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#05 皮膚科1軒目 血液検査

 現在ならまずネットで調べるか誰かに聞くと思いますが、当時はまだネット黎明期だったので、とりあえず何の知識もないまま一番近い皮膚科へ行くことにしました。そこはいつも先生が出勤してくる前から何人か患者さんが道路に沿って列をなしていて、診療時間中は靴もたくさん並んでいたし、繁盛しているようでした。もし診療所で手に負えないような病気なら大きい病院を紹介してくれると考えたし、まだ医療が神聖視されていた時代でした。昨今のように医療クラスタに対する批判が大きくなってきたのはコロナ禍を経てだと記憶しています。


 当時50代以上?の男性の先生でした。(もう引退されているようなので詳細不明)患部を10秒くらい見て、家族に同じような病気の人はいるか、前にもなったことはあるか、最近何かいつもと違う変わったことはしたか等を聞かれましたが、ほとんど心当たりはありませんでした。すると血液検査をするというので言われるがままに採血して3割負担で5,000円かかりました。

 まさか皮膚科で血液検査をするとは思ってもみなかったのと、5,000円は当時の大学生には痛い出費だったのでショックでした。何か重い病気なのかなと考えながら数日を過ごして検査結果を聞きに行きました。


結果はこれ👇(汚くて申し訳ございません) 

 ダニアレルギーであること、アレルゲンをできるだけ除去すること、布団の干し方等の指導を受け、外用薬を処方されました。

 アトピー性皮膚炎は極度の乾燥肌の方がなるものだと思っていたので、にきびができる脂性肌の私がなるものなのか、それに布団はちゃんと干しているし(おそらく私が太っているから怠惰で不潔な生活をしていると思われたのかもしれない)と困惑しました。加えて当時のメディアがアトピー性皮膚炎やアレルギーは不治の病として、肌がボロボロになっている重症患者や泣き叫ぶ子供を取り上げて恐怖を煽っていましたし、高額な民間療法も社会問題になっていたので本当に重い気持ちになりました。

 でも、仕方がないので、とりあえず指導された通りに布団の干し方や掃除をしてみましたが治らず。防ダニ用品やこまめな掃除、衣類は肌に優しい素材のものを選んだり洗濯に気を付けるなどをしてみましたがやっぱり治りませんでした。バッグにつけるような小さいものも含めてぬいぐるみを買わなくなったのもこの頃だと思います。とにかく何にでもダニがいると思って神経質になっていました。

 ある時、先生か看護師さんか忘れましたが患部を見ながら流れで「かゆいですか?」と聞かれました。問診というわけではなく、普通にこれかゆいの?かゆいでしょというかんじ。私は「かゆくないです…」(控え目)と答えました。すると先生が、一瞬無言で「えっ」という表情をしましたが、そのままでした。(つまりスルー)数人いた別の看護師さんもその場にいた誰も何も言いませんでした。(スルー)事実、発症してから一度も全くかゆくなかったのです。

 症状はよくならないのに、毎回長時間並んで同じようなやり取りをし、ステロイドを出してもらうだけの繰り返しに疲れました。通院にかかる費用(時間等すべてを含むコスト)と市販のステロイドを買うだけの費用はたいして変わらなかったので、数か月でその皮膚科には行かなくなりました。

 引き続きアレルゲンの除去や生活習慣等に気を付けて、市販のステロイドをつけるだけになりました。その後、発疹はだんだんと広がっていき、夏頃には全身に疎らに出ていました。

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