れてから、生活費がずいぶんと減りました。そのため、転職先が高収入であることに固執する必要はありません。たとえ給料が低くても、ストレスなく(可能なら楽しく)働けることを重視します。余白のある豊かさこそ、ミニマリストが大切にする価値観なのですから。

 となると、ゆったりクリニックで働いてゆとりある暮らしを送ったり、興味のある分野のアルバイトをほそぼそと続けることが、ミニマリズムにのっとった私の幸せな働き方だといえそうです。


 一方、FIREを目標に掲げていると「のんびり働いていこう」なんて言ってられません。

 Financial Independence and Retire Earlyつまり経済的自立早期退職を達成したいのならば、資産形成は欠かせません。つまり、お金を積み上げていく段階を必ず踏まなくてはならず、どれだけ多く稼ぐことができるのかという視点が必要になります。

お金がすべてじゃないけれど、あった方がいいのです。

 ミニマリストの立場ではお金はたくさんいらないけれど、資産形成をしたいのなら年収は高ければ高いだけいい。そうなりますと、看護というスキルしか持ち合わせていない私にとっては、命のかかった修羅場であったり、命を削る夜勤があるような、いわゆるキツイ職場が転職先候補になるわけで…。

 将来の経済的自立と早期退職のために、FIRE達成までと期限を決めてキツイ仕事を頑張るのも選択肢のひとつです。

なんのために働くのか

 生き方のスタンスによっても、働き方は変わってくるのではないでしょうか。

 仏教の「足るを知る」に感銘を受けたのなら、お金は少しでいい。イーロンマスク氏を尊敬していれば、結果的に大金を稼ぐことになる。この時、収入はそれほど問題ではないのです。

 お金は大切ですし、目標にはしやすいけれど、それしかないのは寂しそうです。きっと、価値観に合った働き方を見つけることが大切なのでしょう。それを自己実現、やりがいと呼ぶのかもしれないし、生きている限り模索していくべきことかもしれません。ただ、模索するためには今日も明日も食べて、寝て、生きていかなくてはいけないわけで…。仕事を辞める私は、まず転職活動なのです。

 自己実現だとか幸せな働き方だとか、あいまいで現在解決できないもので足を止めるべきではありません。自己啓発本でも仏教でも、行動することの重要性が説かれているのですから。

 行動するためには、まず仕事選びをするための指標を明確にする必要があります。そのために参考にしたのが、橘玲氏の「幸福の資本論」です。
 
※ちなみに本記事では、書評だとか内容の要約などはしません。あくまで思考の整理が目的となります。

幸福の資本論を読んで

 幸福の「資本」論というだけあり、この本には幸せの3本柱とでも呼ぶべき資本について説明されています。

 これらの資本について、自分がどの程度保有しているのか、そしてどの程度必要なのか確認してみましょう。それが分かれば、どんな働き方をするべきか分かるはずです。

金融資本について

  この資本は、経済的自由をもたらすほどのお金≒良い柱、という概念です。つまり、お金があればあるほどしっかりした金融資本であるといえます。資産形成をしたいミニマリストの私には、どの程度必要なのでしょうか。

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