小さなご馳走 その19
お料理と名乗るのも憚られるけれど、
食べると幸せを感じるおかずたち。
いやいや、今回もおかずではなく、ご飯(メイン)の方なんだけど。
この時期といったら筍ご飯でしょ。
これだけで食卓が華やぐ。
春になると店頭に並ぶ筍。
でも私は数年前まではあまりそれを買おうとは思わなかった。
なぜなら...ずばり
筍のエグミを抜きながら下茹でするという工程が非常に面倒くさいと思っていたから。
なんなら簡単に水煮の筍を買えばいいんじゃないの?
という、そういう選択肢しかなかった。
話は飛躍してしまうが、
それをいうなら、例えば麻婆豆腐は中華レトルトの素を買わなければできないと思い込んでいたし、塩こうじは無くなったら買わなくちゃと思っていた。
ないなら買う
買わなければ作れない
という単純な回路だけを強固にし、脳の思考回路がもうそれ以外の回路を探し出そうとしていなかった。
...全くそんなことはなかった。
麻婆豆腐は普通にだいたいあるもので作れるし、塩こうじなんて米こうじに塩と水を混ぜたら簡単にできる(→いや、これはちょっと簡単に書きすぎたけれど)。
一度やってみたらなんてことはない、そして買うよりも味付けを自分好みにできておいしいし、何より筍を店頭で手に取って「ああ、春が来たのだなあ」と思えることが贅沢で幸せなのだ。
水煮なんて買っていたら季節感も何もない。
私は凝ったものは作れないし、あんまり作りたいとも思わないのだが、
(結局シンプルなものが絶対的においしいから。凝ったものはもちろんおいしいけれど、シンプルでもおいしいならそれに越したことはないと思っている。)
店に〇〇の素があるから、それでしか作れない、とか
これは外食でプロが作るものだから自分では作れない、とか
そういう思い込みを外してみると結構世界が変わる気がしている。
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